なぜマーケティングが必要なのか?顕在的欲求を満たすだけの商品やサービスが淘汰される理由。
「 オレにこの ペンを売ってみろ 」
「ウルフ ・ オブ ・ ウォールストリート」 という映画の劇中、 レオナルド ・ ディカプリオ演じる、 ジョーダン ・ ベルフォートが、 口にしたセリフです。
この問いに大概の人たちは、「このペンは、こんな特徴があって…」とペンの説明をはじめます。
しかし、ブラッドという麻薬の売人は、 サラッと次のような回答をします。
「このナプキンに名前を書け」
ペンを持っていないジョーダン ・ ベルフォートは、 名前を書くにはペンを売ってもらうしかありません。
ナプキンに名前を書くというJOBを作り出し、 その解決策として、名前を書く道具が必要だという欲求を生み出したのです。
何かを得たい、あるいは未充足や不満を解消したいという欲求に対して、その欲求を満たす便益を持つモノが存在すれば、そのモノに対する需要が生じます。
ただし、この映画のワンシーンである名前を書く道具が必要だという欲求は、顕在的な欲求であり、顕在的欲求を満たす便益を持つ商品やサービスはすでに世の中にあふれています。
世の中には何百種類のペンがあるか分かりませんし、コンビニに行けばすぐに手に入るというわけです。
そのような便利で成熟した時代だからこそ、より優れた価値を創造するマーケティング戦略が必要不可欠なのです。マーケティングはもはやマーケターだけの特権ではありえないのです。
マーケティングというと、何を思い浮かべるでしょうか?
広告宣伝活動・プロモーションを行うのがマーケティングでしょ?と思われていることが多いです。もちろん、間違いではありませんが、もっと広い意味で捉え直すべきです。
ノースウェスタン大学大学院教授のフィリップ・コトラーはマーケティングを「ターゲット顧客に対してより優れた価値を創造し、コミュニケーションし、届けること」だと定義しています。
作ったものをどう売るか。これは昔のマーケティングです。新しいマーケティングは、自分たちが何を作るべきかを決めること。そして、自分たちは相応しいものを作っているか、だけでなく、それが新しいか(唯一無二の価値を持っているか)も重要になってきているのです。
ペンの例であれば、フリクションボールペンなどは、書いた文字を消せるという、その唯一無二の価値で、市場を席捲しました。
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