すぐ寝られる人と寝られない人:性格と神経の違い、そして歴史の名残
夜、布団に入ると「あっという間に寝てしまう人」と「なかなか寝付けない人」、この違いにはどんな理由があるのでしょうか?
性格や神経の働きの違い、さらには人類の歴史が影響しているかもしれない、と考えると興味深いものがあります。
科学的な視点から見た「寝付きの良さ」
私たちの体には、交感神経と副交感神経という2つの神経がバランスを取りながら働いています。
交感神経
活動時やストレスを感じているときに働く神経。心拍数を上げたり、筋肉を緊張させたりする「戦闘モード」に関与します。副交感神経
リラックス時や休息時に働く神経。体を修復し、消化や睡眠を促進する「休息モード」に関与します。
すぐ寝られる人は、この副交感神経が優位に働きやすい体質や性格を持っている可能性があります。
一方、寝られない人は交感神経が活発で、体が緊張モードから切り替わりにくいことが原因と考えられます。
性格と寝付きの関係
性格面からもこの違いが見えてきます。
すぐ寝られる人
のんびりしている、ストレスをあまり抱え込まない。
心配ごとを寝る前に手放せる。
寝られない人
責任感が強い、考えすぎる傾向がある。
寝る前に「あれこれ」思考が止まらない。
これらの性格が、副交感神経・交感神経の働きに影響を与えているかもしれません。
歴史的な視点から考える「寝られない人」
ここで私が推測するのは、人間の進化や歴史がこの違いに影響を与えている可能性です。
狩猟時代の名残
古代の人々にとって、眠りは危険を伴うものでした。捕食者から身を守るため、交感神経が働いて周囲の音や動きに敏感であることが、生存に直結していました。現代でも寝られない人は、この「狩猟時代の名残」を持っているのではないでしょうか?武士の時代の名残
戦国時代など、いつ敵に襲われるかわからない状況では、気を抜いて眠ることは命取りでした。交感神経が優位で「備える」ことが日常だった人々の特徴が、現代に受け継がれていると考えると面白いですよね。
一方、すぐ寝られる人は「安全な環境」で生き抜いてきた祖先を持っている可能性があります。狩りや戦いの場面にあまり直面しなかった人々の特徴が、リラックスしやすい神経の働きに影響しているのかもしれません。
現代で「寝付きの悪さ」に悩む人へのヒント
寝られない人は、歴史的な名残や交感神経の働きが原因かもしれませんが、現代の生活ではその「戦闘モード」を和らげる工夫が大切です。
ルーティンを取り入れる
毎晩同じ時間に寝るなど、体内時計を整える習慣をつけましょう。リラックスする環境を作る
お香やアロマ、心地よい音楽など、五感を落ち着ける工夫が効果的です。「今すぐ寝なくてもいい」と考える
寝ることへのプレッシャーが交感神経を刺激することも。少し開き直って、「横になっているだけでも十分」とリラックスする姿勢を心がけましょう。
おわりに
すぐ寝られる人も寝られない人も、それぞれの体質や性格、そして歴史の名残が影響している可能性があります。どちらも人類の進化の中で大切な特性として残ったものです。