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将来の夢が見つからなかったあの頃の自分へ、今かけたい言葉
こんにちは、Tanakaです。
私は日本語学習者の方向けにさまざまなYouTube動画を作っていますが、その中に「エッグさんの日記」というシリーズ動画があります。
このシリーズは、日本語勉強中のたまごのお寿司「エッグさん」が、一日の終わりに日記をつけるという内容です。
1本あたり約2分程度の短い動画で、日本語初心者の方でも気軽に読めるよう、できるだけ簡単な語彙や文法を使ったショートストーリー形式になっています。
このシリーズの動画はすでに6本ぐらいアップしているのですが、今回はこのシリーズの中でも特に反響があった動画をご紹介します。
"I don't have a dream"(ぼくには夢がない)というタイトルのエピソードです。
学校で日本語を勉強しているエッグさん。授業の中でクラスメイトが自分の将来の夢を発表しますが、エッグさんには夢がありません。しかし大きな夢はなくても、自分の日々の中には小さな夢や楽しみがある。今はそれで十分なのだと気づく…というストーリーとなっています。
この動画を作ったのには理由があります。かつての私もエッグさんと同じように、夢がないことが大きな悩みだったからです。
今でこそ、「YouTubeなどのコンテンツを通して日本語の面白さを世界の人に伝える」という夢がありますが、学生の頃はずっと、将来の夢がないことがコンプレックスでした。
小学校のとき、周りの友達が「看護師になりたい」「学校の先生になりたい」「保育士になりたい」と話しているのを聞いて、もう将来やりたいことを見つけたんだ、うらやましいな、と思っていました。
小学生の頃というのは、将来の夢を発表しなければいけない機会が何かと多いです。夢がなかった私は、「大人から将来の夢を聞かれたとき用」として「ケーキ屋」「漫画家」などと、その年齢の子どもがよく言いそうな答えをいくつか用意して適当に言っていました。
夢がないから、とりあえず目の前の宿題だけでもちゃんとやらなければ…
夢がないから、とりあえず勉強をがんばっていい学校に入らなくては…
そうして、将来何をしようかという問いへの答えを先延ばしにしながら、目の前のことを必死にやってきたように思います。
就職活動が目前に迫ったときも結局、自分がどんな仕事をしたいのかわからず、よくある「職業マップ」のような職業一覧を眺めながら「どうしようかなぁ…」と思う日々でした。
そして就職、転職などを経て、自分がやりがいを見出したのは、大学で専攻していたこととは何の関係もない「日本語の面白さを世界の人に伝える」ということでした。
その選択には何か決定的な転機や大きなきっかけがあったわけではなく、小さな偶然が積み重なった結果でした。
高校で、少しだけ英語に興味を持ったこと。
大学で、留学生の友達ができたこと。
社会人になってから、週末の趣味として、iPadでデジタルイラストを始めてみたこと。
そんな小さな点のような、脈絡のないひとつひとつの偶然や興味が線となり、今の自分が作られたのだなと思います。
大きな夢が見つからなくても、小さなことに幸せを感じながら目の前のことを一生懸命やり、その時々で最善だと思う選択をしていけば、きっと何かが見えてくる。だから、今夢が見つからなくても大丈夫。
そんな過去の自分へ伝えたいメッセージを、この動画に込めました。
ちょっととりとめのない文章になってしまったかもしれませんが、動画に込めた思いを共有してみようと思い、書いてみました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Tanaka
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