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今あらためて漫画の中華キャラや中国っぽい設定を見て感じること

18歳から中国語を学び、中国留学や中国ビジネスをやってきて、中国人の家族ができてから、あらためて子供の頃に読んでいた漫画やアニメを見るとあらたな発見があります。多くの漫画に中華系のキャラが出てきたり、中国語をしゃべったり、中国の文化習慣が紹介されたりするシーンが結構あるんですよね。「この作者の見識すごいな!」と思うこともあれば、「これは表面上の情報さらったな(笑)」と思うこともしばしば。私なりに勝手に批評してみました。

「ドラゴンボール」の登場人物に中国語が?

ドラゴンボールにはなぜか中国語で発音する登場人物が何人かいます。桃白白(タオパイパイ)、餃子(チャオズ)、ウーロン(烏龍)、プーアル(普洱)、ヤムチャ(広東語の飲茶)。これが割とカタカナを割り当てるなら正確な発音に近い表記です。あと、アニメのオープニングの景色は中国の桂林そっくりですし、悟空の山の上にある家の造りや景色も中国にありそうな風景。あと、サイヤ人がテーブルに所狭しと並べられた中華料理をバクバク飯を食う風景も中国感がありますよね。

今見てみると鳥山先生、実は中国に住んでたの?と思ってしまうほど、文化再現度が高いです。

「北斗の拳」の経絡秘孔

「北斗の拳」でケンシロウやラオウが使う北斗神拳の根本は人体各所の「経絡秘孔」いわゆるツボを刺激して活殺するというもの。実際に「経絡(jing luo)」という言葉は中医学の言葉で存在していて、体をめぐる気・血・水の流れを指します。また秘孔という中国語は聞いたことありませんが、ツボは「経穴」と呼んだりしますね。たぶん日本で中国式の足ツボマッサージが流行ったのは北斗の拳のトキの影響が多分にあると見ていますがどうでしょうか。

もちろん漫画の世界なので・・と言えばそれまでですが、実際には経穴を突いて人が爆発したり一瞬で病を治癒することはできません。

ちなみに、体を内部から破壊する北斗神拳のライバルとして、外部からの衝撃で破壊する南斗聖拳という流派が出てきますが、中国武術にも北派、何派という言葉もあるし、「南拳」というまさに南斗聖拳のような力強い動きのジャンルがあります。おそらく、武論尊先生は中国武術・拳法、中医についてはかなり勉強されたのではないかと想像します。

作者の松田先生が実際に八極拳などの武術を学んでいる「拳児」や、刃牙シリーズの板垣先生も高名な武術家にインタビュー等もしているのでガチガチの中国拳法のキャラクターを描けるわけですが、案外、一般的な中国人が漠然とイメージしている武術は「北斗の拳」が一番近いのかもしれません。

「銀魂」神楽の「アル」

古くは「ラーメンマン」あたり?から、語尾が「〜アルヨ」になる中華キャラは多かったですね。さすがに近年減ってきましたが、再びアルヨ属性で一世を風靡したのはやはり銀魂の神楽でしょう。

「〜アル」という語尾がよく使われる理由は色々な説があります。例えば北京語の「er话音(巻き舌音・アール化)」に影響されているといった説や、日本語を学んだ中国人が日本語の活用系が難しいので「ないある」「難しいある」みたいな喋り方をする人が多かったので自然に定着したという説等々。

念押ししておきますが、中国人で「〜アル」と言ってる人には私、会った事がないですね。

横山「三国志」の功績

ちょっと今日のテーマからは脱線しますが、中国文化・歴史に興味を持つきっかけをつくるという意味では、横山光輝先生の「三国志」の右に出る作品はないでしょう。全60巻にわたって激動の後漢末期から三国時代が描かれ、中国のことはよく知らないけど三国志には詳しい!という日本人を大量生産しました。でも漫画で中国の歴史や中国古代の文化を学べた事は、私にとって大きな財産となっていますし、そのおかげで中国語や中国文化・中国史への興味のトビラが開かれたといっても過言ではないので、一番感謝している作品です。

皆さんが気になる中華系漫画、中華キャラは何ですか?





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