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中国人はなぜ白酒を飲むのか?

この質問を中国人にすると「そこに白酒があるからだ」と言われそうですが、中国人との白酒宴会を散々してきた私なりの分析を書きたいと思います。

そもそも白酒とは?
*中国で古くからつくられていた伝統酒の一つ。色が透明なことから白酒(baijiu)と呼ばれる。度数は驚異の平均50〜65度!(40度ちょいのものもあります)アルコール度数は高いが中国では一般にストレートで飲まれる。
*高粱などの穀物を原料にした蒸留酒なので、コメを主原料とする醸造酒の紹興酒とは異なる。独特な強い香りも特徴。

主な特徴はこんなところでしょうか。

実際、中国全体で見ると、日本で有名な紹興酒(黄酒)に比べてはるかにポピュラーでどこの地域にいっても宴会にはコレ!という感じ。白酒ブランドで有名な「貴州茅台」の時価総額は2020年にコカ・コーラを超え、若者の間では江小白という飲みやすい白酒が流行っていて日本でもよく見かけるようになるなど、白酒メーカーの競争も苛烈な状況です。

さて、なんで泡盛よりも強いお酒を中国人は好んで飲むのか?しかもストレートで基本一気飲みで・・

私が何人かの中国人に聞いたのは、中華料理は辛いものや脂っこいものなど色々な調理法のものが一気に出てきて口の中がカオスになるのでチェイサー的に白酒でリセットしているという説。最初意味がわかりませんでしたが、確かに白酒独特のフルーティーかつ口内がカッと燃えて鼻に抜けていくような感覚は、ある意味口直し効果があることは段々気づいて来ました。

もう一つ、中国に二次会文化がないことも影響してるのかな?って思ったりもします。日本では一次会でビールやカクテルで乾杯して、二次会はしっぽり焼酎で・・とか段階でお酒を選んだりもしますが、中国の宴会(特に地方)だと最初っから最後まで白酒・・ほぼちゃんぽんはしません。基本的に一次会しかないので気持ちよく酔ってお開きにしよう〜的な発想なんじゃないかな?と思ったりします。

私の妻の家族で言うと、パパが白酒大好きで私がビールや焼酎に逃げようとすると白酒のグラスをコツン!と当ててきます。以前中国の田舎に行った際には大姨夫(義母の姉の夫)が酒鬼で信じられない量の白酒を朝昼晩と飲んでいてアルハラしてくるのでだいぶ参りましたが、彼も一切ちゃんぽんはしてませんでしたね。

最初はこれは人間の飲み物か?と思っていた白酒ですが、今や私も美味しいと感じるようになってきてしまいました。特にガチ中華とのマッチングは最高!ただし、寿命を縮めるほどの価値は無いので家族で集まる食事会の時以外は飲まないようにしています。白酒を自宅で晩酌し始めたら人生終わりだと思います。


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