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「いただきます」「ごちそうさま」「ツッコミ」中国語翻訳に困る日本語

ある程度の言葉は日本語から中国語にそのまま翻訳できますが、中国に行った時に、日本の文化習慣でしか存在しない言葉って結構あるもんだと気づいたのでした。

例えばご飯を食べる時の「いただきます」は、そもそも中国人は言いません。ドラえもんなどの漫画で「开动啦」という謎の中国語に翻訳されていましたが、だいたい何人かで食事する場合は誰かが「吃吃(食べて食べて)」みたいな言葉を発してみんな食べ始めるという感じ。「ごちそうさま」も中国語に存在しないですね。近いニュアンスで「吃饱了、饱了(お腹いっぱい)」という表現はよく聞きます。

あとは「いってきます」「ただいま」「おかえり」も、中国語に直訳はできません。「そろそろ行く」「そろそろ帰る」というタイミングで「走了」。
もしくは「行くよ〜」という呼びかけの「走吧」という言葉はよく使います。はて、「おかえり」はなんでしょう・・たぶん存在しませんね。

それらは日常生活で徐々に慣れていけばいいのですが、一番難しいのが「お笑い」にまつわる言葉。これが全然日本と文化が違うので近いものに訳すしかないわけです。

例えば日本の漫才は中国の「相声」という伝統芸能に例えられますが、細かくみていくと進行や役割分担が異なり、さらにどちらかというと古典落語や講談みたいな決まったストーリーをどれだけ上手に個性を出しながら進行できるかみたいな芸です。なので、腹をかかえて笑うというよりは、綺麗なオチが決まると拍手が起こる感じ。

そして、日本のお笑い芸人の漫才やコント、バラエティ番組でも、なんなら一般人の会話でもほぼ不可欠な「ツッコミ」という概念もあるようでないです。「ツッコミ」は中国語で吐槽と訳される場合もありますが、どっちかというと愚痴るとか否定するみたいな方向なので、これも実際には日本の「ツッコミ」の概念とはニュアンスがかなり異なります。

それこそ関西弁の漫才でよく聞かれる「どついたろか〜」とかは、中国語にしたら普通に暴力振るうやばいやつって思われるかも。

あと、「お笑い芸人」を直訳して「搞笑艺人」と言って通じないことはないし、中国メディアで「日本的搞笑艺人」という言い方はよくしていますが、あんまり中国のコメディアンに対しては、そうした呼び方をしません。「谐星」がコメディアンや喜劇役者のニュアンスとしては一番近いかもしれません。あとは相声演员(漫才役者)とか、综艺节目的主持人(バラエティ番組の司会者)みたいに細かく肩書きを紹介することもよくあります。

あと、商社マン時代に日本語があまりわからない中国人に「みんな二次会に行くよ」と伝えたくて、「咱们一起去二次会吧」と言ったら「去哪儿???」となり、中国には二次会という概念がないことも知ったのでした。

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