日本で有名な中国語ほど中国で使われてない現実
中国に全く見識のない人でも知ってる中国語と言えば、こんにちはの「ニーハオ(你好)」とありがとうの「シェイシェイ(谢谢)」。もう少し詳しい人だとさようならの「ツァイツェン(再见)」や、おいしい!の「ハオチー(好吃)」まで知っている方も多いかもしれません。ただし、これらのフレーズが、中国では驚くほど使用頻度が少ないことに気づいたのは割と最近でした。
你好
恐らく日本で一番有名な中国語のニーハオは、もともと朝、昼、晩と、どの時間帯でも使える挨拶言葉なんですが、実際中国人が発するシーンはかなり限定的です。少なくともいつも顔を合わせてる人への挨拶言葉としてはまず使いません。
パターン①初対面の挨拶
ビジネス上で初めて会う人や、友達の紹介で初対面の人には、你好を結構使います。
パターン②人を呼ぶ時、声をかける時
例えばレストランで店員さんを呼ぶ時には、你好!と言えば駆けつけてくれます。
他にも道に迷ってそこら辺の人に尋ねたい時にも你好,请问〜(ちょっと聞きたいんですが…)みたいな感じで使います。
まあよく使うシーンはこれぐらいですかね。
では、普段の挨拶はどう言えばいいのかというと、例えば友達同士なら哈喽(ハロー)とかハ〜イみたいな超ポップな挨拶が若者の間では好まれます。
もしくは挨拶すらせずにいきなり会話に入ったりするのもあるあるです。
北京の年配の方とかだと吃饭了吗 吃了吗(飯食った?)みたいな挨拶言葉も一般的みたいですが、あんまり若者は使わない印象ですね。使うとしても本当に天気の話じゃないですがご飯食べたか質問したい時に出会い頭のトークテーマとして使います。
谢谢
ありがとう!も日本人が好きな言葉の一つかと思いますが、意外と中国では頻繁には聞きません。
私も外国人留学生同士の会話では谢谢をお互い連発してたんですが、中国人との会話になると途端に僕だけ発する感じになって、留学当時から違和感を感じていました。
中国人の妻に聞いてみたところ、谢谢も然るべきシーンでしか使われない言葉で、家族間や友達同士で使うと、ちょっと丁寧すぎて距離感を感じてしまうそうです。
好吃
你好や谢谢を中国人が思ってたより使わないのは20年近く前の留学時代に気付いてましたが、おいしい!の好吃がかなり貴重だと気付いたのは、中国人と結婚して家族や親戚と食事する時間が多くなってからです。
おばさんに你吃什么都好吃啊(あなたは何食べても好吃ばっかりねぇ〜)と言われたんです。
別に何食べても美味しい!というのは、作ってくれた人への礼儀でもあるし日本だとそんなに違和感ないですよね?でも、おばさん曰く中国人の場合は本当にすごく美味しいと感じた時にしか好吃ってそうそう言わないよとのこと。中国語で風味の食レポするのが難しいからとりあえず好吃と発していたんですが、中々そうは問屋がおろさないようです。
ちなみに、さようならの再见は年代によります。僕(39歳)よりちょっと上の世代は使う人もいますが、20代とかになるとバイバイ(拜拜)の方が一般的ですかね。
今回紹介したようなフレーズは文法的に間違えてるとかではないので、外国人が使う分には中国人もそんなに違和感を覚えずに受け入れてくれるかと思います。
あらためて、日本語に置き換えてみると、確かに「こんにちは!」とか「さようなら!」ってそんなに使わない言葉ですよね。教科書言葉を鵜呑みにせず、中国人との交流を続けていくと、自然にケースバイケースでネイティブに近い言葉のチョイスが出来るようになるかと思いますので、気長にチャイニーズ体験を楽しもう!というのが本日の結論でございます。