営農情報 #1 8月に生ラッカセイを出荷しよう!
直売所でも人気の生ラッカセイ!
露地で普通に栽培すると、9月以降が出荷時期となります。
しかし、ラッカセイの播種時期を少し前倒しして、不織布のべたがけをするだけで8月に出荷をすることが可能となります。
所謂、旬の先取りってやつですね!
でも、早出しの狙いはそれだけじゃありません。
直売所で販売される生ラッカセイは、茹でラッカセイとして食されるものが殆どなのです。
茹でラッカセイは、ビールのおつまみに最高!
というわけで、8月に生ラッカセイが出荷できると暑い夏にビールと茹でラッカセイでグビッとイケるのです!
8月出荷のラッカセイの栽培概要
ラッカセイは収穫適期が短いわりに栽培期間は意外と長く、普通に栽培すると、その後の秋冬産野菜の作付けが遅れることが悩みのタネ…
特に耕作面積の広くない私たち都市部のJAでは深刻な問題なのです。
そこで私たちJAにしたま営農生活課では、ラッカセイ(品種:郷の香)の早出し栽培の試作試験を令和3年に行いました。
・播種(4月9日)
元肥はほんの少し有機化成肥料を施しました。
マルチを施用し、90㎝の畝に2条、株間30㎝、1穴2粒で播種しました。
播種後に不織布(白)をべたがけしました。保温効果はもとより、鳥害の被害を防ぐこともできます。
・発芽確認(4月26日)
発芽を確認しました。無事に発芽してくれて一安心。
・開花確認、不織布とマルチを除去(5月24日)
全体の5%の株が開花したら、不織布とマルチを除去します。
マルチの除去は、思い切ってはがしても、ラッカセイの株はそれほど傷みませんでした。
またまた一安心。
・収穫1回目(8月6日)
まだ早いかな…と思いながらも数株を試し掘りしました。
やっぱり…まだ、早いです。豆の熟度がイマイチ足りません。
でも、もったいないから食味調査は行いました。ちょっと柔らかいですね。でも美味!
・収穫2回目(8月16日)
1回目の収穫物より豆の熟度も充実しています。
食味調査もしましたが、最高でーす!
・収穫3回目(8月26日)
豆が少し硬くなりはじめています。これ以降の出荷販売は少し厳しいかもしれません。アルデンテが好きな方、豚骨ラーメンの替え玉は硬め・バリカタという方にはちょうどいいかもしれません。
試験栽培の結果
4月播種・8月出荷の早出しラッカセイは、特別な資材も必要なく、作業負担が増えることなく、通常栽培と同様に取組み、販売可能な品質のものが収穫できました。
・8/6収穫
豆の熟度が少し不足。小さい豆が気になる。
・8/16収穫
豆の熟度はちょうど良い。食味も良好。
・8/26収穫
16日収穫よりやや硬め。販売は問題ない。食味は良好。
試験栽培の考察
・8月中旬以降の販売アイテム不足を解消
8月の中旬になると、直売所では夏野菜の出荷が終盤になり、販売アイテム不足になります。
早出しラッカセイは、販売アイテム不足を解消するための有効な品目として期待できると考えられます。
・猛暑時の農作業負担軽減を実現
ラッカセイの畑での収穫作業は、時間も労力もさほど必要ではありません。
例えば、午前中に短時間で株を掘り上げた後、自宅作業場に持ち帰り、扇風機やエアコンのある涼しい作業場や日陰で莢もぎや袋詰め作業が可能なため、猛暑時の作業負荷を軽減できる品目です。
秋冬産野菜の作付けへの影響を軽減
8月末までに収穫が終了するので、9月に播種・定植を行うことが可能となり、秋冬産野菜作付けへの影響を最小限に抑えることができます。
おまけ ~オススメのレシピ~
茹でラッカセイは、普通に鍋で茹でると調理時間が長くかかってしまいます。
でも、圧力鍋があれば簡単に時短調理が可能です。
クックパッドで圧力鍋を使った茹でラッカセイのレシピを発見!
私もこのレシピで調理したら、とても美味しく茹で上げることができました!
皆さんも、是非参考にして下さい。
(営農生活課H.O)