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農家が生み出す加工品~農家の餃子、その名も「農餃」~


今年も関東甲信地方で梅雨入りが発表されました。洗濯物の生乾き臭が気になる時期・・・。気分がどよ~んと沈みがちですが、こんな時こそお家時間を充実させたいですよね♪

さて、今回は『産地リポート』企画の第2弾!
JAにしたま管内の農産物や生産者にスポットをあて、農産物の知られざる魅力や生産現場のリアルをお伝えしていきます。

今回は、農家が生み出す加工品開発の現場に密着!
2022年から加工品販売を始めた、羽村市の宮川農園さんを紹介します。


宮川農園さん

宮川農園は、120アールの畑で年間約40品目の野菜を栽培する農家さんです。
ナス、タマネギ、キャベツ、ネギなどの定番野菜から、世界一辛いトウガラシの栽培もするなど、メジャーなものからマイナーなものまで様々な野菜を地域住民へ提供しています。
特にナス栽培においては地域の農家からも一目置かれる存在で、ナスの栽培管理技術を競う東京都の品評会で1位を取る実力者。その技術を活かし、ナスをはじめとする野菜苗を地域の農家に販売し、地域農業を支えています。

地域の中でも存在感を放つ宮川農園さん。
2022年から6次産業化に取り組み、農園の野菜をふんだんに使った加工品の販売を始めました。


6次産業化とは

「6次産業化」とは、農林漁業者(1次産業)が、農産物などの生産物の元々持っている価値をさらに高め、それにより、農林漁業者の所得(収入)を向上していくことです。

生産物の価値を上げるため、農林漁業者が、農畜産物・水産物の生産だけでなく、食品加工(2次産業)、流通・販売(3次産業)にも取り組み、それによって農林水産業を活性化させ、農山漁村の経済を豊かにしていこうとするものです。

農林水産省HPより

農業分野において、6次産業化は、農家自身が栽培した農畜産物を加工し、付加価値をつけ新たな商品として流通させます。
加工には傷などが原因で廃棄せざるを得ない規格外野菜を使うことも多く、今注目されているSDGsにつながる点も多いため、今後さらに注目されると考えられます。

宮川農園さんも、普段は市内の農産物直売所やスーパーに野菜を出荷していますが、年間を通じて売り物にならない規格外野菜が多く出てしまうことに以前から頭を悩ませていました。

また、宮川さん夫妻は3人の子供を育てており、奥様は非農家出身。体力的にきつい外仕事の農業だけでなく、もっと多様な働き方があっても良いんじゃないか?と考えていました。

こうした想いから、加工品開発に乗り出すことにしたのです。


自分たちの個性を生かす!

農園の野菜が使えて、自分たちの個性が出せて、消費者が受け入れやすく加工しやすいものは何か?
2人の意見が一致したのが「餃子」でした。

仲の良いお二人

実は奥様は台湾出身。
台湾では1日3食餃子を食べることもあるほど、餃子を食べる文化があります。(ちなみに台湾で最もポピュラーな食べ方は「水餃子」だそうで、どの家庭の冷凍庫にも必ず冷凍水餃子がストックされているんだとか!)

宮川家でも普段の食卓に出てくる奥様の餃子。台湾ならではの、飽きのこない味わいは、家族みんなが大好きな味でした。
餃子なら、農園で栽培しているキャベツやネギが使えて、
冷凍餃子にすれば賞味期限も長く、1年中販売できる。

様々な研究、機材や加工所の整備を経て、半年間試作を繰り返し、理想の餃子にたどり着きました。


試行錯誤して完成した冷凍餃子「農餃(のうぎょう)」

」家の「」子、その名も「農餃」!ナイスなネーミングです!

農園でとれたキャベツ長ネギがたっぷり入った、野菜を楽しむ餃子です。
こだわりは、毎日食べても飽きない味で、食べた時に口の中で具材がホロホロとほぐれる食感

キャベツは細かくしすぎると肉とくっついてしまうので、あえて大きめに手作業でカット。キャベツの品種が変われば硬さや水分量も変わるため、その都度具材の割合などを調節しています。肉、皮、調味料は何種類も試し、納得のいくものを選びました。

断面からホロホロ感が伝わります
パッケージデザインは奥様が手掛けました
パッケージの二次元コードから調理方法を動画で見ることができます

まずは焼き餃子で!
蒸し餃子はタイマーをセットするだけなのでとっても簡単。
スープ餃子は具材のうまみがスープに溶け出して、贅沢な一品になりますね。
色々なアレンジで楽しめそうです。

「農餃」のYouTubeチャンネルはこちら↓



春夏の餃子は「玉ねぎ餃子」

ここまでご紹介したのは秋冬キャベツを使った餃子でした。
今の時期はキャベツがメインの餃子はお休みし、春夏限定の「玉ねぎ餃子」を販売しています。

玉ねぎメインの餃子って、あまり見かけないですよね。
キャベツがメインの餃子にはニラを入れていましたが、玉ねぎの風味が消えないよう、今回はニラを入れず、生姜やニンニクも少なめにしたんだそう。
玉ねぎの甘みがたっぷり味わえ、幼児でも食べられる餃子になっています。

水+白出汁少々(これだけでOK)のスープの中に餃子を入れてスープ餃子にすれば、野菜もとれる簡単朝ごはんに!
(この記事を書いている職員の4歳の娘、野菜嫌いですが、餃子だとたくさん食べてくれます。野菜嫌いのお子さんがいるご家庭にとって、救世主のような商品なのでは…!)


《ここで買えます》

羽村市農産物直売所

住所:〒205-0016 東京都羽村市羽加美1-32-1
営業時間:午前9時30分から午後4時
定休日:年末年始(12月31日から1月5日)
電話番号:042-579-5467



【番外編】激辛好きにはたまらない商品も!

宮川農園では、ギネスに認定された世界一辛いトウガラシ「キャロライナ・リーパー」と「ブート・ジョロキア」を栽培しています。(国内ではほとんど栽培事例がありません)

2013年ギネス認定 キャロライナ・リーパー
2007年ギネス認定 ブート・ジョロキア

宮川さんは、農園で栽培したこれらのトウガラシを乾燥させ、ミルで粉砕しパウダー状に加工しました。
激辛好きにはたまらないであろうこの商品。こちらも羽村市農産物直売所で購入できます。

激辛パウダー。なかなか手に入りませんよ!


また、こちらは今後販売を控えている、キャロライナ・リーパーを使った「激辛ラー油」!

史上初の商品だと思われます

ラーメンや担々麺、ナムルなどに1滴たらすだけで、キャロライナ・リーパーの香りが広がります。辛さはとても強いですが、香りは意外にもマイルド。
今後羽村市農産物直売所で販売予定です。



宮川農園の挑戦は続く

宮川農園ではキャベツ、長ネギ、玉ねぎの他にも、様々な野菜を栽培しています。今後も旬の野菜を使ったオリジナル餃子を作りたいと意気込むお二人。
お話を聞いているだけで、ワクワクが止まりません!

JAにしたま管内には、6次産業化に取り組む農家さんが他にもたくさんいらっしゃいます。
直売所の魅力は野菜だけじゃない!魅力的な加工品もたくさんあります。
また、その加工品をつくった背景には、その農家さんの様々な想いがあります。

ぜひ直売所にお越しの際は、売り場をゆっくり見て、魅力ある商品との出逢いを楽しんでください。


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