宝塚の舞台で手拍子や拍手が揃っているのには理由がある
タカラヅカを初めて観劇すると拍手や手拍子が揃っていることにびっくりしませんか?
私はタカラヅカを初めて観劇してから20年くらい経っているので、今では当たり前になっているのですが最初は驚きました。
現在手拍子や拍手を入れている場面について
多少公演によってバラつきはあるかもしれませんが、だいたいこんな基準があるようです
【拍手をいれる場面】
①開演直前のトップスターの開演挨拶
※実はこの場面の拍手は以前は初日と千穐楽の時だけでした。
最近は毎回拍手が入るようになっています
②開演直前の指揮者の紹介
③トップスターや2番手スター登場の場面
④歌の終わり
⑤リフト(※特にトップスターが娘役を持って回すこと)の場面
⑥ショーではトップスターや2番手スターが銀橋に出て来る場面
⑦パレードのラスト、最後に大階段を下りて来るトップスターが
階段を降り切って舞台に足を付けた瞬間
※これも元は月組特有の風習でしたが今は全組やっているようです
⑧パレードでのお辞儀の時、緞帳が閉まる時
【手拍子をいれる場面】
①リズミカルな歌&ダンスの場面(特に群舞)
②ロケットの脚上げの場面
③パレードの場面
大まかにざっとこんな場面で拍手と手拍子を”入れる”のが定番です。
ただこれは観客全員が絶対やらなければいけないわけではありません!
誰が手拍子や拍手を入れる場面を決めているのか?
基本的には、トップさんの私設FCを中心に「ここは入れましょうね」という感じにふわっと決まっています。プラス、今まで慣習的にここでは入っていたから、こういう場面は手拍子があったほうがいいから、という暗黙の了解みたいなものもあると思います。
いずれにせよ”観客全員絶対やらねばならぬ”ものではありません。
ただタカラヅカの客席は私設FCの会員さんが大多数だったりするので、自然と同じ場面に拍手や手拍子が入るようになっています。
タカラヅカはタカラジェンヌを”生徒”と呼ぶ風習があることも拍手や手拍子が多い要因
特に私設FCに入るくらいの宝塚ファンにとっては、タカラジェンヌはまだ若い頃から長年応援してきている我が子のような存在だったりする場合も多いです。そして宝塚歌劇団はタカラジェンヌを”生徒”と呼んでいます。
これも”一から育てて成長してもらう”という意味合いがあり、そのために指導者たちを”先生”と呼ぶ慣習もあります。
タカラヅカの客席に居る観客はある意味”成長を見守る、応援する”両親やお兄さんお姉さん、弟妹のような存在だったりします。
そのために他のミュージカルや舞台よりも拍手や手拍子を入れる場面が多いのではないかと私は考えています。
かつて”予定調和”の拍手に一石を投じたタカラジェンヌが居た
元雪組男役スターの未涼 亜希さんです。
歌、お芝居、ダンス、全てにおいて質の高い芸を魅せてくれた素晴らしい男役さんでした。
とある公演のお芝居の場面で、未涼さんが銀橋にせりあがって来た後、自然と拍手が入っていたのですが、未涼さんから「あの場面は拍手を入れないでほしい。なぜなら(自分がせりあがって来た後)すぐに他のキャストの大事なセリフが入っている。それをちゃんと聞いて欲しい」と私設FCに要望したのです。
こういう要望は当然賛否両論あると思うのですが、当時私は、特定のスターの応援だけでは無く作品をちゃんと味わってほしい、という想いが舞台人としてとても素晴らしいと思いましたし、プロフェッショナルだなあと思いました。
【ここから有料記事】宝塚の舞台以外の拍手や手拍子は揃っている”べき”なのか?
※ここからクリティカルな話になるので有料記事にします
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