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舞台『レオポルトシュタット』2022年上演



ずっと心に残っている舞台『レオポルトシュタット』

2年前(2022年)の10月31日が千穐楽でした。
上演時間は2時間20分。幕間休憩無。

20世紀初頭のウィーン。レオポルトシュタットは古くて過密なユダヤ人居住区だった。その一方で、キリスト教に改宗し、カトリック信者の妻(音月桂)を持つヘルマン・メルツ(浜中文一)はそこから一歩抜け出していた。街の瀟洒な地区に居を構えるメルツ家に集った一族は、クリスマスツリーを飾り付け、過越祭を祝う。ユダヤ人とカトリックが同じテーブルを囲み、実業家と学者が語らうメルツ家は、ヘルマンがユダヤ人ながらも手に入れた成功を象徴していた。しかし、オーストリアが激動の時代に突入していくと共にメルツ家の幸せも翳りを帯び始める。大切なものを奪われていく中で、ユダヤ人として生きることがどういうことであるかを一族は突き付けられる......

新国立劇場公式HPよりあらすじ引用

初日終演後、夢中になって感想を書いた。まずとにかく舞台美術が美しくて目を奪われました。客席は通路前の9列まで思い切って潰して、10列目が最前列。舞台から最前列は段差が無くまるでその場にいて息をひそめて目の前に起こっていることを見つめる・・・・没入感がある設計。

音月桂さんが演じたグレートルの肖像画


家系図は公演中劇場に展示されていました

登場人物の多さとその名前を覚えるのが大変だった記憶

複数回観劇したのと、戯曲も読んだのでなんとか把握できましたが、最初はだれがどの家族で???えっと名前は???と言う感じも思い出します。

新国立劇場名物のクマたちも

4代にわたる”家族”の壮大な物語

『レオポルトシュタット』は決して”あるユダヤ人一家の悲劇”だけでは無く、壮大な家族の物語。創作ですがちょっとだけ史実もベースになっています。物語の最後にグレートルの肖像画を取り戻した4代目の人々の話です。

もし『レオポルトシュタット』が2024年に上演されていたら・・・

2022年とは全然違う世界情勢。
日本に居てもいつこの物語のような状況になるか?がますます迫ってきている気がしています。戦争は突然始まるのではない。見えない形で身近にせまっていて、ある日愕然とさせられる。
自分の生き方を自分で選べなくなる日が突然来る。

何度も再演すべき最上質の演劇『レオポルトシュタット』

原作者のトム・ストッパードが「この作品が自身の最後の作品になるだろう」と全世界へ警鐘を込めて命をかけて作ったこの作品が日本でも上演された意味はとても大きいのです。

何度でも何度でも上演されるべき作品です。
再演の要望を出し続けます。

2022年10月14日(金)~31日(月)
東京都 新国立劇場 中劇場
#レオポルトシュタット

作:
#トムストッパード

翻訳:
#広田敦郎

演出:
#小川絵梨子

#浜中文一  ヘルマン→エミリアの息子

#音月桂 グレートル→ヘルマンの妻

#村川絵梨  エーファ→エミリアの娘

#土屋佑壱  ルードヴィク→エーファの夫

#岡本玲 ハンナ→ルードヴィクとヴィルマの妹

#浅野令子  ヴィルマ→ルードヴィクの妹

#木村了 フリッツ(若い将校)&市民

#那須佐代子  エミリアおばあちゃん

#泉関奈津子  ボルディ→料理人・ハウスキーパー(メルツ家)
#内田健介  割礼師
#太田緑ロランス  サリー→エルンストとヴィルマの娘
#椎名一浩 オットー→銀行家
#椙山さと美  ネリー→ルードヴィクとエーファの娘
#鈴木勝大 ヤーコブ→ヘルマンとグレートルの息子
#鈴木将一朗  クルト→ハンナの夫
#瀬戸カトリーヌ ローザ→サリーの双子の妹
#田中亨 ナータン→サリーとザックの息子
#野口卓磨 エルンスト→ヴィルマの夫
#松本亮 ザック→サリーの夫
#万里紗 ヘルミーネ→ハンナとクルトの娘
#八頭司悠友  アーロン→ネリーの夫

<子役>
伊奈聖嵐
久住星空
高橋菜々音
塚越一花
寺戸 花
根本葵空
前田武蔵
三田一颯


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