ほどよく手を抜くことがわからなかった話
小さい頃から真面目で責任感が強く、大人に言われたことをきちんと守る子だった。
ルールを破ることや嘘をつくことが苦手で、いつも正直に生きなきゃと思ってきた。
学生時代初めてバイトをしたときも、バイト先の先輩たちに「そんなに真面目にとらえなくていいよ」と言ってくれたこともあった。
ほかの人が1言ったら10くらいの重さでとらえてしまう。
いつもそうだった。
なんでわたしだけこんなに不自由で苦しいのかな。
もっと自由に、のびのびと、楽しく、できたらいいのに。
そう思いながら大人になった。
仕事では真面目で責任感が強いというのはプラスに働いた。
周りの人に認められ、信頼された。
どんどん仕事を任された。仕事が楽しくて仕方なかった。
でもそれは体調がいいときの話。
急に体調を崩したり、たまにはうっかりしたり大きな失敗をすることもあった。
そんなときにきつく叱られたりとがめられたりすると(今思えば体調を崩したことを咎める人なんてひどい奴に決まってる!元恋人だけど。別れてよかった。)、やっぱり落ち込んだ。
自分はダメなんだな、社会人失格なんだ、と。
30代に入って落ち着いた今、思う。
そんなことないよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
むしろめっちゃまじめでえらいよ、と。
今のほうがほどよく手を抜けるようになったかな。
まだまだ真面目だけど。
でも、自分を追い込んで切羽詰まることはなくなった。
自分を大事にすることを最優先にして日々生きている。
仕事で何かやらかしたところで、死ぬことはない。
何とかなる。
私の今日の睡眠と食事のほうがよっぽど大事。
そう気づくまでに結構時間がかかった。
だから今、仕事でつらい思いをしている人がいたら教えてあげたい。
仕事はたしかに大事だけど、あなたという存在ほど大事なものはない。
これはもしかして若かった自分が言われたかった言葉かもしれない。
誰かに言うように見せて、過去の自分を慰めてあげたい。
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