【ライブレポート】幻日のヨハネ -The Story of the Sound of Heart-とアニメの感想
記事をご覧いただきありがとうございます。
リスぽんといいます。
2023/12/15~17に行われた『幻日のヨハネ -The Story of the Sound of Heart-』に3日間参加してきたので、幻日のヨハネというアニメ/コンテンツにも触れつつ、振り返っていこうと思います。
どんなライブだったのか
本ライブは、幻日のヨハネというアニメを軸に、コンテンツの魅力を極限まで魅せてくれたライブだったと思います。
アニメのダイジェスト映像に沿って劇中歌を挟んでいく構成で、アニメ本編の世界をそのまま映し出したような空間になりました。
楽曲は全て初披露、アニメ幻日のヨハネのOPED+劇中歌+BD特典曲のみの構成。BD特典曲はアニメ本編の時系列に組み込まれたドラマCDを元にしているので、それらも含めてとてつもない没入感でした。
さらに特筆すべきは、アンコールまでMCが無く世界観に浸れたこと。
幻日のヨハネ好き好きbotの僕としては、これ以上ないライブであり、コンテンツライブとしての理想形の一つかなとも思います。
それでは、幕間アニメの感想も交えてライブを振り返っていきます。
M01.幻日ミステリウム
1曲目はアニメOPの『幻日ミステリウム』。
幻ヨハ仕様の新衣装。ライブ仕様にアレンジされているものの、この1年生放送やイベントで散々見てきたトップクラスに好きな衣装です。
とにかく伊波杏樹さんのおでこが綺麗なんだ。ダンスと相まって髪がバサァッ!となる瞬間が素敵です。
歌ももちろん良いんですけど、ダンスの完成度が高すぎるんですよね。Aqoursちゃん(仮)のダンスは見てて楽しい。
細かい点ですが、ライトやスモークの演出もダークで幻想的、こだわりを感じます。
ヨハネソロがまぁ~かっこいい。音源より圧が強くて鳥肌ポイントです。
この後何度も思いますが、今回の小林愛香さんかっこよすぎないか?
M02.GAME ON!
ライブ披露である意味一番化けた曲です。
こんなに楽しい曲だったのか、と思えたのはダンスがキレッキレで楽しかったのが大きな原因かなと思います。
特にイントロアウトロの「Oh Oh」の振りが躍動感凄い。
問題なのは2番なのですが、、、
\ヨウチカハート形成/
いやまぁ、あまりの衝撃で初日自分がどんなリアクションしたのか記憶にないのですが。予想外のヨウチカハート、ありがとね?
2日目からはもうチカソロが始まった時点で会場中からデケぇ声が上がってて笑いました。
ハート形成後の振り返ってパン!するところも好きです。
全体的に幻日ミステリウムより表情が柔らかくなってて作りが細かいですね。
M03.テ・キ・ナ ミュージック
幕間を挟んで、厳密にはここからがヨハネの物語のスタート。
その冒頭にこの『テ・キ・ナ ミュージック』を入れたのが本当に素晴らしくて、トカイで自分の居場所を探しているヨハネの心情が分かりやすくて良かったです。
ヨハネの表情も一気に笑顔たっぷりになりましたね。
マジでヘアブラシが出てきて良かったです。
あの大きな会場で多くのファンに囲まれて『テ・キ・ナ ミュージック』を歌っている姿は、トカイにいる頃のヨハネが夢見た景色そのものだったのかなと思います。
ドラマCDでは、くじけそうになった時に真っ先にライラプスの名前を呼んでしまうのがかわいいところですね。
ちなみに、『テ・キ・ナ ミュージック』『Far far away』『Forever U&I』は、同じソロ曲でも歌い方・表情・振り付けのニュアンスが全て異なります。
それぞれ物語の中でのヨハネの心情/変化をそのまま映していて、長い時間をかけてアニメで示してきた変化を、ライブパフォーマンスだけで表現し切る小林愛香さんが、どれだけ本コンテンツ/ヨハネというキャラクターに真摯に向き合ってきたが分かります。
また、詳しくは後述しますが、この曲は"成長前の夢見るヨハネ"というだけではなく、"変化しようとしているヨハネ"の曲だと思っています。
2年前、トカイに行くと決めた時点で、すでにヨハネは自分自身の在り方に悩み、変化しようとしているからです。
M04.Far far away
帰ヌマしたヨハネの幕間を挟んで『Far far away』。
開演前はセンステが切り株扱いされるものだと思ってたので、この1曲のためだけに切り株がメインステージに出てきてマジで良かったです。本当にありがとう。
このあたりで、「このライブ、こだわりがヤバイな?」とそわつき始めます。
ハマユウモチーフの衣装もかわいいし、ちゃんと髪飾りがついていて流石でした。今回のライブは途中でヘアメイクが変わることも多かったですね。
正直ライブ前はダンスが目立つ曲じゃないと思っていましたが、サビの小林愛香さんのダンス/表現力が凄すぎてずっと目を奪われていました。
アニメ映像とダンスがシンクロしているのはもちろん凄いのですが、アニメでは踊っていない部分のダンスや表情のニュアンスの変化も見られ、"アニメとシンクロ"ではなく、アニメに+αしてヨハネの姿を伝えてくれたという印象が強いです。振り返ってみると、「表現力ってこういうことを指すのかな」と思わせられます。
『Far far away』に限らず、このライブでは小林愛香さんが全身でヨハネの心情を表現している姿が多くみられました。
もちろんキャスト全員が細部までこだわってパフォーマンスをしていたのですが、作中で心情が丁寧に描かれているヨハネ/小林愛香さんは、特にそれが顕著だったと思います。
M05.Tick-Tack, Tick-Tack
僕はヨハマル大好きbotなので、幕間から泣きそうでした。
良すぎシーン。20回は見ました。ベチャ泣き。
これが会場で観れたのありがとうすぎる。
BD2巻のドラマCDも素晴らしいです。
特にヨハネがトカイで居場所を見つけられず、何物にもなれない自分を卑下して泣いてしまうシーン。
好きすぎます。この後も、なりたい自分になることの難しさ、ヨハネがそう思っていなくてもちゃんと変わっていること、ヨハネの2年間を肯定する言葉をハナマルが投げかけてくれます。
これらを踏まえて、問題の『Tick-Tack, Tick-Tack』ですが、ヨハネがハナマルに「ただいま!」と言える曲なんですよね。
歌い始めはまだ不安げでハナマルと目も合わせられないヨハネが、徐々に表情が柔らかくなり、最後には満面の笑みでハナマルと手を繋げるようになるのがこの楽曲の好きポイントです。
一曲の中で心情が変わっていく表現、凄くないですか?またしてもベチャ泣き。
1番ではズレていた立ち位置の軸がどんどん近づいていく演出も良きです。
↑階段を駆け上がるヨハネと、その姿を見上げるハナマル。
ヨハネに憧れて"好きなこと"を見つけたハナマルと、そんなハナマルを見て自分の好きなことを思い出すヨハネ。この関係性が大好きです。
↑お互いに「ありがとう」と言い合ってることが、ヨハネだけでなくハナマルにもたらされた影響の大きさを物語っていますね。
↑明らかにハナマルの声が力強くて大好き。
ハナマルちゃんありがとう。
M06.Be as one!!!
ここだけマジで別のライブみたいになってましたね。
イントロの決めポーズ、ルビィバイクも面白いんですけど、チカの腕がロックマンみたいになってるのが個人的好きポイント(伝わらない)。
妖精ルビィちゃんがパッション全開なのが結構じわじわきます。
↑回し蹴りしたりクルッと回ったり、日替わりで振りが変わってるところ。
とにかく伊波さんのパッションがとんでもなくて超楽しい。
↑サビ直前にチカ(2番はダイヤ、ラスサビ前はルビィ)が右腕を掲げて他2人がかがむフォーメーションがあるのですが、ノリ的にはナラティブ組み体操に近かったです。
最後の決めポーズ、バズーカ持ってる伊波さんがコマンドーにしか見えなくてかっこよかったです(おもろい)。
M07.R・E・P
劇中のアニメーションが一番好きかもしれない曲。
ヨハネが友達の輪を広げていき、ヌマヅで生きる人達のことを知っていく時の大事な歌です。
Aqoursちゃん(仮)、しっとりラップ曲もっと出さないか?
↓好きラップ
ちなみに、ヨウがメッセンジャーになった理由がBD4巻のドラマCDで語られているわけですが、それを聞いた後だと"役割"と"誇り"という歌詞がさらに染みます。
"いっっぱい"←かわいい。作詞天才か?
ハナマルちゃん、萌えです。
M08.Hey, dear my friends
人見知りのハーモニー。
ある意味最もアニメの話をカタチにした楽曲だと思います。アニメのタッチが柔らかくて良いですよね。
セリフパートすこ。
サンシャイン!!と幻ヨハとで特に印象が異なるのはマリだと思うんですけど、ワーシマー島に引きこもっていた時のマリは、サンシャイン!!でダイヤと果南から連れ出される前の小原鞠莉そのものなんですよね。
ヌマヅでもマリを連れ出してくれる存在がいてくれてよかったねぇの気持ちです。
まぁこれもハナマルがヨハネをヌマヅの人達の前に連れ出してくれたからなのですが(ヨハマル大好きbot)。
M09.Best wishes
ダイマリ楽曲。
『Hey, dear my friends』から続けて歌われたのは、マリにフィーチャーした流れを汲んだ結果かなと思います。
こちらの本質は、BD3巻のドラマCDにあります。
ヨハネとリコは人見知りの理解者としてマリのそばにいましたが、ダイヤは自分と同じ葛藤や苦しみを抱えるマリに昔から手紙を送り続け、それがマリをヌマヅに繋ぎとめていました。
『Tick-Tack, Tick-Tack』も1曲の中で細かい心情の変化が見て取れましたが、『Best wishes』は1曲で数年間のキモチの変化を表していて、受け取る印象としては近いものがあります。
抜粋するのが難しいくらい歌詞が全部良いんですよね。
『Hey, dear my friends』→『Best wishes』の流れはマリの現在と、これまでをマリの心を支えてきたダイヤが続けて描かれる芸術的なセットリストだと思います。
ダイヤもまた、幼少期のマリに対して何もしてあげられなかったという悔いが責任感を強くし、執務長官としての成長の一因になっているのでしょう。
ドラマCD3巻&『Best wishes』を聴いてからアニメ6話のダイマリの出会いを見返すと、数年越しに叶ったダイマリの夢を感じられて感動もひとしおです。
3巻に限らず、幻日のヨハネのドラマCDはアニメ本編との結びつきがとても強く、楽曲と合わせて実質本編だと言っても過言ではありません。
M10.Special Holidays
直前の幕間アニメで、女子会の企画が「ヨハネの新たな難関」扱いされててちょっと面白かった。
ドラマCD4巻と連動した曲で、ヨウチカナンが幼馴染であることが確定しています。
やかましすぎて草。
ヨウチカのノリがあまりにも同じで愛おしいね。。。
他、ドラマCDではヨウチカナンの関係性、ヨウちゃんがメッセンジャーになった理由などが描かれていて良いです。
ヨウチカナンが女子会を楽しみにしている様子が微笑ましいし、ヨハネが頑張って準備した甲斐があったねぇ~とほっこりします。
『Special Holidays』ですが、ヨウチカナンの笑顔がとても素敵でこっちも笑顔が止まりませんでしたね。全員すこぶる楽しそうでめちゃくちゃ良かったです。
あと、伊波さんが髪の毛を下し遊ばされていてひっくり返りました。
この朱夏ちゃんが日替わりスマイルを見せてくれて全部良かった。全体的に『Special Holidays』では3日間で表情コロコロ変えて遊んでた感じがします。
ヨウがよくやる(・o・)→(。˃ ᵕ ˂。)の顔の変化好きすぎ。
幼馴染感ある歌詞で良いですね。
それはそれとして、ヨウチカが最後に小指でイチャイチャは何なんですかね。『GAME ON!』のハートがヨウチカピークだと思ってたので、あまりの衝撃でこれも初日で記憶が飛んでいます。
毎日抜けてますが?腰。
M11.GIRLS!! ~9人ver.~
音源的にはヨハネソロの曲なんですけど、ライブでは9人で歌ってくれて超良かったです。
日替わりでメチャクチャしてたので僕が観測できた範囲で好きなポイントをまとめていきます(一部記憶に自信なし)。
マルチアングルで円盤化してください。
3日間共通
・両手にミカン箱担いで歌うチカ。良すぎるもの。ミカン箱を担いで歌う姿が世界一似合う。
・ダイヤの演説で明らかにマリの拍手の熱量が高い。
・毎日マリから包丁を取り上げるダイヤ。
・ミニトノサマとウミウシちゃんをちゅっちゅさせるカナマリ。
・ヨハネが一生懸命準備してり駆け回ったり、テンション高いみんなに囲まれてワタワタしつつ、楽しそうな感じがかわいい。
・小道具:チーム分けのくじ、女子会のしおり、包丁、ダイヤ宣誓時の箱、スイカ、お土産マカロン、各チームのお菓子など
・2番Bメロ年少組(マル・ルビ・ヨハ)の持ち物が毎回違う。
Day1:お玉・ホイッパー・ヘラ
Day2:のっぽパン・ウサギくじ・ホイッパー
Day3:ハナマル(ヨハネ)パン、小麦粉、フライパン
Day1
・ヨウチカのスイカ割り真剣白刃取り、リアルに想像するとかなりパワー系の遊びなのでは?
・ピースしながら肩を組んでくる陽キャヨウとタジタジしてるヨハネ。
・2番Aメロでハート&ウィンクするマリ。
Day2
・ヨウチカあごタッチ事件。
・のっぽパンを食べちゃうリコマル。
・陽キャカナンに絡まれるヨハネ。カツアゲされてるみたいでおもろい。
・・2番Aメロで投げキッスするマリ。
Day3
・イントロカメラでどアップのトノサマ。諏訪ななかさんがトノサマ好きすぎて超良い。
・ヨウチカハグ(マジでいい加減にしろ)。
・ハナマル(ヨハネ)パンIN。のっぽパンOUT。
・スイカ割りしようとしているヨウチカを見て「(よ、よーし私も…)」というような表情でおもむろにのし棒を持ってチカを背後から襲うリコ。
・2番Bメロ、小麦粉でくしゃみしそうになる?ルビィ。
・オレンジジュースを勢いよく飲みすぎてこぼしそうになるチカ。
その他
ヨウチカの頭で卵を割ろうとするリコ、のっぽパンを強奪するリコ、人の頭に小麦粉をかけるリコ、人見知りの女の子が精一杯女子会を楽しもうとはしゃいでいる結果だと思うとかわいいですね(逢田さんを連想するのは無粋なのだ)。
これだけ大暴れしてるのに、ヨウチカのスイカ割りからは怖がって目を背けようとしたり、背後から木刀でスイカをチカごとカチ割ろうとしたり(Day3)、色々とヤバイ女でした。
ライブ後の自分のメモに「ミカンを人の口にねじ込むヨウ」とだけ記載があったのですが、いつ誰にねじ込んだのか記憶にありません。本当にねじ込んだのでしょうか。
みんな楽しそうなのがいいんですけど、諏訪ななかさんが平時よりはしゃいでるように見えてとても良かったです。
ヨハネがこれまで経験してこなかった同年代の女の子との遊び。
最後にチョコレートケーキを持ったヨハネの笑顔がとても素敵で、アニメで散々感じた「ヨハネちゃん良かったねぇ」の気持ちも膨れ上がって涙が出ました。
みんなとてもかわいい。
M12.Wonder sea breeze
イントロ終わりのヨハネ/小林愛香さんのウィンクが良すぎ。
このライブで唯一振りコピした曲です。
衣装がアニメ仕様じゃなかったのが意外でしたが、お祭り衣装もかわいいのでヨシ!アニメだとマリの角にハートのアクセサリーが付いているのがかわいいですね。
↑アッパーソングですが、これまでのヨハネの葛藤や悩みを考えると、実は泣きソングです(ヨハネパートではありませんが)。
↑ヨハマルが肩に手を置いてウィンクするシーンが良い。アニメでも好きカットです。
↑ここハナマルだけジャンプの時に両手でマル作っててかわいいんですよね。
ラスサビの「太陽に導かれて」でもマル作ってました。
↑サンシャイン!!でダイヤが砂浜に『Aqours』の名前を記した時を思い出しますね。今回はハートを記していました。
↑落ちサビだけ、みんながヨハネを囲み、ヨハネが一人一人と目を合わせながら歌うソロが素敵です。この時のヨハネ/小林愛香さんがとても良い表情。
さて、少しアニメの話をしますが、8話で『Wonder sea breeze』を歌って一区切りついたものの、その後も街に異変が起きてしまいます。
では『Wonder sea breeze』を歌ったことに意味はなかったのか?というと、そんなことはありません。
ここで重要なのが、ヨハネが杖を失くしたことでパニックになり、特別じゃない自分をまだ肯定できていないことが分かる描写。そして友達が一緒に杖を探してくれたこと。
※この描写が無いと、みんなで『Wonder sea breeze』を歌っても異変がおさまらなかったという事実だけが残ってしまいます。
"特別な存在"としてではなく、友達として自分を助けてくれる人がいることをヨハネが実感する上で、『Wonder sea breeze』は非常に大きな意味を持つ楽曲となります。
また、これらはヨハネのアイデンティティ形成や『La la 勇気のうた』を生み出す大きなきっかけとなった出来事だと思います。
M13.ヌマヅやっさよいさ唄
\ヌマヅやっさよいさ唄/
まだ夏祭り終わってなかった!!
曲名が『ヌマヅぴっかぴか音頭』※11話参照 じゃないのがさらに面白い(そっちは別で存在する……?)
明らかに見覚えのある振り付けで、運営サイドも「初披露だけどまぁ踊れるやろ!」って思ってるのが面白い。
踊るの楽しかったです。
半分懺悔ですが、初日ステージが上がって天に昇っていくマリがあまりにも小林幸子さんで、面白すぎて超笑いながら叫んでしまいました。神です。
この壮大なステージはマリ/にゃーちゃんしか務まらないポジションですね。
全員直立不動でマリを見上げているのも好きポイント。
M14.好奇心ジャーニー
ルビリコかわいいソング。
かわいいんだけど、強火感情が垣間見える歌詞が好きすぎる。早くドラマCDを聴きたい。
\せーの!/
野太い声しか出せなくてすまない。
本当は可愛い声でせーの!って言ってあげたかったよ。
Cメロ前間奏の腕ぴょこぴょこしてるのもかわいかったですね。
M15.Forever U&I
パフォーマンスの感想に先んじて、このあたりのアニメについて軽く整理していきます。
幼少期のヨハネは、ライラプスを自分の"居場所"として、共に過ごしてきました。ヨハネと出会うまで1人ぼっちだったライラプスも、"ヨハネが一人前になるまで見届ける"という役割を得て、ヨハネに自分の居場所を見出していたのだと思います。
2年前にヨハネがトカイに旅立った時点で、ヨハネはライラプス以外の居場所を探し始め(=変化しようとしている)、ライラプスはそれを受け入れられませんでした。
1話を観ると、「トカイなら自分の居場所をがあるのではないか」と安易に考えた子どものヨハネと大人なライラプスのような構図になっていますが、この時点でも一人前に成長しようとしているのはヨハネの方です。
特別じゃない自分を肯定できなかったヨハネと、ヨハネが一人前になったら自分は必要なくなると思っていたライラプス。
だからこそヨハネがヌマヅの子たちと関わるのを後押ししつつ、ヨハネが一人前に近づくことに反比例して自分の役割が減っていくと考えたライラプスは、時折複雑な表情を浮かべていました。
ある意味、ライラプスの言葉が分かるままでは、ヨハネはまたライラプスに頼ってしまうかもしれません。それでは一人前とは言えないでしょう。
ライラプスはヨハネの最初の居場所であり、一人前になるために卒業しなければならない最後の扉になっています。
アニメ本編でも要所でヨハネがライラプスに頼るシーンが目立ち、自立し切れていないことを示唆する描写が多くあります。特に初対面の人と出会うときにはライラプスがいない時に不安な様子になってしまうことがほとんどでしたね。
また、9話の様子を見るに、ライラプスがヨハネのいないヌマヅで過ごした2年間は、彼女がヨハネ以外の人達と関わる時間であり、ヨハネがアニメ本編で辿った道と重なるのかもしれません。
ヨハネが自分の在り方/居場所を見つけたことで、ライラプスもまた、"ヨハネが一人前になっても自分の居場所はここにある"と思えたことが、幻日のヨハネで示されたもう一つの答えではないでしょうか。
12話のタイトルは「さよならライラプス」ですが、僕は別れの話ではないと思います。
さて、『Forever U&I』の感想に入りますが、この曲は小林愛香さんが本当にかっこよかった。ヨハネとしては勿論、特にこの1曲はコンテンツを背負って歌うような気迫を感じました。
ここまでのライブ・幕間映像で練り上げられた時間ごと全て乗せたようなパフォーマンス。またどこかでこの歌が披露されることがあっても、今回以上のものは無いような気がします。
夢見る少女(テ・キ・ナ)から、覚悟を持って変化を受け入れたヨハネ(Forever U & I)までを完璧に歌い分ける小林愛香さんが本当に凄い。
このライブ中で一番好きな歌になりました。
正直、どこが良かったとか言葉で表すのが烏滸がましいのであまり細かく言えることが無いのですが、とにかく3日間圧倒されて「すげぇ~……」と思って鳥肌立たせていました。
テイストは違うものの、『Far far away』同様に全身でヨハネを表現している印象が強く残っています。
ヨハネとライラプスがそれぞれ自分自身の在り方を見つけたことで、敢えて「もう一人じゃない」と言えるところ。
「さよならライラプス」の楽曲でこの歌詞が使われるのが素敵です。
終わることのない物語とは、変化していくことそのものを指していると考えられます。
またアニメの話に戻ってしまいますが、これは直前のライラプスのセリフからも読み取ることができます。
"特別である"ということに自分の存在意義を委ねない、変化していくことを恐れない。それらを学んだヨハネだからこそ歌える曲になっています。
ヨハネママからの宿題である「自分にしか出来ない楽しくてたまらないこと」とは、特定のゴールを指しているのではなく、自分という人間の在り方そのものを指しているのではないでしょうか。
仮に特定のゴールに辿り着いたとして、それは物語の終わりを意味します。
夏祭り時点のヨハネは、異変を解決するということを一つのゴールだと考えています。
ですが、異変を解決することとヨハネの存在意義とはまた別の問題です。だからこそ、ライラプスは「本当にそれでいいの?」と問いを投げかけています。
※前述した通り、『Wonder sea breeze』には、"特別じゃなくても自分を助けてくれる友達がいる"という事実をヨハネが感じられることに大きな意義があります。
最終的にヌマヅに残るという結論は、夏祭りが終わった時点でも最終話でも変わらなかったかもしれません。
しかし、その結論が自分自身の生き方を決めた上でなければ、お母さんからの宿題を達成したとは言えないでしょう。
これが終わることのない物語そのものを表した言葉であり、ヨハネが自分の在り方を見つけ、変化を恐れずに進めるようになった証だと思います。
この結論こそが、お母さんの宿題の本質になります。
M16.La la 勇気のうた
異変に襲われるヌマヅの幕間から。
トノサマが動かなくなって落ち込んでいるカナンが気丈に振る舞う姿が健気でちょっと泣いちゃう。
全編通して異変で直接ダメージ受けてるのがトノサマだけでかわいそう笑。
正直、毎回ここでちょっと面白くなっちゃう。ガチでパワーで全てを解決しようとしているのか力仕事の定義が広すぎるのか。
余談ですが、ドラマCD4巻でソフトボールの話をしている際に「トノサマが最大出力でフルスウィングしたら原地区(沼津駅から約7km)までかっ飛ばせる」という趣旨の発言もあったので、カナンがかなりパワー型の思考であることが分かります。
楽曲の方ですが、ある意味一番演出が気になってたんですよね。
アニメではかなり尖った演出だったのでどうなるのか。
このイントロから映像でステージ爆誕。超いい演出です。
正直ライブ前は、アニメ再現で2番終わりの間奏でヨハネがシャボン玉に包まれて宙に浮くんじゃないかとか、会場中で「ヨハネちゃん!ヨハネちゃん!」と叫ぶイベントが発声するんじゃないかとか、色々考えてたんですけど、杞憂でしたね。
こういうのでいいんだよ。
シンプルに歌とダンスがめちゃくちゃ良かったのであまり言うことがないです。
みんな良い表情していて、それも相まってめちゃくちゃ良かったです。
「長官の声もするっス!!!!」
※言ってません
M17.BLOOM OF COLORS
DAY3だけ演出が変わっていて、ライラプスの声が聞こえた瞬間に2023年一番の絶叫と信じられないくらいの涙が出てきました。
キービジュアルに追加されるライラプス、モニターに映った小林愛香さんの両目から流れる涙で追撃。無理です。2023年で一番泣いた瞬間でした。
涙は止まらなかったけど、そんな自分が結構好き。いいよね。
これがヨハネとライラプス物語の中で見つけることができた答えの一つなので、二人で歌っていて本当に良かったです。
ヨハネをライラプスのもとに送り出す仲間たちの姿でまた泣いちゃった。
MCでもお話があったように、Day3だけ『BLOOM OF COLORS』のヨハネ衣装が変わってて、ライラプスと対になっていますね(スカートと袖の丈の長さがシンメトリーからアシメに変わってる)。
Day2のMCで伊波さんもお話していましたが、落ちサビ前にヨハネに力を送るシーンでそれぞれメンバーカラーに照らされる瞬間が綺麗です。
Day3ではヨハネとライラプスの2人に光が当たっていてまた泣いちゃった。
『BLOOM OF COLORS』は、『Forever U&I』や『La la 勇気のうた』で描かれたことも含め、幻日のヨハネというアニメの全てが詰まっているような歌だと思います。
最後のドラマCDが該当する話になるので、楽しみ半分恐ろしさ半分で待っています。
この後の幕間アニメの話も続けます。
詰まるとこ、これなんですよね。何事も。
これが一番大事だと思います。
絵本の最後のページにヨハネの笑顔が映し出されるの、ずるい演出です(また泣いちゃった)。泣いてばかりだな。
ライブで改めて感じましたが、島本須美さんのナレーションがとてもあったかくて、幻日のヨハネというアニメに合っていましたね。
ここで絵本は閉じられ、ライブ本編は終了です。
アンコール~MC
本ライブではアンコール後に初めてMCが入りました。
ここまで一切演者としてのMCを挟まなかったので、一気に現実に戻ってきた感じがあります。
隔日好きなところを抜粋。
Day1
▼逢田さん
そういう話!?
またしてもヌマヅを救ってしまった……。
▼きんちゃん
3日間でセトリが変わらないライブなので、これをきんちゃんが言ってくれたの良かったです。
▼諏訪ななかさん
ルビィバイクに乗る諏訪ななかさん。毎日やってましたが超楽しそうでした。ちなみにアーカイブには映っていませんが、初日はヨウチカもバイクやってました。ありがとうございます。
Day2
▼にゃーちゃん
MCに登場するペラピー。
かわいい。そういえば地元愛祭り2023でオタクがウミウシちゃんになるコーレスとかあったな。
▼諏訪ななかさん
またしてもルビィバイクに乗る諏訪ななかさん。Day1よりノリノリ。
▼きんちゃん
あんしゅかの告発で超笑った。
Day3
▼全体MC
ハートを作るチカダイとハートを割るヨウ。
からの、ヨウダイハート。
それをカチ割るチカ。
マジで、今回ヨウチカどうした?
▼日笠さん
日笠さん登場。
日笠さんの"愛香"呼びが好きです。多分アニメ最終話の上映会で呼んだのが初かな?
ライブ初日が初発表の曲で、公式情報が無いまま3日目にこの演出やってくるの本当に天才的です。
この後、一人一人の挨拶で、みんな小林愛香さんへの言葉を投げかけていましたね。全日共通なんですけど、小林愛香さんはずっと喋ってる人の方を身体ごと向いてるんですよ。いいですよね。
▼伊波さん
特に伊波さんの言葉が心に残っているので、丸ごと抜き出します。
リーダーとしてサンシャイン!!を牽引してきて、その重みを知ってるからこその言葉だと思いますし、伊波さんは本当に良いこと言いますね。。。
僕らの言いたいこともひっくるめて代弁してくれた気がします。
▼きんちゃん
きんちゃんのMCで、この一言が最初に出てくるの嬉しかったです。
キャストが作品を大好きと言ってくれるのはファンとしては本当にありがたいですね。
▼諏訪ななかさん
笑いすぎて喋れなくなっちゃった諏訪さんが良すぎました。
これが僕たちが感動を噛みしめているDay1の夜に起きた惨事なのおもろい。
今回諏訪さんのMC全部おもろかったな。
諏訪ななかさんが楽しそうなのは良いライブの証。バロメータなんだよね、すわは。
▼あいきゃん
こう、締めが"らしくて"超良かったです。
おばあちゃんになってもこれをやっててほしい。
EN1.キミノタメボクノタメ
ぽぽーい!
『キミノタメボクノタメ』は幻日のヨハネのED曲ですが、サンシャイン!!/Aqoursにも大いに通じるものがある楽曲ではないでしょうか(一応Aqoursさん歌唱ですしね…)。
全体的に、8周年を迎えたAqoursだからこそ響く歌詞ですね。
アンコール後の最後の歌にピッタリで良かったです。
↑アーカイブには映っていませんが、伊波さんがまんまるのポーズでぴょこぴょこ跳ねてたのがすこぶる可愛かったです(3日間上手だったので毎日見てた)。
落ちサビはヨハネソロから入るんですけど、2個目の「君のこと」でメンバー全員が一斉にヨハネを見て歌うんですよね。
会場中の「だーいすきー!」と併せて泣いた。幻日のヨハネが大好きです。
幻日のヨハネというアニメについて
各楽曲の感想はここまでになりますが、アニメと強く連動したライブだったので、こちらにも少し触れていきます。
硬い言い方をすれば、『幻日のヨハネ』はヨハネが自分自身の在り方を見つけ、アイデンティティを形成する物語だと考えています。
また、その描き方は繊細でリアリティがありました。
発達心理学的に、人間は12歳~22歳ごろの思春期・青年期にアイデンティティを形成することが課題とされています。
自分が何者であるのか、何をして生きていくのか、そんな自分は他人から認められているのか……それらを、他者との関わりを通じて学んでいく時期です。幻日のヨハネは、ファンタジー要素多めながら、そのアイデンティティ形成の流れをかなりリアルに描いた作品だと思います。
ライラプスとヨハネが鏡合わせの存在であるように、ヌマヅの人達もヨハネを映し出す鏡となっています。
チカやハナマルのように好きなことに居場所を見出す人もいれば、ダイヤやマリのように一族の誇りを持って生きる人もいる(マリは本編中に魔王族の自分を受け入れられるようになった)。
そんな様々な生き方を見てヨハネが自分自身のアイデンティティ/居場所を見つけていき、そのヨハネを受け入れてくれる友達も増えていく素敵な物語だと思います。
ヌマヅをあれだけ嫌がっていたヨハネが、ヌマヅの人達のおかげで自分の在り方を見つけ、最終的に友達と一緒に歌いヌマヅを救う。『歌と魔法と絆の物語』というキャッチコピーがピッタリですね。
アニメ序盤では仕事の話やら都会と地方の話やら、やたらリアルな話題が多くて話題になっていましたが、最終的にそれらも踏まえて自分自身の在り方/生き方など、人生で大事なことを伝えてくれるアニメになったと思います。
その中で、幻日のヨハネは『-SUNSHINE in the MIRROR-』の名を冠するだけあって『ラブライブ!サンシャイン!!』を感じられる点もあります。
ヨハネとライラプスが見つけた"言葉を交わし合えなくなっても独りぼっちに戻るわけではない"という答え、変わっていくことと変わらないこと、これらは『ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow』でAqoursが見つけた答えと通じるものがあるのではないでしょうか。
キャラクターだけでなく、物語が示すテーマからもサンシャイン!!を感じられるものだったと思います。
まぁ正直リアタイ時の感情の9割は「ヨハネちゃんかわいいねぇ、よかったねぇ~~~!!!!」に支配されているのですが。
ライブまとめ
ライブの話に戻りますが、今回はとにかく「幻日のヨハネLOVE…」「小林愛香さんすげぇ~……」「AqoursちゃんLOVE…」という感情が溢れた3日間でした。
僕がAqoursちゃん(仮)9人揃ったライブを生で見たのは5th以来だったのですが、本当にレベルが高く、ダンスに集中しても歌に聴き入っても楽しめました。
本音を言えば、円盤化した際に全部マルチアングルで観たいですよね。GIRLS!!はマジでお願いします。
各楽曲の感想でも表現の細かさに触れましたが、特に小林愛香さんは声優/アーティストという括りよりも"表現者"という言葉がしっくりくるパフォーマンスでした。
それを実現した膨大な練習量やこだわりの土台にあるのは特大のコンテンツ愛だと思うので、こういう人が中心にいるコンテンツを好きになれて幸せだなと思います。
また、今回は特に演出チームの凄まじい熱意とこだわりも感じられました。
小林愛香さんもSNS・FC・生放送などで何度もスタッフさんのサポートに言及していますね。
スタッフさんにも大感謝です。
本当に素敵なライブをありがとうございました。
今回披露されなかった『SILENT PAIN』と『Deep Blue』はまたどこかで聴きたいですね。
『Deep Blue』はゲーム『幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE』のテーマソングとして使われていますが、ゲームをクリアすると楽曲の背景が分かるので、それだけでもプレイする価値があります。
『Deep Blue』を残したということは幻日のヨハネの続編や2ndライブをやる可能性もあるのかな~と期待していたり。
現時点での展開はゲーム(– NUMAZU in the MIRAGE –)以外続報がありませんが、何かしら展開していただけたら嬉しいですね。
それでは、今回はこのあたりで。
幻日のヨハネとAqoursに幸あれ。
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