隣のマツダ車は黒い。

勇気を出すと、ピリピリと肌がしびれて心地よくなる。それが鳥肌だと知ったのは少し遅れてのことだった。

◇◇◇

声での配信に疲れてしまった。まさか僕がこんなにラジオアプリにハマることになるなんて。今日は疲れてしまうまでのめり込んだので、少し休憩。

コンビニに行った。「今日は何を書こうかな」と考えながら夜風に当たった。シンプルについて書こうと思ったけど、それは別の記事で。

コンビニから帰るとき、黒のマツダの車を見つけた。MAZDA3(マツダスリー)という車だ。実は僕のマンションにも黒のMAZDA3がいつも駐まっていて、かっこいいなあと思っていた。

その黒の車は、僕の住むマンションの駐車場へ入っていった。いつも僕が眺めていた車そのものだったのだ。

そして偶然、コンビニから徒歩で帰る僕と、車から降りるMAZDA3の持ち主さんのエレベーターに乗るタイミングが重なった。

勇気を出して話しかけてみた。

「MAZDA3、乗ってはるんですね」

スーツを着た若いお兄さんだった。もしかすると僕と同い年くらい?

お兄さんは一瞬うろたえたが「はい」と言った。

「いつも見ながらめっちゃかっこいいと思ってて…」と、僕。

「ありがとうございます。車、お好きなんですか?」

「詳しくはないですけど、マツダ車が大好きでして」

「同志です(笑)」

「すみません、急に(ここでエレベーターか僕の住む階に到着する)。さようなら」

「いえ、ありがとうございます。おやすみなさい」

そんなやりとりがあって、エレベーターを出たら肌がぴりぴりしていた。勇気のぴりぴりだ。

初対面の人に話しかけてしまった。こんな勇気、今まではなかったかも。もしかしたら最近ハマってるラジオアプリで磨かれたコミュ力が背中を押してくれたのかな(?)

隣の芝は青い、なんて思わない。僕は他人の持ち物を羨ましいとは思わないから。ただただかっこいい、素敵だと思う。いつか僕もマツダ車を所有する日が来るのかな。来ないのかな。

今日はいい日になったね。真っ黒な車が、オセロみたいに今日のやなことを全部ひっくり返してくれた。最高にいい気分だよ。

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JAM
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