記事一覧
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47991892/square_middle_90f157cb6c3c3517bde881f0eb04be0b.jpg?width=800)
語り継いで行こう(1995.1.17)
朝早く突然、恐ろしい声を上げて、 激しい揺れが襲ってきた、 飛行機が落ちてきた?戦争が始まったの? 頭を駆け巡る恐怖に身をすくめ。 これは現実だ。夢なんかじゃない。 怖くて、ただ怖くて、体が動かない。 暗闇に走る稲妻のような、 激しい閃光に、動けない。 朝日が昇り、部屋の中を見れば、 本棚は崩れ、ピアノが動いていた。 やっと動けて、外に出てみたら、 まるで積み木のように倒れたビル。 あちらこちらでは、煙が上がっている。 近くの家は、火が上がり焼かれて。 激しい揺れで、高速道路が崩れた。 電車も線路もねじれて、崩れ落ちた。 いつも見ていた美しい景色は、 赤と灰色と黒に塗りつくされ。 家を失って、荷物背負って、 西から東へ、逃げ惑う人々。 これは現実だ。夢なんかじゃない。 幼馴染や恩人が、遠くへと。 これは現実だ。夢なんかじゃない。 生き残った僕らは、何ができるのか? 何もできないなんて、そんなことないさ。 次の世代へ、語り継いで行こう。 それが未来を創る事。