【バッドボーイズ4】あらすじを三幕構成で読み解く【RIDE OR DIE】
一幕
プロローグ)前作から4年が過ぎた。50歳を過ぎてもマイクとマーカスは変わらずバッドボーイズとして警察官をやっている。
1)マイクは理学療法士のクリスティーヌと結婚する。結婚パーティーで楽しく踊っていたマーカスは突然の心臓発作で臨死体験をする。蘇生されたマーカスは何か吹っ切れたように明るくて、不死を確信し、預言者のようにマイクに説教するようになる。
2)メキシコの麻薬カルテルとの不正に手を染めている元米陸軍レンジャー所属で現在はDEA(Drug Enforcement Administration)所属のマクグラスは、故ハワード警部の銀行口座に巨額の裏金を振り込んで、ハワードに罪を擦りつける工作をする。マイクとマーカスはハワードの汚名返上に乗り出す。
二幕
3)マクグラスのチームがハワードのパソコンに侵入したことで、自動プログラムでマイクとマーカスにハワードからのビデオメッセージが送られる。ハワードの指示で過去に仕事した仲であるハッカーのフレッチャーから次の情報を受け取りに行くが、二人の行動はマクグラスに監視されていて襲撃される。警察内部の腐敗を警戒し、マイクとマーカスはAMMOの若手で汚職に関与してなさそうなドーンとケリーのみと情報共有して、他は最低限に留めることにする。
4)ハワード殺害の指示をした男(マクグラス)の顔を知るアルマンドが刑務所内でマクグラスの指示で命を狙われたので、マイクはアルマンドに供述させるためにマイアミに移送する許可を上長のリタに貰う。移送中にまたしてもマクグラスの部隊に襲われて、ヘリコプターがフロリダ半島のジャングルに墜落するも、マイクとマーカスとアルマンドは生き残る。
5)ハワードの娘でFBI捜査官のジュディはマイク達3人を全米指名手配する。マクグラスは3人を賞金首に掛けてマイアミの全ギャングに捜させる。FBIとギャンググループの混乱に乗じてマイク達3人はドーンの隠れ家に逃げる。そこで膨大な映像資料をアルマンドと調べて黒幕がマクグラスだと特定する。
6)マイクが黒幕を特定した報告をリタにした直後に、マーカスとマイクの自宅が襲われる。マーカスの自宅は義理の息子で海兵隊員のレジーが驚異的な戦闘能力で敵を全滅させてマーカスの妻子を守る。マイクの自宅からは妻のクリスティーヌとハワードの孫のキャリーの2人が誘拐される。マイクは対応の早さからリタの恋人で市長候補のロックウッドも黒幕だと察知して、リタの力を借りてロックウッドを誘拐する。
三幕
7)マイク達はロックウッドを囮に使いつつ、マクグラスのチームが拠点とする閉園したワニ遊園地の廃墟を攻略する。
8)壮絶な銃撃戦の末に、マクグラスのチームは全滅し、ロックウッドは巨大ワニに喰われ、マクグラスは銃殺される。ジュディは負傷したアルマンドを追い詰めるが、キャリーを助けたことに免じてアルマンドを見逃すことにする。こうしてハワードの疑いは晴れる。
エピローグ)マーカスとマイクは家族ぐるみでBBQを楽しむ。今回の一件でレジーは家族内序列が上がり、マーカスにグリルで肉を焼くことを許される。レジーの満面の笑顔。
FIN
▼解説・感想:
いやーマジで最高でした。
『バッドボーイズ:RIDE OR DIE』はシンプルに《楽しさ》に重点を置くなら、今年のベストになるかもしれません。
あらすじを見ても分かるように、シリーズを観てきた人へのご褒美要素も結構多いです。特に第2作からずっと頑固親父2人にいじめられてきたレジーの大活躍は本当にカタルシスがありました。かといって復習が必要ということはなく、昔に一度でも観たことがあれば十分という丁度良い塩梅でした。
第3作のヒロイン的な存在だったリタ警部から、マイクがあっさり乗り換えて(?)別の女性と結婚していたのは、正直すこし面食らいましたが、まあ怪我のリハビリを通して親密になったということなんでしょうね。…しかし、それで悪の黒幕と交際を始めるとか、リタは男運が悪過ぎませんか。(笑)
第4作はストーリーとしては全くの王道なのですが、死んだハワード警部の見せ方や、マーカスの臨死体験や、その他ありそうでなかったド派手アクションなど、ちゃんと新しさもあります。期待はしてたけど、ここまで楽しい映画に仕上がっているとは!
もはやお決まりになってるマイケルベイのカメオ出演もあり。監督の顔を一度確認してから映画館に行くのが良いかも😎
しかし、アディル&ビラルの監督コンビよ。
2020年のバッドボーイズ3は「平凡だけど結構良い」だったのに、2024年のバッドボーイズ4は「マジでめちゃ良い」に格段にレベルアップしてて驚きました。嬉しい誤算というやつです。
こうなると2022年に公開中止に追い込まれたバットガールの出来がどれだけのモノだったのか、気になりますね…
当時TwitterなどのSNSでは、ワーナー上層部から《作品の品質が十分に高くなかった》という声が上がったとか、なんか監督コンビが無能みたいな言われようをされたみたいな噂がよく流れていました。
しかし、冷静になって見れば、ワーナーが会社として出した声明では《会社の吸収合併に伴う事業変更》だと説明されていました。建前では《ストリーミング事業からの撤退》であり、本音では《20億円以上の節税対策》といった所でしょう。
なお、一部のナイーブな映画ファンは《新社長が白人至上主義だから人種差別をしたに違いない》と頓珍漢なことを言って騒いでいましたが、残念ながら米国左派系メディアが煽ったデマでしょう。
そもそも(一部の左派メディアが主張していたように)ザスラフ新CEOが白人至上主義を貫いたという話なら、30年ぶりにバットマンに復帰したマイケルキートンや、同じく20年ぶりにエンタメ大作に戻ってきたブレンダンフレイザーの顔に泥を塗るようなことをするわけないでしょ。(笑)
(了)
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