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【アオラレ】を三幕構成で読み解く
結末まで語るので、本編を未見の方にはブラウザバックを推奨します。
男(ラッセル・クロウ):凶悪犯罪に手を染めて人生詰んだ男
レイチェル(カレン・ピストリアス):いつもイライラしている母
カイル(ガブリエル・ベイトマン):レイチェルの息子
アンディ(ジミ・シンプソン):レイチェルの親友で離婚調停の弁護士
ボルボ:レイチェルの車
フォード:男のピックアップトラック
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一幕
1)ある夜、ある男がある家に押し入って、殺人と放火を犯す。翌日の朝、寝坊した美容師レイチェルは、慌ててカイルを学校へ送る道中で、青信号になっても動かないフォードのピックアップトラックを乱暴にクラクションを鳴らして追い越すが、トラックを運転していたのは例の男で、つけてきてレイチェルの運転マナーを注意してくる。気が立っていたレイチェルはここでも激しく罵倒して返す。男は激しく煽り運転を始めるが、レイチェルは交差点で男を撒くことに成功する。
2)無事にカイルを学校に送った後で、ガススタンドで給油したレイチェルを男のトラックが襲う。警察に助けを呼ぼうとするもレイチェルが給油中に車内に置いていたスマホは男に盗まれており、地獄の煽り運転が始まる。
二幕
3)レイチェルと待ち合わせていたアンディが男に殺される。男は自分の携帯電話をレイチェルに使わせてレイチェルを脅迫する。
4)男がレイチェルの自宅に侵入して弟を襲う。
5)男が電話して、レイチェルにカイルを連れ出すように要求する。警察が駆けつけるも男は逃亡する。
6)路上でパトカーに知らせようとするが別の車で現れた男が玉突き事故を起こして阻止する。
三幕
7)レイチェルとカイルはレイチェルの実家で男を迎撃する。
8)レイチェルは弟が生きていることを知らされる。静かな日常に戻っていく。
FIN
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原題:Unhinged
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2021年5月28日
▼解説・感想:
一幕
一場:状況説明
二場:目的の設定
二幕
三場:一番低い障害
四場:二番目に低い障害
五場:状況の再整備
六場:一番高い障害
三幕
七場:真のクライマックス
八場:すべての結末
事前に想像していたよりも多様なシチュエーションを使っていて楽しめました。
5場の《状況の再整備》の場面でカイルがもう一度車に乗って一幕と同じ人物配置になるが映画の構造らしくて面白いです。
2場で会話にしていたゲームの必勝法を7場で再利用するのも技巧的で良かったです。
本作で男は最初に殺人放火事件を起こした時点で刑務所行きは時間の問題だったので、いわゆる「無敵の人」ってヤツですね。そんな男が巨大な自動車と身体能力を持っていたら、本当に恐怖そのものですし、煽り運転のターゲットになるきっかけがレイチェルが失礼な態度を取ったからだったというのがなんともリアルで怖かったです。
(了)
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