【TENET】あらすじを三幕構成で読み解く
一幕
1)キエフ(ウクライナ):主人公はCIAの任務として、キエフのオペラハウス爆破テロに潜入して、先に潜入捜査中だったCIAメンバーとプルトニウム241を回収する。ウクライナ警察が爆弾を設置するのを見かけた主人公はアドリブで計画を変更してターゲットを別行動させて逃すが、悪い予感が的中して運転手のウクライナ人に拷問される。主人公はCIAに配給されていた自殺ピルを飲む。
2)場所不明:実はキエフの任務は極秘試験も兼ねており、ピルは偽物で、主人公はTENETにスカウトされる。なお別行動させたメンバーは逃走中に親ロシア派に捕まったようだが、プルトニウム241はウクライナの諜報機関を通じてNATO加盟国であるエストニアへの輸出に成功していた。主人公はTENETの研究室で逆行銃弾の扱い方をレクチャーされる。
二幕
3)ムンバイ(インド):主人公はTENETから、オペラハウスで使われた逆行銃弾の謎を暴く任務を与えられる。ムンバイでニールと合流して、武器商人プリヤから逆行銃弾を作成したのがロシアの武器商人セイターだという情報を聴取する。
4)オスロ(ノルウェー):主人公はセイターに近づくために、まずはセイターの妻キャットと接触する。主人公はキャットの弱みが保管されているオスロのフリーポートで飛行機事故と火事を起こす。キャットを味方につけた主人公はセイターに接触してプルトニウム241を商談の材料に使うが、信用を得られず逆に脅迫される。
5)タリン(エストニア):主人公はタリンのハイウェイでプルトニウム241を盗む。しかし、直後にセイターがプルトニウム241を奪って逃げる。主人公は負傷したキャットを治療するために一週間ほど時間逆行することを決める。逆行中に主人公はアルゴリズムと未来人についてニールから情報を得る。
6)オスロ(ノルウェー):一週間時間逆行してきた主人公とニールとキャットは、飛行機事故と火事の混乱に乗じて順行に戻る。主人公はセイターの人類絶滅計画の全貌をプリヤから訊いて、スタルスク12のデッドドロップからアルゴリズムをスリ抜く作戦を立案する。
三幕
7)スタルスク12(ロシア):主人公はロシアのスタルスク12で、セイターがデッドドロップに完成したアルゴリズムを埋めるタイミングで奇襲をかけて、成功したと思い込んだセイターに自殺させて、そのままアルゴリズムを持ち去る。正確にはセイターは自殺する前にキャットに射殺されるが、デッドドロップからアルゴリズムのスリ抜きは成功したので任務は成功である。(*おそらく未来人は空っぽのデッドドロップを開いて悔しがることになる)
8)ロンドン(イギリス):主人公は敵陣営のスパイだったプリヤを暗殺(*)する。そして主人公はこれまで自分が経験したことを実現させるためにTENETを創設して、未来(過去)に備える。(**)
FIN
▼解説・感想:
綺麗な三幕構成に分解できます。
二幕の中央で大きく時間逆行を始めるのがメタ的に見ても面白いです。
この記事では細かい説明はかなり省きました。気になる人は、他にもいくつか解説記事を書いたので、そちらを読んで欲しいです。
7月にIMAXで再上映されるので、好きな人や、見逃した人は要チェックですね。
(了)