#ネタバレ
映画の核心部分に関わる話題なので、本編を未見の方にはブラウザバックを推奨します。
映画に出てくる《ある少年》がニールである、という証拠を集めた。
その《ある少年》とは、もちろんキャットとセイターの息子マックスである。
▼名前
キャットの息子の名前はマックスだが、これはマキシミリアン(Maximilien)を略したもの。そしてマキシミリアンを逆から読むとニール(Neil)から始まる。
▼日付
逆行しながらスタルスク12の最終作戦の立案中の会話で、ニールはキャットが思い出せなかったベトナム旅行の詳細な日程を知っていた。
▼BGM
映画でニールが主人公に自己紹介するシーンで、あるテーマ音楽が逆再生で流れる。そして映画のラストでキャットが息子を迎えたとき、そのテーマ音楽が通常再生で流れる。よってあの少年は順行しているニールである。
▼金髪
ニールを演じるロバート・パティンソンの頭髪は茶色である。しかし、この映画のためにノーラン監督はパティンソンに金髪に変更させた。何か演出的な意図があるはずである。
キャットを演じるエリザベス・デベッキと血縁関係にあることを示すために、パティンソンの髪の色を変更させたと考えられる。
▼物語構造(メタ)
この映画では、主人公がニールに助けられる。
ならば、ニールも主人公に助けられる必要がある。
なのでラストシーンで主人公が救ったのはニールでなければならない。
なぜならば、この映画はシンメトリー構造を取っているからである。
主人公がここでキャット殺害を防ぐことで、ニールは母親の愛を受けて元気にすくすく育つ。やがて過去にキャットと主人公を助けるために、自分自身の未来と人生を捨てて何十年も逆行する時間の旅が待っているのだ。
そしてニールが主人公を助けて、その主人公が幼少期ニールを救う。
このループを永遠に繰り返す。
(了)