見出し画像

【ウォッチメン】ザック・スナイダーとの出会い

平成21年。2009年4月11日。私は映画館で初めてザック・スナイダー監督作品を観覧した。それが再び私の映画熱を高める大きな転換点になった。

2000年代の私はあまり映画に熱心ではなかった。しかし幼少期から好きで実家のケーブルテレビはよく観ていたので、iTunesで週替わり100円セールの作品をたまにレンタル購入するといった感じでちびちび消費していた。

例えば2008年の『ダークナイト』もリアルタイムでは観ていない。ザックの監督作品では『300』の劇場公開が2007年だったが、私がiTunesで観たのは3年後の2010年だった。しかし、あの有名すぎるスローモーションだけは公開直前直後からどこかで見かけて、強烈なビジュアルのインパクトはよく脳裏に焼きついていた。

そんな折に、2008年11月に新作の存在を知った。当時iTunes(正確にはアップルの米国版Webサイト)では最新映画の予告をフルHD(縦1080ピクセル)の高解像度で視聴することができた。実は同時期のYouTubeは480ピクセルが主流で、たまに720ピクセルもあったかもしれないが、1080ピクセルは圧倒的な綺麗さを誇っていた。

そこで私は『ウォッチメン』のトレイラーに出会った。斬新なビジュアル。スマッシング・パンプキンズの音楽。これはすごい映画になると直感して何度も繰り返し観た。

そして日本公開日が2009年3月だと明らかになり、少しづつ情報もネットに見られるようになってきた。それによると、どうやらとても有名なグラフィック・ノーベルが原作らしい。その時に初めて漫画を「コミックブック」と呼ばない名称を知った。

それで私はアマゾンでペーパーバックのウォッチメンを購入した。

*最後にこの商品を購入したのは2008年11月XX日です。

なんだかんだと忙しくて、また米国人が手書きで書くアルファベット特有の読みづらさもあり、私は最後まで読めずに劇場公開を迎えた。

2009年3月。上野東急の劇場で受けた衝撃は、今でも忘れない。

特に一番感銘を受けたのは、このシーンだ。

地下室の階段近くに力なく座る男。後ろにはスーパーヒーローのスーツがディスプレイされている。

原作未読だと、なんの変哲もないシーンに見えるかもしれない。

しかし、原作ではこうなっている。

まさに、完全に一致。

しかも、1986年のグラフィックノベルから、2009年に見てもクールなビジュアルへのアップデートが本当に秀逸で、心の底から感動した。

こうして、私のザック・スナイダー愛は確固たるものになった。


●補足1

2024年の知識が増えた現在に改めて見ると、アレックス・ロスの90年代コミックブックの影響も感じる照明とディスプレイだったのだなと、思わされる。スーツが複数に増えて、並んでいるところなど。面白いなー。

●補足2

上野東急(うえのとうきゅう・1957年1月19日開業 - 2012年4月30日閉館)は、東京都台東区上野で東急レクリエーションが運営していた映画館である。

http://heisei26.movie.coocan.jp/heisei_24a.html

(了)

いいなと思ったら応援しよう!

まいるず
最後まで読んでいただきありがとうございます。ぜひ「読んだよ」の一言がわりにでもスキを押していってくださると嬉しいです!