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はじめに & 目次
※電子書籍化をしました!
はじめに
かつて、ある田舎に小学校の中学年まで歩けなかった病気の子どもがいました。その子どもは、暑い日も寒い日も毎日、近所の子どもに乳母車に乗せられて通学しました。当時若かった担任教師は、他の教師の力を借りて、教室の後ろに柔道の畳を置き、その上にその子どもを横にさせて、ロープと滑車でつり上げ授業を受けさせました。その子どもは立派に成人して、後世に残る橋梁(きょうりょう)や駅舎を設計したそうです。
教育を服にたとえるならば、教師は創意工夫をして、ひとりひとりの子どもに似合う教育の服を着せることが大切です。教育の制服を用意し、子どもをその服に合わせようとするのは本末転倒です。この問題を考えるとき、ことばの教室はよい教材になるので、一読していただければ幸せです。
※この「ことばの不自由な子どもの ことばの教室」は、亡くなった父が、2000年~2001年頃に執筆したものを、娘が代理公開しています。
目次
1 ことばの不自由な子ども
○ 構音(発音)を誤る子ども
○ ことばのリズムが乱れる子ども
○ 声がふつうと違う子ども
○ ことばの発達が遅れている子ども
○ 口蓋裂(唇裂)でことばが不自由なこども
○ 脳の言語中枢が侵されて、ことばが不自由な子ども
○ 情緒が不安定で話さない子ども
○ 耳が遠くてことばが不自由な子ども
○ 脳性まひでことばが不自由な子ども
○ 声帯を失ったためにことばが出せない子ども
2 ことばの教室(ことばの相談)
(1)ことばの教室へ通う通級制
(2)1対1で個人指導をする治療教育
(3)指導者の養成が課題
3 治療教育の実際
(1)発音を誤る子ども Aちゃんの場合
(2)口蓋裂(唇裂)でことばの不自由な子ども Bちゃんの場合
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