アムトラックでアメリカ横断:4日目朝~ニューオリンズ街歩き
Amtrakをロサンゼルスから51時間かけてやっと辿り着いたニューオリンズ
美食とジャズの街としてよく知られていて、アメリカだけでなく世界中から観光客がやってきます
今回は32時間ほどの短い滞在ですが、かなり楽しめました
プラン
今回のニューオリンズ観光でやりたい事をいくつか思い描いていたのですが、こんな感じです
ジャズのライブ演奏を聴きたい
湿地帯でワニをみてみたい
フレンチクォーターの街歩き、路面電車
ミシシッピー川をクルーズしてみたい
ケイジャン料理を食べてみたい
ただ時間が一日しかないので、優先順位をつけて1-3を実行することにしました
その前に…
ただ、まずニューオリンズについて真っ先にしなければならなかったのは「洗濯」でした
今回は長旅になるので一週間程度の着替えは持っていましたが、気候がかなり違うのと仕事用の服も一緒に持っていたので洗濯はできる時にやっておかねばなりません
ホテルの受付で聞いても知らないという事で、自力でググるといくつか候補が出てきました
今回はフレンチクォーターという地区のバーボンストリートの端にある「Suds dem Duds」という口コミの良いお店をチョイス
どうやらホテルへ即日配達もしてくれるらしいので、開店の9時を少し回った時間を目指して向かいました
ホテルから歩いて30分ほど、道に迷いながらもなんとかランドリーを探し当て、店内に入りました
ランドリー特有のムッとした湿度と温度が高い店内には沢山の洗濯機と乾燥機が並んでいて、既に先客の方も居ました
店主らしき老眼鏡をかけた白人のマダムが応対してくれ、まずはセルフで洗濯するかお店に洗濯を依頼するかを聞かれ、洗濯を依頼する場合のシステムを説明してくれました
「1ポンド$3.xx (端数忘れた)で、ミニマム$20」
この「ミニマム」という表現がよく分からなかったのですが、要は最低料金になるので、洗濯を依頼する場合はいくら軽くても$20はかかるということです
重さを測ってもらったところ、私の場合は6ポンド弱だったので、$20ちょいの料金でした
更にホテルに届けてもらえるか聞いたところ、距離によって料金は変わるもののフレンチクォーター内であれば$10ということでした
コインランドリーにしてはかなり割高に感じましたが、自分で洗濯して乾燥してホテルまで持って帰るだけで2-3時間は潰れるので、ここは割り切ってサービスを利用することに
その後、どの様な洗剤を使うか(肌への刺激が弱いものか、普通のものか)、柔軟剤はどうするか(シート状の柔軟剤を入れるか、液体タイプか、柔軟剤は使わないか)などの質問に答えて、自分の氏名、ホテルの名前と部屋番号を伝えました
電話番号も聞かれましたが、日本の番号だと国際電話になるので使用せず。アメリカの電話番号の場合は、配達完了後に電話をくれるそうです
配達は夕方17:30頃にホテルの受付に預けてくれるので受け取りをするために戻る必要はありません
これは楽チン!
モーニング
さて、洗濯という大きな課題の答えが見つかったので、次は腹ごしらえという事でカフェを探さないといけません
ランドリーのマダムが物知りそうだったのでお勧めのカフェを聞いたところ、「Croissant d’or (クロワッサンド・オー)」が良いよと即答してくれました
ランドリーからまっすぐ歩いて数分らしいので、そこに行ってみることに
このCroissant d’orがなかなかのヒットで、いわゆる地元のベーカリーカフェ的な感じでとても良かったです
Urslins avenue (アースリンズアベニュー)という通り沿いにあり、コーヒーカップとクロワッサンの看板が目印です
店内は清潔で明るく、フランスのカフェのような雰囲気があります
朝食のメニューはこんな感じでした
卵2つを使ったAny style (目玉焼き、スクランブルなど)と、クロワッサンもしくはサンドイッチ … $7.50
ハムかベーコンの追加 … $3
ハッシュブラウンの追加 … $2
ラタトゥーユオムレツ(ナス、ズッキーニ、玉ねぎ、トマト、ベルペッパーとパルメザンチーズ)とクロワッサン … $14
カントリースタイルオムレツ(ジャガイモ、ベーコンとスイスチーズ)とクロワッサン … $14
ブリオッシュフレンチトースト … $10
私はおそらくこのお店のイチオシであろう、一番上に書いてある卵とクロワッサンに、ベーコンとハッシュブラウンをつけました
ドリンクは別料金で、カフェオレやコーヒーが$3ぐらいだったと思います(サイズによる)
まあこの組み合わせでまずくなる事はなさそうですが、キチンと卵は半熟だし、ベーコンもカリカリに焼かれていました
クロワッサンはやはりフランスと違ってバターミルクブレッドの三日月型(パイ生地のようなサクサク感はない)でしたが、美味しかったです
今のところアメリカ旅行の朝食ではナンバーワンです
お腹も膨れたし、いよいよフレンチクォーターを歩いて観光します
フレンチクォーター
実はアメリカ大陸はフランスが大部分を支配していた時期があって、17世紀から18世紀にかけてはカナダや五大湖を含むアメリカ中西部の大部分と、南はメキシコ湾に至るまでの広大な領域を植民地として「ニューフランス」と呼んでいました
しかし厳しい自然環境と黄熱病などの疫病を嫌ってあまり多くの開拓民が集まらなかったので植民地の経営がうまくいかず、その後イギリスに植民地戦争で敗れたりスペインに割譲したりして、最終的にはニューオリンズのある地域だけがフランスの統括地として残ったそうです
しかしそこも1803年にナポレオンがアメリカ合衆国に売却して、フランスの統治は終わりを告げました
この辺りの詳しい話はWikipediaをどうぞ
いまのニューオリンズの街はそういった複雑な統治の歴史(フランス、スペイン、アメリカ)が繰り返されたため、独特の街並みと文化を保っています
現在建っている建物の多くはスペイン統治時代のものらしいのですが、張り出したバルコニーやカラフルな壁の色、石畳でできた道路などはヨーロッパの雰囲気が強く出ています
また、ロイヤルストリートを中心とする地域には沢山のギャラリーや個性的なショップがあって、お店を覗きながら歩くだけでも楽しい街です
今回はその中からいくつか訪れたところを紹介します
Gallery Burguieres (ギャラリー・ブージェ)
ここはAlly Burguieres(アリー・ブージェ)というアーティストの画廊兼ショップで、壁一面に動物をモチーフにしたカラフルで愛情のあふれる絵が所せましと展示されています
https://goo.gl/maps/hyPMMy1cnFiYkbCu6
私が行ったときはアリーさんのお姉さんがお店にいて対応してくれました
アリーさんは動物愛護家であらゆる動物をモデルにした絵を描いているのですが、特にオポッサムという狸に似た動物がお気に入りだそうです
絵画だけでなく、文房具やアクセサリーなどにもオポッサムをモチーフにした物が売られていました
オンラインでも絵を購入することができて、日本への発送も$15で対応してくれるようなので、気に入ったらサイトを覗いてみてください
なんと彼女がデザインしたアクセサリーは、ニューオリンズで開催された2013年のNFLスーパーボウルの公式アクセサリーに選ばれたこともあるようです
Voodoo Museum (ブードゥー博物館)
ここは一風変わった博物館で、知る人ぞ知るブードゥー教に関するコレクションを展示しています
ブードゥー教というと「黒魔術」や「呪い」のイメージが強く、とても怖いイメージがあったので、ドキドキしながら入りました
↑↑ 受付にいるおばさまの服装や雰囲気が既にかなりミステリアスな感じで、期待が高まります。南部なまりの強い英語で「どこから来たのおん?」「ニューオリンズにジャズを聴きに来たって?ジャズって◎×△(伏字)という意味だったのよ…だからジャズしようって言ったらその意味は…あなた知ってる?」など結構キワドイ話をしてくれました
入場料$10を支払うと奥にある展示物を見ることができますが、民家の一部を改装したとても小さい博物館なので、人数が多い場合は待つことになるかも知れません
ブードゥー教はアフリカの人々が奴隷貿易でカリブ海に連行された人たちが、自分たちの民間信仰にキリスト教のエッセンスを取り入れて生まれたそうです
謎の儀式、呪術、イタコのような祖先との霊通、藁人形のようなものなどおどろおどろしい雰囲気がたっぷりなのですが、実際には病気の回復を祈ったり祖先を敬う土着の信仰が土台になっているということを知りました(藁人形に人の髪の毛を入れるのも、その人の病気の回復を祈るのが目的だそうです)
この博物館はCharlie Gandolfo(チャーリー・ガンドルフォ)が弟のJerry(ジェリー)の助けを得て様々なブードゥー教の資料や物品を収集し、1972年に開いたそうです
チャーリーは理髪師の仕事をしていましたが、もっと安定した収入源を求めてブードゥー博物館のアイディアを思いついて実行に移したとか
なぜこんなことを思いついたかというと、実はガンドルフォ家の祖先はハイチにある砂糖のプランテーションで奴隷として働かされていたのですが、1791年頃に暴動が起きた際、その人達を樽に隠してニューオリンズに逃がした人がブードゥー教の女王だったそうです
詳しくはスミソニアンマガジンの記事にあります
こんな変わったスポットが沢山あるのがニューオリンズのフレンチ・クォーター。噛めば噛むほど味が出てきそうな街です
街歩きの動画を作成したので、ご覧ください
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