【PdM】どんなPdMでも必須!User Story Mapについて
User Story Map/ ユーザーストーリーマップとは、プロダクト開発における重要なプロセスで、ユーザーのニーズや使い方を中心にしたストーリーマップを作成し、要件を洗い出す手法です。抜け漏れを防ぎ、各用件の優先順位付けやプロダクトを使って歩む過程を可視化+具体化します。重要なコンセプトなので備忘録として書き記していきたいと思います。
ユーザーストーリーマップとは?
ユーザーストーリーマップ/マッピングでは、ユーザーがプロダクトを使用する過程を横軸として、縦軸にはプロダクトの機能やサービスを配置します。そして、それらを組み合わせて、プロダクトを使用するシナリオを描くことで、プロダクトのアイデアやコンセプトをより具体的に捉えることができます。
例えば、携帯電話のアプリケーションを開発する際に、ユーザーが携帯電話を購入するところから、アプリケーションをダウンロードして使用するまでの流れを横軸として、アプリケーションが持つ機能やサービスを縦軸に配置します。そして、アプリケーションを使用して連絡を取るというシナリオを描いたり、アプリケーションを使用して支払いをするというシナリオを描いたりすることで、アプリケーションを開発する際のアイデアを具体的に捉えることができます。
User Story Mapは、プロダクト開発のプロセスで、ユーザーのニーズをより深く理解し、より質の高いプロダクトを開発するための有効なツールです。
User Story Mapを使用することで、プロダクト開発チームは、ユーザーがプロダクトを使用する際にどのようなニーズや問題が発生するかを把握することができます。また、プロダクトのアイデアやコンセプトを具体的に捉えることで、開発するプロダクトのビジョンを明確にすることができます。
さらに、User Story Mapを使用することで、プロダクト開発のタスクをより具体的に分割することができるため、タスクを優先順位づけして、より効率的に開発することができます。また、プロダクト開発のプロセスを可視化することで、チーム全体がどのようなプロセスを経て、どのようなプロダクトを開発するのかを把握することができます。
User Story Mapを使用する際には、以下のような手順を踏むことが一般的です。
ユーザーを中心にしたビジョンを定義する
ユーザーがプロダクトを使用する際に、どのようなニーズや問題が発生するのかを明確にする必要があります。そのために、ユーザーを中心にしたビジョンを定義します。
ユーザージャーニーを作成する
ユーザーがプロダクトを使用する際にどのような流れを踏むのかを、ユーザージャーニーとして明確にします。このとき、ユーザーがプロダクトを使用する際に発生する問題やニーズを把握し、それらを解決するためのステップを組み合わせて、ユーザージャーニーを作成します。
ユーザーストーリーを作成する
ユーザーがプロダクトを使用する際に、どのような機能やサービスが必要であるかを明確にする必要があります。そのために、ユーザーストーリーを作成します。ユーザーストーリーとは、ユーザーがプロダクトを使用する際に求める機能やサービスを具体的に記述したものです。例えば、「ユーザーがプロダクトを使用して、連絡を取ることができる」というユーザーストーリーや、「ユーザーがプロダクトを使用して、支払いをすることができる」というユーザーストーリーなどがあります。
ストーリーマップを作成する
ユーザージャーニーとユーザーストーリーを組み合わせて、ストーリーマップを作成します。ストーリーマップは、横軸にユーザーがプロダクトを使用する流れ、縦軸にプロダクトの機能やサービスを配置することで、プロダクトを使用するシナリオを描くものです。
主なメリット
User Story Mapを使用するメリットは、以下のようなものがあります。
ニーズや問題の特定:ユーザーがプロダクトを使用する際にどのようなニーズや問題が発生するのかを把握することができます。これにより、よりニーズに合ったプロダクトを開発することができます。
アイディアやコンセプトの具体化:プロダクトのアイデアやコンセプトを具体的に捉えることができます。これにより、プロダクトの開発がスムーズに進むことができます。
タスクの洗い出しと優先順位付:プロダクト開発のタスクをより具体的に分割することができます。これにより、タスクを優先順位づけして、より効率的に開発することができます。
開発順序の可視化:プロダクト開発の過程を可視化することができます。これにより、チーム全体がどのようなプロセスを経て、どのようなプロダクトを開発するのかを把握することができます。
以上が、User Story Mapのメリットです。通常であればデメリットも書き記すべきですが、正直使わない理由がないくらい便利なものだと筆者は考えています。チームにこの手法を起用できるか、賛同を得る際に説明する必要があると言うことくらいでしょうか。
注意点
ユーザーを中心に考えること・視点を合わせること
まず最初に注意することは、ユーザーを中心にしたビジョンを明確にすることです。ユーザーを中心にしたビジョンとは、ユーザーがプロダクトを使用する際に、ユーザー視点でどのようなニーズや問題が発生するのかを明確にしたものです。これを明確にしないと、開発するプロダクトが、実際のユーザーのニーズに合っていない可能性があります。
ユーザージャーニーを正確に作成すること
ユーザージャーニーを正確に作成することが重要です。ユーザージャーニーとは、ユーザーがプロダクトを使用する際にどのような流れを踏むのかを記述したものです。これを正確に作成することで、プロダクトを使用するシナリオを正確に把握することができます。チーム内で何度も議論・確認を行うよう心がけましょう。
ユーザーストーリーを具体的に作成すること
ユーザーストーリーを具体的書く必要もあります。ユーザーストーリーとは、ユーザーがプロダクトを使用する際に求める機能やサービスを具体的に記述したものです。これを具体的に作成することで、プロダクトを開発する際のアイデアを具体的に捉えることができます。英語で書く場合よく言われるのが「As a 〇〇(〇〇として), I want to 〇〇 (〇〇がしたい)because 〇〇(なぜなら〇〇だから)」のフレームワークです。これに数値を持たせて定義するなど、「本当にこれで要件が明確なのか?」と何度も問いましょう。また、要件に抜け漏れがないか、粒度が正しいのか、確認しましょう。
ストーリーマップを継続的に更新すること
ストーリーマップは一度佐久生したら終わりではありません。継続的に更新することが重要です。プロダクト開発は、常に進化しているものです。そのため、ストーリーマップも随時更新する必要があります。よりアジャイルに動くことで、プロダクト開発のプロセスがスムーズに進むことができます。
チーム全体で取り組むこと
プロダクト開発チーム全員(場合によってはマーケティングや営業など、他のチーム等)が参加し、意見を出し合うことが重要です。これにより、より多くのアイデアを出し合って、より質の高いプロダクトを開発することができます。異なる視点を交えることで「より正しい姿」に近づけるよう意識しましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?PdMとしてユーザーストーリーマップの作成を正しくファシリテートすることで開発プロセスを大幅に改善・効率化することができ、全体のビジョンをチーム内で認識を合わせることができます。多くのチームがこの手法を活用している中で、正しく行われていないものも多くありますが(筆者も見てきました)、本記事で挙げた注意点や良い例をたくさん見ることで、正しくマッピングし、より良いプロダクト開発に励みましょう。
また、表紙の写真としても使用していますが、一冊このトピックに関しておすすめしたいのがJeff Patton著のUser Story Mappingという本です。ここまで簡単かつ簡潔に本トピックをまとめている本はないと思います。