舟状骨の触診
前回までで前腕の触診を整理していきました。
その中で重要なのが、触診ができるようになった結果、臨床にどのように繋げていくのか?つまり目的をしっかり整理していくことでした。
しっかりと、この部位をなぜ触診したいのか?を明確にしていきましょう。
今回は新人療法士が苦手としている、手根骨の触診。その中でも舟状骨について整理していきましょう。
1 触れることの臨床意義
舟状骨は橈骨手根関節と手根中央関節の2つの関節を構成しています。
つまり、舟状骨の触診ができることで、上記の2つの関節の動きを評価することが可能となります
(引用:筋骨格系のキネシオロジーより)
では舟状骨を含む手根骨はどのような動きをしているのでしょう?
手関節の掌背屈の際には、手関節は上記の2つの関節が複合して動いています。
(引用:筋骨格系のキネシオロジーより)
具的的には、
背屈する際、橈骨手根関節が35°、手根中央関節が50°
掌屈する際、橈骨手根関節が50°、手根中央関節が35°
となっており、それぞれが動いていることが重要であるとわかります。
2 舟状骨の特徴
上記で触れる目的が確認できたと思います。
では、舟状骨はどのように動いているのでしょう?
舟状骨が動く時は、凹凸の法則が当てはまります。
つまり、舟状骨は凸面のため、関節が動く方向とは逆方向に動きを作ります。
つまり、背屈すると掌側に、掌屈すると背側、橈屈すると尺側、尺屈すると橈側に、という動きをします。
この動きをしっかりイメージしておくことが重要です。
3 実際の触診方法
では実際に触診していきましょう。先程の凹凸の法則を意識して触れていくことが重要です。
つまり、触れている際に、動かすことで確認が可能となります。
① 橈骨茎状突起を触れ、そのまま末梢にたどり窪みを探す
② 窪みを見つけたら、尺屈させる
③ 指先に骨の感覚があれば舟状骨
4 まとめ
いかがだったでしょう?
舟状骨はどのような役割を担っているのか?どのように動くのか?を機能解剖で確認すると、触れる意義と、触診の仕方が理解できます。
しっかりと基礎から臨床に繋げていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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