見出し画像

社会学の新地平 佐藤俊樹 まだ前半しか読んでいないけど感想文

社会学の書籍を開くといっつもマックス・ウェーバーに関することが書かれている気がする。よくもまあ同一人物の論文を100年以上も熱心に論じたり、いじくろうとしたりするものである。

ウェーバーに対する興味がそんなに無いならば、手を取る必要はないかもしれない。まあ避けようと思えば容易に避けられる。この本の副題にウェーバーからルーマンへと書かれている。

中間あたりまで読み進めてきたが、いまだにルーマンのことが描かれていない。ただひたすらに、ウェーバーのプロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神の丁寧な読解と、最新の研究で明らかになった新事実とを述べている。

正直非常に退屈な本である。自分の性分的に一人の、しかも一つのテキストに本の半分を割くこの深堀していく感じとが、全く合わなかった。

一つ収穫になったとすれば、ウェーバーの倫理論文に出てくる一つの企業が、自分の伯父が経営しているという、非常に距離的に近いことを観察して、それを普遍化させるという方法をとったのだなということくらいか。後は資本主義の精神という用語をウェーバーはあんまり定義をしないで用いたために論争があること。もっともこの資本主義の精神という概念自体を探し求めるために、本論文は書かれた臭いということ。

たくさん人物と思想が出てくる形式の本でないと読み切るのも大変だと再確認。倫理論文に興味がない方が手に取ったら積読必須の一冊だ。ルーマンが出てきたら面白くなるのかな。後ウェーバーて打ち込みずら過ぎるだろ。

全体的に血が通っていない。倫理論文自体は現実の描写が中心なのにどうしてこういうたぐいの印象を持つのだろう。社会学のテキストを読むといつもこんな感じで脱落しているような気がする。

次は何を読もうか。政治との距離が近い、理路整然とつつましくしようとしても、どうしても血の匂いがしてきてしまうような本が読みたい。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?