残業を減らすにはまずはここから!【書評】SINGLE TASK 一点集中術(デボラ・ザック/訳・栗木さつき)
※youtubeに解説動画をUPしていますので、ぜひ見てください
「目の前のひとつのことに集中する」という非常にシンプルな内容ですが、実践するのは案外難しい。
仕事効率化の第一歩として、シングルタスクの考え方を身につけましょう。
マルチタスクの害は、様々な研究結果からも示されています。
色々な集中力本や仕事術の本でもシングルタスクは前提になっていることが多いので、
ざっくりとした内容だけでも理解しておくと他の本を読むときにも役立つと思います。
◆本書で得られること
・シングルタスクの利点とマルチタスクの欠点について理解できる
・一つのことに集中するための、誘惑への対処の仕方が身につく
・「一日忙しかったのに何も進まなかった」という日が減る
◆シングルタスク v.s. マルチタスク
◎シングルタスクとは
・今、目の前のことに集中する
・一番大事なことを決め、責任をもってやり遂げる
・一度にひとつの作業に集中して、生産性を上げる
→頭の中の余計な雑念、外からの刺激をシャットアウトして、ひとつの作業に全ての集中力を投下する。
◎マルチタスクの罠
「複数の作業を並列に行うことで効率を上げる」ということだが、初出はIBMのコンピューター関連の論文。
(コンピューター以前の時代からあった言葉ではない)
人間は元々複数の作業を同時にできるようにできていない。
(脳みそは一人に一つ、瞬時に情報を保存したりアクセスできない)
例)
・数を数えている途中に話しかけられると、どこまで数えたかわからなくなる
・何か作業をしながら人の話を聞いていると、大事なことを聞き逃したりして相手の機嫌を損ねる
実態は、注意を向けるタスクを切り替える「タスクスイッチング」の繰り返し。
注意を向ける対象が変わるたびに仕切り直しになるため、都度集中力が落ちる。
→ 極論すれば、「マルチタスク=究極に気が散っている状態」
ハーバード大学が働く社員を調査した結果、せわしなく働く人は1日に500回も注意を向けるタスクを変えているが、
最も能率が高い社員=タスクを変える回数が少ない
という特徴があった!
以上のことからも、タスクスイッチングを繰り返すマルチタスクよりも、一つのことに集中するシングルタスクの方が、人間の効率化には合っている。
◆シングルタスクを実践するには
一つのことに集中しようとしても、周囲には誘惑がたくさん
・スマホの通知
・周囲の人からの雑談、急な仕事の依頼
・別の仕事のアイデアが突然思い浮かぶ
・やらなくてはいけなかったことを思い出す
など。
→ 注意散漫になる原因を遠ざけることが大事!!
◆邪魔ものを遠ざけるために ー対・自分編ー
◎ToDoリスト
作業に取り掛かる前(会社員なら出社直後)に、やるべきことのリストアップと予定を立てる。
→やるべきことをあらかじめはっきりさせておくことで、注意がそれにくくなる!
注意点としては、
・嫌な仕事は朝イチで行う
残しておくと、他の作業をやっている間もずっと気になる。
さっさと片付けて、脳から追い出すことで1つのことに集中できる。
・空白タイムを設定する
突発業務、思ったよりも時間がかかってしまった時のために
・休憩もこまめにとる
集中力を使い切ってしまう前に休憩
ToDoで立てた目標がきちんと達成できたか毎日記録する!
ToDo+PDCA
→これを繰り返していくことで、何も進まなかったという日が少なくなる
週4日達成できれば合格ライン
◎パーキングロット法
・他の仕事のアイデア
・やらなくてはいけないこと
思いついても、今の作業と関係ないならすぐには手を付けない。
忘れないように、メモを取っておく。
一旦脳みそから追い出してあげて、今の作業に集中できるよう脳みその環境を整える。
すぐにメモを取れるように、作業前に自分用のパーキング(ノートやメモ帳など)を用意しておく。
◎類似タスク
一日に何度か行う作業のうち、似たものをグループ分け。
→制限時間を決めて、同じ時間帯にまとめて処理する。
終わらなかった場合でもダラダラ続けない。
特にメール!!
メールの通知が集中力を削ぐ大敵!
メールチェックは1日3回時間を決めて行えばOK。
◆邪魔ものを遠ざけるためにー対人編ー
万人にいい顔をすることが、献身的に働くことを意味するわけではない!
安請け合いするのではなく、目の前の仕事に集中することで、相手にも良い成果を提供できる。
◎全ての要求に即座に応じる必要はない!
全部やるのは、土台無理!マルチタスクになり、全て崩壊する。
→できないものはNo!と、キチンと言う&いつならば対応できるかを明確に伝える
「今できない」と「私にはできない」は別物
◎制限時間を伝える
相談、質問などをされたが他のことで忙しいとき。
例えば、今は5分しか時間が取れないことを伝える
その時間は目の前の人に完全に集中すること!
・アイコンタクト
・相手の話に関心を示す など
→時間が短いことは、信頼低下には繋がらない
他の作業をしながら対応、は絶対にしてはならない!!
真剣に考えてくれていないと思われ、信頼Down
短時間でも目の前の人に集中することで、信頼も得られ結果的に時間も短く済む
いづれの場合も、相手に敬意をはらうこと
◆簡単なまとめ
シングルタスクは時間を有効活用し、生産性を上げ、対人関係を改善する。
一つの作業に集中するために、何に集中するかをはっきりさせ、他のことを思いついても一旦脳みそから追い出す。
他人に敬意を払いながらも、必要なときは境界線を設けることで一つの作業に集中することで、相手にも良い成果を提供できる。