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木村喜由のマーケット通信【週2回配信】

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NPO日本個人投資家協会理事 テクニカルアナリストである木村喜由による 週二回発行のマーケット通信 株式市場や世界情勢に関するマーケット情報を配信します。
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2025年2月の記事一覧

ウクライナ不在の停戦交渉、トランプは愚か、プーチンはどん詰まり?

ウクライナ不在の停戦交渉、トランプは愚か、プーチンはどん詰まり?

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2225

欧州株は復興需要期待で上げ、日本株は防衛費増を見込んで上げる

株式市場が投資家の勝手な思惑で動き、話題先行で銘柄が選択されるのは毎度のことだが、これほど空虚な理屈で動くのでは開いた口が塞がらない。
もちろんウクライナ停戦交渉の話である。
停戦交渉とは戦争当事国同士が話し合うのが当然のことで、今回の米ロ外相会談のように、同盟国でもなく、支援の軍隊も

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10―12月期決算は良好な着地、無視できないインバウンド効果

10―12月期決算は良好な着地、無視できないインバウンド効果

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2224

純利益は前年同期比10%増益、SBGを除くと16.5%前後に

225銘柄の10―12月決算発表はあと2社を残すだけ。
純利益合計は現時点で12兆8719億円・10.2%増。
最終では200億円上乗せ。
前年同期が225社で11兆7051億円と、過去最高の水準だったが、それをかなり上回った。
しかも大きな振れがあるSBGが、前年の9500億円黒字に

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ホンダ・日産の破談、あまりの安値提示に大株主ルノーが激怒

ホンダ・日産の破談、あまりの安値提示に大株主ルノーが激怒

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2223

本気で資本参加を望んだホンハイ、
驚いた経産省がホンダに統合をせかした

「思い出はモノクローム、色を付けてくれ」といえば大瀧詠一の名曲『君は天然色』の一節。
日産とルノーの関係は、長い目で見れば成功の部類で、10年前にカルロス・ゴーンがアジア全域での生産増強・開発投資削減の急ハンドルを切るまでは、経営史の教科書に載るほどの事例だった。しかしその後

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自分の足元に銃弾を撃つトランプ

自分の足元に銃弾を撃つトランプ

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2222

隣国への高関税、自分の支持者にも中間選挙にも大打撃

トランプは有言実行の人物である。
発言を100%実行するとは限らないが、よほどのことがない限り、発言に即した行動を取る。
その意味では信頼できるともいえる人物だ。
なので、今回の関税引き上げ発表にも、延期の発表にも驚いていない。
とはいえ20年に自分で結んだカナダ・メキシコに対する非課税協定UC

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火星の逆行―今回は意味が重い

火星の逆行―今回は意味が重い

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2221

シリアの革命、米国の山火事、DeepSeekショックなど事件が連発

筆者は基本的には科学的・論理的な考え方が好きなのだが、実際問題として世界はまったくその枠に収まっていない。
天災や突発的な大事件とか、権力者やカリスマ的人物の気まぐれ的行為、あるいは一国民の感情や嗜好に起因する爆発的な出来事に満ち満ちており、予想は不可能だ。
だが、これらにより大

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