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10―12月期決算は良好な着地、無視できないインバウンド効果

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2224

純利益は前年同期比10%増益、SBGを除くと16.5%前後に


225銘柄の10―12月決算発表はあと2社を残すだけ。
純利益合計は現時点で12兆8719億円・10.2%増。
最終では200億円上乗せ。
前年同期が225社で11兆7051億円と、過去最高の水準だったが、それをかなり上回った。
しかも大きな振れがあるSBGが、前年の9500億円黒字に対し今期は3692億円の赤字(しかし持ち株評価益が膨らんで包括利益は大幅黒字)となっていたので、同社を除けば16.5%増益になっていた。

ドル円の期中平均レートは152.36円で前年より3%強円安に振れた。
鉱工業生産指数は0.8%低下。
中国や欧州景気が低迷したため、輸出は伸びていない。
とはいえ海外拠点の収益性が改善したのと、インバウンド客が増えたのと一人当たり消費額増加で最終消費需要は1%ほど上乗せされていた模様。
また損保各社が持ち合い株の売却を進めているので純利益がかさ上げされているが、3社合計では前年同期より2千億円強減少している。
一応今回の増益は実力ベースの数字と考えてよさそうだ。

自社株買いによる株主資本の減少を考慮しないベースで、過去1年間の累積包括利益ベースのROEを計算したところ、12.25%だった。
10兆円程度の自社株買いがあったため、これを上乗せすると14.3%前後だったと推定される。
諸々の要因を考慮すると、これは事前に筆者がイメージしていたものより大分強い、立派な結果であった。

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