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木村喜由のマーケット通信【週2回配信】

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NPO日本個人投資家協会理事 テクニカルアナリストである木村喜由による 週二回発行のマーケット通信 株式市場や世界情勢に関するマーケット情報を配信します。
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2024年12月の記事一覧

2025年は春にかけて大荒れとなる公算大

2025年は春にかけて大荒れとなる公算大

木村 喜由来の『マーケット通信』Vol.2213

生成AIでノーベル賞を受けるべきだったのは2人の日本人研究者

歴史というものは、微妙なポイントにおける運不運とか、リーダーの気まぐれなど偶然の要素が大きく関わっている。
株式市場でいえば、過去2年間猛烈な生成AIブームが席巻しているが、まぐれ的要素が重なったことが非常に大きい。
今の状況を正確に言うなら、生成AIブームというよりも、「生成AI投

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今の自動車産業の置かれた状況は中山大障害に似ている

今の自動車産業の置かれた状況は中山大障害に似ている

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2212

過酷な距離と負担重量、体力も技術も高度でないと完走すらできない

先週の有馬記念をご覧になった読者も多いだろう。
今年の売上高550億円、毎年ハイレベルの馬による好レースとなる。
しかし日常的にレースを見るファンにとってはその前日の中山大障害も見逃せないレース。
競馬の障害競走は、走力ではやや劣るが体力と勇気、従順さを併せ持つ馬同士の対決で、緊張感

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やっぱりホンダだったか、実は大勢が狙っていた日産

やっぱりホンダだったか、実は大勢が狙っていた日産

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2211

既存大手にも新規参入組にもファンドにも魅力的なサイズと株価

前回も自動車産業について書いたが、ホンダと日産の統合が具体化してきた。
8月にEV生産で協業という発表があったので、大きな驚きはない。
未来のクルマは各部品を無線通信で制御し、プログラムの更新もそこで完結させる、SDV(Software Defined Viecle)になってくる。
自動

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自動車産業はスマホと違う、世界共通モデルが困難

自動車産業はスマホと違う、世界共通モデルが困難

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2210

国別の条件が大きく違い、個別対応のコストが大きい

自動車産業は苦境に陥っている。
大きな環境変化に遭遇しており、難問山積と言ってもよい。しかし輸送需要自体が減っているわけでもないし、コロナ禍で落ち込んだものの、世界的に見ればまだ年間の需要数は増加傾向にある。
継続的な需要はあるのだ。

長期的にはEV化の方向に疑いはないとしても、肝心の、電池や充

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シリアの解放、ロシアを窮地に追い込む

シリアの解放、ロシアを窮地に追い込む

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2209

事前に周到な準備があったはず、トルコと米国が支援か

強権で民主化を抑圧してきたシリアのアサド政権は驚くべき速さで崩壊した。
驚くべき速さと書いたのは、外部者の感覚であって、実際には当事者の周到な準備があったはずである。
歴史的事実を言えば、ロシア帝国もソヴィエト連邦もたった3日間で完全崩壊している。
政権内部が腐っており、内情を知った反乱者が急所

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陶酔の中で終わる強気市場

陶酔の中で終わる強気市場

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2208

何一つ問題がないように思えた時が天井に

ジョン・テンプルトン卿(1912-2008)は筆者が最も尊敬する投資家である。
投資家に与える示唆においては、ウォーレン・バフェット氏より数段上の人物である。
バフェット氏は幸運にも米国経済の大成長期のベストの時期に全盛期を迎え、銘柄入れ替えはほとんど行わず、自信をもって保有できる銘柄に絞った、単純なバイア

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日米株価サイクルのバラツキはどう決着するのだろう

日米株価サイクルのバラツキはどう決着するのだろう

木村 喜由の『マーケット通信』Vol.2207

長期サイクル分析では27年前後に大きな調整の公算

すべての相場商品にはそれぞれの値動きがあり、当然チャートの姿もまちまちである。
とはいえ、一定程度の相互的な関係はあるので、相当程度の連動性が確認される。
経済は常に変化しており、通貨とか原油とか株の銘柄とか、我々は何となく昔から同じもののように感じているが、その拠って立つ原価構造とか生産手法とか

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