5人の最近の日本人作家紹介『東野圭吾』、『天童荒太』、『石田衣良』、『池澤夏樹』、『宮本輝』②『天童荒太』、『石田衣良』、『池澤夏樹』
前回の記事リンクです。
こちらでは、『東野圭吾』と『宮本輝』の2人を紹介しました。
今回は、『天童荒太』、『石田衣良』、『池澤夏樹』の3人の紹介です。
①作家『石田衣良』について
僕自身がある作家にハマるパターン。
昭和生まれのテレビ世代なので、テレビの影響が大きいです。
例えばNHK『大河ドラマ』を見てハマるけど、結末が分かるのは1年後。
それまで待てないので、原作小説を買って読んでしまう。
このパターンが多いです。
例えば作家『石田衣良』について。
テレビドラマ『池袋ウエストゲートパーク』原作 石田衣良
脚本 宮藤官九郎 監督 堤幸彦、伊佐野英樹、金子文紀
出演 長瀬智也、加藤あい、窪塚洋介、山下智久、佐藤隆太、森下愛子、渡辺謙他
プロデューサー 磯山晶 製作 TBS
放送期間 2000年4月14日 - 6月23日
初めに見たのはこのテレビドラマの方です。
『池袋ウエストゲートパーク』石田衣良 文藝春秋
刊行 1998年
現在まで15巻も刊行されているロングランシリーズ。
そして『石田衣良』デビュー作でもある。
・作家『石田衣良』略歴
1960年生まれ。東京都江戸川区出身。
1984年に成蹊大学経済学部を卒業。
その後はフリーター生活を送っていたが、母親の他界をきっかけに就職を決意。
広告制作プロダクション・広告代理店にコピーライターとして勤務。
1993年 フリーのコピーライターとなる。
1996年 小説家になることを決意し、数々の新人賞に応募。
1997年、それまで応募したことのなかったミステリーの賞に応募したところ、第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞。
そのデビュー作が『池袋ウエストゲートパーク』
『波のうえの魔術師』石田衣良 文春文庫
2001年刊行
現実にあった『変額保険』をめぐるトラブルが、ストーリーの核。
1980年代末のバブル全盛期、大都市圏の地価が高騰し、土地の所有者の相続税もあがるため、相続税を支払うため土地を手放さねばならないと言われていた。
その対策を口実にして、言葉巧みに売り込まれたのが、この「変額保険」である。
変額保険の特徴として、加入時に「一括払い」することができ、かつ一般の生命保険とは別建てで「株式運用」をするため、死亡保険金・解約返戻金がハイリスク、ハイリターンとなる。
加入者は「土地」を担保に、銀行からの融資を「一時払い金」として変額保険に入る。
結果として、借金したことにより相続税は下がり、そして保険金で払うことができる。
ーとの説明。
しかし、バブル崩壊とともに「株式の運用」が行き詰まり、期待を下回る解約返戻金で、相続税には足りないという結果になった。
さらに、銀行からの融資への利息も払えず、土地を売るか、早いうちに死んで被害を軽くするしかないという、悲惨な二者択一を迫られる高齢者が続出。
詳しくはこちらのリンクを参照。
『4TEEN』石田衣良 新潮文庫
2003年刊行。
第129回直木賞受賞作。
月島に暮す中学二年生の少年4人組の日常が描かれる。
『アキハバラ@DEEP』石田衣良 文春文庫
2004年刊行
男女合わせた6人のオタクたちが、高度な人工知能による画期的な検索エンジン『クルーク』を制作する。
アキハバラ@DEEP 予告編
映画『アキハバラ@DEEP』原作 石田衣良
脚本 源孝志、成田はじめ 監督 源孝志
音楽 小西康陽 企画協力 文藝春秋 配給 東映
製作プロダクション タイムズ イン、東映東京撮影所
製作 - 「アキハバラ@DEEP」パートナーズ(東映、東映ビデオ)
出演 成宮寛貴、 忍成修吾、荒川良々、山田優、三浦春馬、 板谷由夏、 佐々木蔵之介ほか 公開 2006年
作品の映像化が多く、石田衣良本人もいくつかの映画・ドラマに出演多数。
LOVE MY LIFE 予告編
映画『LOVE MY LIFE』原作 やまじえびね
監督 川野浩司 脚本 金杉弘子 音楽 noodles
配給 トライネットエンタテインメント、タキ・コーポレーション
公開 2006年12月9日
出演 吉井怜、今宿麻美、 高橋一生、浅田美代子、石田衣良ほか
レズビアンがテーマの映画で、石田衣良は主人公の女性の父親役。
面白いのは、この映画は石田衣良原作ではないと言う点。
『娼年』石田衣良 集英社
刊行 2001年
女性に興味がない大学生『リョウ』が、女性客対象に体を売る『娼夫』の仕事を始める。
小説『娼年』刊行から、だいぶ後になって、
映画『娼年』予告篇
映画『娼年』監督・脚本 三浦大輔 原作 石田衣良
製作 小西啓介(企画・プロデュース)永田芳弘、山野邊雅祥、藤原努、石田麻衣
製作総指揮 金井隆治、津嶋敬介
出演 松坂桃李、真飛聖、冨手麻妙、江波杏子ほか
音楽 半野喜弘 and RADIQ septet 制作会社 ホリプロ
製作会社 映画「娼年」製作委員会 配給 ファントム・フィルム
公開 2018年4月6日
原作刊行から17年後に、映画化。しかも大ヒット。
・個人的なおすすめ作品
『うつくしい子供』石田衣良 文春文庫
2001年刊行
1997年に起きた「神戸連続児童殺傷事件」をベースにした小説。
現実の事件の方が救いがなく、小説の方がまだ救いのある結末。
『LAST』石田衣良 講談社
2003年刊行
7篇の短編を収録した、短編集。そして全てのタイトルが"LAST"から始まる。
全部借金で首が回らなくなった底辺の人たちの話。
②作家『天童荒太』について
『永遠の仔』天童荒太 幻冬舎 全5巻
1999年刊行
この本を購入した経緯。
2006年に『容疑者Xの献身』(東野圭吾)を購入した際、オビに書いてあった
『このミステリーがすごい!』ランキング1位の文言。
興味を持って過去作品を調べたら、この『永遠の仔』がありました。
『永遠の仔』が2000年に1位に選ばれていて、以前に読んでいた『白夜行』(東野圭吾)が同年の2位だったので、
『永遠の仔』に興味を持ちました。
児童虐待などの家庭的な問題から児童養護施設で育った3人の主人公。
大人になって弁護士、警察官、看護師となって再会。
それぞれが過去のトラウマに悩まされ、苦しみながら、徐々に助け合いながら生きていこうとする。
・久坂優希
・長瀬笙一郎(モウル)
・有沢梁平(ジラフ)
第121回直木賞にノミネートされたが、好意的な評を寄せたのは五木寛之のみで、他の選考委員には総じて不評だった。
2000年には第53回日本推理作家協会賞を受賞。
・作家『天童荒太』略歴
1960年 愛媛県松山市出身。
明治大学文学部演劇学科卒業。
童話・映画脚本などさまざまな賞に応募。
1986年『白の家族』(本名栗田教行名義)で第13回野性時代新人文学賞受賞。
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