ジャズ・フュージョンベーシスト/ミュージシャン『ジャコ・パストリアス』について②1977~1980
『ジャコ・パストリアス』についての記事投稿第2弾です。
それと以前のジャコパス関連記事のリンク。
さらに今回の記事も、以前に書いた僕のブログ記事をもとにしています。
今回は1977年から。
1977年
『ヘヴィ・ウェザー』ウェザー・リポート COLUMBIA
ウェザーとしては8枚目のアルバム『ヘヴィ・ウェザー』から、ジャコも正式メンバーとして活動開始。
アルバムにも" Co-Producer"『コ・プロデューサー』としてクレジットされるようになります。
名実ともに重要メンバー。
今作『ヘヴィ・ウェザー』はウェザー・リポートにとっても最大のヒットアルバム。
ウェザーにとって代表作だけでなく、フュージョン/ジャズ・ロックにおいて記念碑的な作品。
1.Birdland.
このアルバムをヒットに導いた大ヒットナンバーで、今ではジャズスタンダード。
作曲はジョー・ザビヌル。
ザビヌルのキーボード演奏によるベーストラックに、のちに加入したジャコパスのフレットレスベースによる『ピッキングハーモニクス奏法』でオーバーダビング。この時のジャコのレコーディングは1テイクでOKだったという。
タイトルはニューヨークにあったジャズクラブ『バードランド』へのオマージュ。
Birdland.The Manhattan Transfer.
マンハッタントランスファーによるカバー。
Birdland.Weather Report/Manhattan Transfer.1982
1982年のプレイボーイ・ジャズ・フェスティバルでのウェザーとマンハッタン・トランスファーの共演ライブ映像。
※ジャコパス脱退後。
Birdland.Quincy Jones.
クインシー・ジョーンズによるカバー。
3.Teen Town.
ジャコパスがこのアルバムに提供した自作曲。
8.Havona.
もう一つの、ジャコパスの自作曲。
1977年
『ドンファンのじゃじゃ馬娘』ジョニ・ミッチェル
ジョニの前作『逃避行』に続いて2作目のジャコパス参加アルバム。アルバム全体はアナログ盤のして2枚組の大作。
いろんなジャンルの曲が楽しめる内容だけど、キャッチーな曲は『逃避行』の方が多い。
2.Talk To Me.
アルバムからのシングルカット。アルバム中でキャッチーな方の曲。
聴きどころはやはりジャコのベース。というか曲を聴いているうちに、耳が自然にベースラインを追いかけているはず。
1978年
『ミスター・ゴーン』ウェザー・リポート
前作『ヘヴィー・ウェザー』から間隔が空いているけど、この時期ドラマーのアレックス・アクーニャとパーカッションのマノロ・バドレナが脱退したため、代わりのドラマーを探していた。
新しく加入したドラマーはピーター・アースキン。このアルバムには他にトニー・ウィリアムス、スティーヴ・ガットという二人のドラマーがゲスト参加しています。
2.River People.
6.Punk Jazz.
以上2曲ともジャコパス作曲。ジャコパスはコンポーザーとしても存在感を示します。
特に『パンク・ジャズ』はのちにソロになってもよくプレイする重要な楽曲。
1979年
『ミンガス』ジョニ・ミッチェル
ジョニ・ミッチェルのアルバムへの参加3作目。
アルバムタイトルの『ミンガス』はもちろん、1940年代から活躍するジャズ・ベーシスト『チャールズ・ミンガス』
『チャールズ・ミンガス』の代表作。
ミンガスは、1960年代後半は活動が停滞するが、1970年代に入ると再び活動が活発化した。
ジョニ・ミッチェルは、ジャコ・パストリアス等のメンバーを従え、ミンガスに捧げるアルバム『ミンガス』を制作。
ミンガス本人もレコーディングに立ち会ったが、アルバム完成前に亡くなる。
1979年7月 アルバム『ミンガス』をミンガスへの追悼盤という形で発表。
晩年は、筋萎縮性側索硬化症で車椅子生活となり、ベースを弾けなくなったが、作曲・編曲活動は死の直前まで続けていた。
9.The Dry Cleaner From Des Moines.
ミンガスとジョニの共作。
アレンジは明らかにジャコ。
11.Goodbye Pork Pie Hat.Joni Mitchell
ミンガスの代表曲『Goodbye Pork Pie Hat』のカバー。本来のインスト曲にジョニが歌詞をつけて歌っています。
Goodbye Pork Pie Hat.Charles Mingus.
こちらはミンガスのオリジナル。アルバム『ミンガス・アー・アム』収録。
Pork Pie Hat.Jeff Beck.
ついでにジェフ・ベックもカバー。
アルバム『ワイアード』収録。
『8:30(エイト・サーティ)』ウェザー・リポート
ウェザー・リポートのライブアルバム。
タイトル『8:30』は、「ウェザーのライブは午後8時30分から開演する」というこのバンドの習慣から取った。
13曲収録中1~9まではライブ音源。10~13はスタジオ録音。
グラミー賞『ベスト・ジャズ・フュージョン演奏』部門受賞。
はっきり言って全部聴いてほしい。
強いておすすめを言うなら、
7.Birdland.
大ヒット曲『バードランド』のライブ演奏。
5.Slang.
ジャコパスのベースソロがたっぷり聴ける『スラング』
『サンライト』ハービー・ハンコック
1979年のハービー・ハンコックのアルバムに一曲のみ参加。
5.Good Question.
1980年
『シャドウズ・アンド・ライト』ジョニ・ミッチェル
ジョニ・ミッチェルの1979年の『ミンガス・ツアー』のライブアルバム。
1979年9月 カリフォルニア州サンタ・バーバラ・ボウルでの音源を使用。
ツアーメンバーにジャコパスはもちろん、パット・メセニーも加わっている。
他にもドン・アライアス、マイケル・ブレッカー、ライル・メイズなど、一流のジャズ/フュージョンメンバーが参加。
『シャドウズ・アンド・ライト』ジョニ・ミッチェル(ライブ映像DVD)
さらにこのライブアルバムの映像盤DVDも発売されています。
ライブ演奏自体が映像のサウンドトラックのように使われる演出が採用されている曲もあります。
2.In France They Kiss On Main Street.Joni Michell
Youtubeにあるライブ映像。特にパット・メセニーのギターソロが圧巻。
6.Jaco's Solo.
映像盤(DVD)のみ収録のジャコのソロパート。ライブアルバムには収録されていない。
17.Why Do Fools Fall In Love.
ライブアルバム『シャドウズ・アンド・ライト』からシングルカットされたカバー曲。
Why Do Fools Fall in Love.Frankie Lymon & The Teenagers.
こちらがオリジナル。
『ミスター・ハンズ』ハービー・ハンコック
ハービー・ハンコックのこのアルバムにも1曲のみ参加。
4 AM.Herbie Hancock.
『ナイト・パッセージ』ウェザー・リポート
スタジオアルバムではあるけれど、1980年7月にロサンゼルスのコンプレックス・スタジオにて2日間で録音されている。
そのうち2曲は、クインシー・ジョーンズなど音楽業界人も含め250人のオーディエンスをスタジオに招き入れ、ライブ形式で録音したもの。
7.Three Views of a Secret.
今回のアルバムでジャコパスの作曲はこの1曲のみ。
この曲はジャコパスが2枚目のソロアルバムをリリースした時も再度レコーディング。(そのアルバムタイトルにもなりました)
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