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【世界史】大王の後継者たち~ディアドコイ戦争~第1章 新しい国王の誕生

こんにちは。こんばんは。
RAPSCALLI😊N です。

今回もディアドコイ戦争について話していきたいと思います。

前回の記事ではアレクサンドロス大王の功績と、彼の死亡時の帝国内の状況について軽くお話ししました。

今回は彼の死後、誰を後継者にするか、アレクサンドロスの遺体をどこに埋葬するか、誰がどの領地をもらうかなどで、少しずつ亡きアレクサンドロスの部下たちが対立し始めます。

アレクサンドロス大王の死後直後、今後の帝国の方針や後継者などの重要事項を決定するバビロン会議が開かれました。

バビロン会議の中心人物はアレクサンドロスなきマケドニア帝国の一時的な後見人となっていたペルディッカスという人物です。

ここではまず誰をアレクサンドロスの後継とするかについて論争が起きました。

ここでは様々な意見が飛び交い、候補として挙がったのは

・アレクサンドロス大王の庶子・ヘラクレス

・まだその時生まれておらず妻・ロクサネの胎内にいたアレクサンドロス大王の子ども(生まれたときに男であれば)

・アレクサンドロス大王の異母兄・アリダイオス

家臣の合議制により帝国を運営すること(この背景にはペルシア人のロクサネを母に持つアレクサンドロス大王の子どもが国王になることへの抵抗があった)

最終的には、帝国の実権を握りたいペルディッカスを中心にロクサネとその未誕生の子どもを支持する派閥と、アレクサンドロス大王の下で長年戦った指揮官のメレアグロスを中心にアリダイオスを支持する派閥が形成され、お互い一歩も譲らない形で議論は平行線になりました。

そこで、メレアグロスは行動に出ます。

自分の考えに同調した数百の兵士を率いてペルディッカスを逮捕しようとしたのです。

慌てたペルディッカスは老年の指揮官・エウメネスに交渉を依頼し、ロクサネの子ども(男であれば)とアリダイオスの2人の共同摂政(2人の国王のもとで国を運営する)を条件に和解しました。

これで終わりかと思いきや、決着がついて油断していたメレアグロスとその兵士はペルディッカスの仕向けた兵によって逮捕され、メレアグロスは殺されてしまいました。

メレアグロスがディアドコイ戦争最初の犠牲者だと言っていいかもしれません。

この一件の後、敵対勢力がいなくなったペルディッカスは後見人として実権を握り、先日の合意に基づき、ロクサネの子どもの性別が判明するまでアリダイオスがマケドニア帝国の国王・アレクサンドロス大王のの後継者に就任しました。

とはいえ、これで一件落着というわけにはいきません。後継者争いでメレアグロスを殺害し、実権を握ったペルディッカスには自然と他の家臣から不満が高まっていきました。

もう少しの時を経て、ディアドコイ戦争が本格的に始まります。

参考文献

サムネ画像

Wikipedia Commons: File:Partition of Babylon 323 BC.png





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