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直角

水仙の花に変身するまえに薔薇を渡しておけばよかった

芦雪の薔薇図を見た。襖絵の画面は二分されていて、鶏図と猫図が直角に配置されている。直角に。なぜかこの構図が怖ろしくて仕方がない。直角が。大滝和子の詠んだ「腕時計のなかの銀の直角がきえてはうまれうまれてはきゆ」という歌もこうなると怖ろしくてたまらない。銀の直角が。しばらく腕時計はつけないでおこう。さらにル・コルビュジエの「直角の詩」が、直角の死に見えてくるともう末期状況なのかもしれない。わたしの住む部屋だってたくさんの直角に囲まれている。たくさんの直角。


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