仕事と介護の両立なんて…
もう親に何かがあっても職場を離れなくていい!
社会福祉士による(介護休業制度とは別の)『法人向け介護離職対策の受託サービス』
社会福祉士事務所NPO二十四の瞳では、法人向けに年中無休電話相談サービス『お困りごとホットライン』の受託サービスを開始しましました。企業に義務づけられている介護休業制度への(取得した人たちの)不評と、老親問題に対する現役世代の本音を受けての判断となりました。
介護離職対策として多くの大企業が打ち出している施策には、介護休業制度の他、「有給休暇積立制度」、「フレキシブルな勤務バリエーション」、「外部相談窓口の確保」等があります。ですが、これらはどれも「仕事と介護の両立」を前提としており、老親問題を抱える現役世代に対して「やりくりして、何とか時間を捻出して、問題解決して戻っておいで」ということでしかなく、老親問題に直接たずさわらせようとするものです。
一方で、当社の調査では、現役世代の9割超は「仕事と介護の両立は非現実的」、「親の介護のために職場を離れたくない」と考えていますし、介護休業を取得した現役世代の8割超が後悔する結果となっています。
当方としては、これまで20年間に1万件超の相談対応と2千件の個別支援を行ってきた経験から、「そもそも、仕事と介護は両立させられるものではない」という基本スタンスに立って、これからの企業には介護休業制度とは別のオプションを用意することが不可欠であると訴えていくことにしました。だって、例え親に介護が必要になったとしても、職場を離れたくないというのが、現役世代の本音なのですから。
多くの企業が確保済みとしている外部相談窓口ですが、それらは結局(誤解を恐れずに言えば)「聞くだけ番長&言うだけ番長」であり、サービス内容的に地域の公的窓口と同レベルのものであることが、調査の結果わかりました。
現役世代の声を汲み取るならば、企業から受託料を取るのであれば、相談を受けて通りいっぺんのガイドをするだけではダメ。意味がありません。問題解決に向けた具体的アクションを教えてあげるのに加え、必要であれば実務を代行してあげるくらいでないと価値がありません。
現役世代をもっとも疲弊させる「不穏行動を伴う認知症における入院先の確保」と「予算内で賄える退院後の療養先確保」、さらには相続時の争族を回避するための「財産承継の段取り」をはじめとする実務代行。さらには、老親がそなえておかなかったことで現役世代が不利益を被らずに済むよう、正しい終活の実践指導にまで踏み込むべきだと思います。
そして当然のことながら、受託先企業の従業員だけでなく、その配偶者、双方の直系尊属・直系卑属も、電話・LINE・メール等でいつでも何でも気軽に相談できるようにしたいところです。
こんな労務インフラが当たり前のように整えられた職場であれば、おそらく従業員満足はあがり、業務に集中できて生産性向上にもつながります。企業イメージの向上により、採用時のアドバンテージにもなるでしょう。ダイバーシティとサステナビリティが叫ばれる中、介護休業制度とは別の「老親問題で職場を離れずに済む」オプションは、働き方改革には不可欠の施策です。
そして……。
私がいちばん伝えたいことは、これらの老親問題全般について、相談援助の国家資格・社会福祉士であれば普通に対応できるということです。これからの企業には、弁護士・会計士・社労士等と同じように、社会福祉士とのパートナーシップが浸透していく可能性を感じます。そうなることで、本当の意味で『従業員と家族をまもる会社』が世の中に増えていくことを理想に掲げながら、活動を続けてまいります。
【参考情報】