見出し画像

知らなきゃ損する社会資源・社会福祉士 ~円滑な人生をまっとうするために~

まずは、今回の記事の結論から。

幸せな暮らしと人生を手にしたいのなら、相談援助の国家資格『社会福祉士』をうまく使うといいですよ!

以上です。

社会福祉士の存在価値って?

中学時代からの親友で、仕事で長いことマンハッタンで暮らしていた男がいます。彼の話によると、米国の富裕層の人たちは、安心・安全・快適・円滑な人生を過ごすために5人のプロを抱えているそうです。

医師、弁護士、FP。
ここまでは簡単に想像できると思います。
健康のこと、法律のこと、おカネのこと。不可欠ですよね。

神父もしくは牧師。
お国柄、魂を救済してくれる宗教家もまた必須なのでしょう。

そして、最後がなんと、ソーシャルワーカーです。
窮地に陥った時、彼らが問題解決に必要なパーツをすべて揃えてくれるワンストップのサービスカウンターとして、実に頼れる存在として重宝されているそうです。なので、経済的にも自立しています。

日本で似たような存在をさがしてみると、社会福祉士がそれに当たります。介護保険制度がスタートして、都道府県の認定資格であるケアマネ(正式には、介護支援専門員)が市民権(?)を獲得しましたが、彼らのサービス対象は、ほぼほぼ要介護認定を受けた人に特定されています。

概ね中学校区にひとつある地域包括支援センターでは、元気な高齢者の相談にも対応してくれることになっていますが、やはり現実的には、近いうちに要介護認定を受けることが想定される、「ギンギンに元気な」高齢者というよりは「どうにか自立してる」高齢者をサポートするのがミッションだと思います。

でも、社会福祉士という国家資格は、ギンギンに元気な高齢者や、65歳未満であっても何かで困っているすべての人たちの相談に対応してくれるのが良いところです。まぁ、中には例外もあるでしょうが。

社会福祉士って…何?

知る人ぞ知る社会福祉士ですが、いや、ほとんどの人が知らない社会福祉士といったほうが適切でしょうか。なので、社会福祉士を定義しておきます。

「社会福祉士」とは、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第7条及び第47条の2において「相談援助」という)を業とする者をいう。

このように、『社会福祉士法』に明文化されています。介護保険制度スタート以前は、高齢者・障害者・児童がサービス対象でしたが、2000年以降は、年齢的にも健康状態的にも、(相談に)来る者は拒まず…が実態です。

要は、日々の暮らしで困ったことがあれば、どんなことでも問題解決に向けて援助しますよ! これが社会福祉士という存在なのです。

どうしてどんなことにでも対応できちゃうのかというと、社会福祉士はそもそもが『よろず相談の窓口』(ジェネラリスト)であって、医療・法律・介護・財産まわり・エンディング等々の深い話になった時のために、地域の各界専門家(スペシャリスト)と連携ネットワークを構築しているからです。

社会福祉士はどこにいる?

ただ、世間的には、「社会福祉士って、どこで何をしているの?」といった感は否めません。数としては27万人いることになっています。医師の30万人に匹敵する多さです。中には既に機能していないとか、死んでしまったけど除籍してないとかが含まれているでしょうから、全国にざっと25万人は生息しているんじゃないかと推測します。

感覚的にいうと、80%の社会福祉士が特定の法人に勤務しています。高齢者施設、障害者施設、児童養護施設、そして医療機関です。そして、15%が行政やその周辺(社会福祉協議会等)で働いています。

さて、残りの5%ですが、福祉系の学校で先生をしていたり、民間企業に勤めていたりして、社会福祉士本来の活動であるソーシャルワークを行っていない可能性が高いです。でも、0.5%くらいは自ら事務所を構えていて、そのうちの500人程度はコンサルティングファームのような活動をしていると思います。

ですから、この500人のうちの誰かを確保できたとしたら、いつでも・何でも・気軽に相談に乗ってもらえるのみならず、実務の代行までしてもらえますからとっても便利です。日々の暮らしや人生を円滑なものにするためには、是非ゲットしておきたいプロフェッショナルだと自負しています。

独立系社会福祉士はどうやって食べてる?

一方、独立して生きている500人の社会福祉士の側に立つと、普通の日本人にはまるで馴染みのない資格ですから、独立して食べていこうとしたら、おのずと稼ぎ方は決まってきます。早い話、富裕層か診療所か、です。米国がそうであるように資産家の相談相手になったり、開業医から患者向け相談業務を受託したり…です。

かくいう私も、コロナ以前は、それ相応のシニアを組織化して、定期的に顔を合わせながら、何かしら問題が表面化した際には問題解決してあげることで生業を立てていました。ところがコロナ以降は公民館等で大々的に集うことがむずかしくなり、かつZOOMやYouTubeといったオンラインには対応できない人たちが多すぎて、数字が上がらなくなってしまいました。

そこでこの3年間は、開業医向けに、患者離れ対策新患獲得対策という体(てい)で、ワンストップ相談カウンターの受託サービスを提供することで食べています。つまり、クリニックというチャネルを通して、生活習慣病患者である高齢者がサービス対象ということになります。

社会福祉士はどこへ行く?

ただ一点、コロナ期間中に激変したことがあります。24時間365日対応の電話相談サービス『お困りごとホットライン』というのを運営しているのですが、そこに電話をかけてくる相談者がガラッと変わったのです。以前は8割が老親世代(70代・80代)だったのが、現在は40代・50代の現役世代が8割。まさにパラダイムシフトです!

だからこれからは、企業向けに受託サービスを展開していきます。建前的には従業員の介護離職対策であり、本音的には企業のブランディング対策です。

2016年に当時の安倍政権が思いつきでブチあげた『介護離職ゼロ構想』は、相も変わらず実体が伴っていません。介護休業制度の導入を全法人に義務づけたまでは若干の可能性を感じましたが、結果的には、93日間の介護休業を取得した現役世代の30%以上が離職に追い込まれているからです。

こうした真っ暗闇状態の介護離職問題に、希望の灯りをともしてあげようと思っています。介護休業制度とは別に、『社会福祉士による老親問題に係る実務代行』というオプションを用意してあげるのです。

従業員の側にしてみれば、仮に親に何かがあっても職場を離れなくて済む労務インフラが整備されることを意味します。SDGsだのサステナビリティだのダイバーシティだのワークライフバランスだの、ちょっぴりクールな言葉遊び的な機運の高まりが、追い風になると感じています。企業にとっては、企業イメージすなわち株価をアップさせることが可能な打ち手だからです。

社会福祉士としてのゴールを目指して

介護保険法が成立した時、社会福祉士の時代が来るぞ!…と早とちりした私でしたが、あの時はケアマネが時代の寵児となりました。でも今度こそ、介護離職問題の出口が見えない今こそ、介護支援専門員ではなく、自助支援専門員と称してもいい社会福祉士が、いよいよ脚光を浴びることになるかもです。

どこの企業にも弁護士や医師や会計士や社労士や行政書士らが顧問として居るように、社会福祉士が企業と顧問契約を結べる世界を実現させたいところです。

そう願い信じて、現役世代の介護離職対策受託サービスを、仕事人生最後の大事業として生きていきます。茹だるような季節のなか、足らないワンピースをさがす旅はまだまだ続きます…。

年齢のせいでしょうか。「どうして自分は社会福祉士などという資格を取ったのだろうか」と考える時間が増えました。不思議なものです…。


三島由紀夫いわく…。

結局人の幸せは、夢や目標実現に向けて努力している過程の中にしかない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?