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ジャバラのまど Vol.23世界最大のコレクション!? A World of Accordions Museum

早いものでコロナ禍も2年越し。海外旅行にも自由に行けない状態が続き、旅好きの方は寂しい思いをしていることでしょう。行けるようになったらどんなところに行こうか、今からいろいろと思いを巡らせている人もいるかもしれませんね。アコーディオン好きなら、そこで旅先のひとつにアコーディオンの博物館を加えるのも楽しいもの。
アコーディオンの博物館は世界にいくつかありますが、私がざっと思い浮かぶのはイタリアのMuseo dedicato alla FisarmonicaやドイツのDeutsches Harmonika Museum、中国の塔城手風琴博物館、以前このコラムでも取り上げたロシアのМузей русской гармоники Альфреда Мирека、それから今回取り上げるアメリカのA World of Accordions Museumでしょうか。

A World of Accordions Museum、略してAWAMがある場所はアメリカ、ウイスコンシン州。設立は1993年なので、他の博物館と比べると比較的新しい方かもしれません。もともとはアコーディオン修理技術者養成学校に付随する施設でしたが、今は1,300台以上の楽器を収蔵する博物館の他、アコーディオンリソースセンターという資料館や1,000人規模のコンサートホールを併設した世界最大級のアコーディオン関連施設になっています。楽器以外にも書籍や雑誌、楽譜、広告やポスターなどの紙資料、レコードや録音テープといった音源、それからおもちゃや人形まで、アコーディオンに関するものを幅広く収蔵しています。
とにかく物量が多く、それらのほとんどをガラスのショーケースに入れるのではなく、棚にぎゅうぎゅうに並べて見せています。まるで倉庫をそのまま公開しているかのよう。以下の動画でその一端を観られますので、ぜひご覧になってみてください。圧倒的な物量に蛇腹酔いしそう。

アメリカは移民が多いことから、その民族音楽的ニーズの違いによりさまざまな形の楽器が共存しているのですが、加えて1940~50年代にアコーディオンブームがあったため、何百ものメーカーがより弾きやすく高機能でカッコいい楽器を目指して凌ぎを削り、結果として生まれた(けれど定着しなかった)、今から見れば奇妙と思えるアイデア楽器も多いのが特徴。そうした楽器をほぼ網羅する勢いのコレクションなのです。
私が一番驚いたのは、鍵盤の上にレジスタスイッチを付けてしまったというもの。定着しなかったのも分かる気がします。
(写真は www.worldofaccordions.org/instruments.html より。このほかにも変わった楽器をいくつか見ることができます。)

図2
とにかく物量が多いので、自力で見て回ることを想像するとクラクラしそうですが、こちらの博物館ではいくつかの見学ツアープログラムが用意されており、解説やデモ演奏を聴きながら見て回ることができるそう。
実際に足を運べる時期はまだちょっと先になりそうですが、公式サイトをのぞいてみて、妄想旅行するのも一興でしょう。

A World of Accordions Museum 公式サイト

それにしても、早く世界各地に自由に旅ができる時期が来てほしいものですね。


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