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食農立国vol.2「M.A.U盛岡アロニア同盟を訪ねる」
こんにちは!広報担当のWです。
3月に入り、管内では気温もだんだんと温かくなってきました。
春の陽気が少しずつ感じられる今日この頃、おいしい農産物がたくさん実る季節が今から待ち遠しいですね!
今回ご紹介するのは「食農立国」の第2弾。
広報誌3月号でご紹介した「M.A.U盛岡アロニア同盟」代表の田村さんについてご紹介していきます。
(長くなってしまいましたが、最後までご覧いただけると嬉しいです…!)
果実の中でもトップクラスの栄養!
近年大注目の「アロニア」とは?
さっそくですが、皆さんは「アロニア」という果実をご存知でしょうか?
アロニアはバラ科の果実で、ブルーベリーやラズベリーなどと同じベリーの一種。原産地は北アメリカで、寒さに強い性質を持っていることから、主に北アメリカや東欧などで栽培され、日本には昭和51年に輸入されたと言われています。
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魅力はなんといっても、その豊富な栄養成分。
目の疲労回復などに効果が高いとされるアントシアニン(ポリフェノールの一種)は、ブルーベリーの約3倍の量が含まれており、他にも生活習慣病の予防や肌の調子を整える効果があるβカロテンや食物繊維の含有量は果実の中でもトップクラスで、その抗酸化力は食物随一と言われるほどなんです。
💡広報メモ①
アロニアは、別名「チョークベリー」(首を絞められたように渋い)と呼ばれるほど、生の果実は渋みや苦みがあるのが特徴。
これは豊富に含まれるアントシアニンによるもので、収穫後は冷凍し、そこからジャムやジュースなどに加工されています。
平成16年に盛岡市砂子沢で栽培スタート
盛岡市の中心から約20キロ離れた中山間地にある砂子沢地区で、耕作放棄地対策や農地の有効活用として平成16年にアロニアの栽培が始まりました。
昼夜の寒暖差が大きい同地区で育てることで甘みが増し、産地の高齢化が進むなかでも、樹木の高さが人の背丈ほどで収穫がしやすいという作業面での良さもあります。
現在は約10戸の生産者で構成する「砂子沢アロニア生産組合」を中心に、地域を挙げてアロニアの栽培に取り組んでいます。
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▼「アロニア」について、こちらもぜひご覧くださいね
アロニアの発信、産地・砂子沢の存続へ
生産者のもとを訪れた若き男性
盛岡市で会社勤めをしていた田村さんは、自身の食に関する興味と「直接人と関わり、役に立てることがしたい」との思いから、勤め先を退職。地元食材や健康に関することを調べていた時に出会ったのがアロニアでした。
田村さん「知名度はあまり高くないけれど、果実の中でもトップクラスの栄養を含むアロニア。名前は聞いたことがありましたが、改めてどんな果実なんだろうって。とても気になりました」
興味を持った田村さんは直接生産者と連絡を取り、砂子沢を訪問。そこでアロニア栽培について知ると同時に、生産者から聞こえたのが、高齢化による栽培の継続に対する不安の声でした。
田村さん「第一印象はとにかく自然が豊かで、とてもきれいなところ。生産者の方から話を聞くうちに、地域を挙げて栽培に取り組んでいるアロニアが無くなってしまったら悲しいなと。伺いながら、何か力になりたいと思いました」
そこから田村さんは、アロニアの浸透や需要拡大に向けて生産者との交流を重ね、令和3年4月、生産者とともに任意団体「M.A.U盛岡アロニア同盟」を結成。アロニアの第6次産業化へ向けた企画や商品開発などに向け、取り組みをスタートさせました。
「SOME(ソーメ)アロニア甘酒」の発売
”特有の渋みがあるアロニアを、どのようにしたらおいしく食べることができるだろうか”と考えた田村さん。アロニア商品の開発に向け、生産者に普段の食べ方などを聞きながら様々なアイディアを出し、製造会社と試作を重ねたと言います。
そして昨年12月に発売したのが、初の商品「SOME(ソーメ)アロニア甘酒」です。
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アロニアの果汁と岩手県産米で作られた甘酒は、「甘酒が苦手な方でも飲みやすいように」と米を発酵させて作った甘酒をアロニアと合わせ、すっきりとした優しい甘さが際立つ味わいに仕上がっています。
また、パッケージデザインにもこだわり、アロニアと甘酒の二層のコントラストがきれいに映るように細部までこだわったといいます。
さらに今月3月5日には、アロニアをはじめ、岩手県内の生産者などから直接仕入れた野菜・果物を使用した「スムージーキット(全3種)」も発売。それぞれの農産物を栽培する生産者とは、田村さんがSNSを通じて出会い、商品化しました。
田村さん「当初から抱いていた『直接人と関わりたい』という思いが実現しました。たくさんの出会いによって完成することができ、嬉しいです」
💡広報メモ②
盛岡アロニア同盟が販売する商品のブランド「SOME(ソーメ)」。名前には3つの意味が込められていると言います。
1.アロニアとの初めての出会いを示す“初(そ)め”
2.魅力が深く浸透し定着する“染(そ)め”、
3.さまざまな人や物を巻き込み、共に成長しながら育っていってほしいという”SOME(英語でさまざまな)”
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設立から約1年。現在は企画開発だけでなく、全国の展示会への参加やSNSを用いたアロニアの情報発信、そしてネット販売も開始するなど販路拡大に向けたPR活動に力を入れている盛岡アロニア同盟。
田村さん「立ち上がったばかりですが、”盛岡市砂子沢のアロニア”の魅力を県内だけでなく全国の方にも広く知っていただけるように、様々なことにチャレンジしながら継続して取り組んでいきたいです」
― 盛岡アロニア同盟、そして田村さんの挑戦はこれからも続きます―
▼盛岡アロニア同盟さんが販売するSOME(ソーメ)各商品の詳細や販売はこちらからご覧いただけます!
M.A.U盛岡アロニア同盟代表 田村さんのインタビューやその他記事は広報誌「JAんぷ」3月号からご覧いただけます。ぜひご覧ください!