星に導かれ聖誕を祝う
聖誕(クリスマス)から12日目、1月6日は東方の三博士が星に導かれイエスの聖誕を祝った。イエスの栄光が公に現れたことから公現祭、顕現祭と呼ばれるようになった。この日、東方の三博士の聖遺物が顕示されているドイツのケルンでは祭日の特別ミサがある。
ミサの後、星の聖歌隊(Sternsinger)が主祭壇に上がり、大司教から恵まれない子どもたちへの募金活動にねぎらいの言葉がある。
星の聖歌隊(Sternsinger)は、三人の博士に扮した子どもたちがクリスマスの日から家々を回りクリスマス聖歌を歌いながら世界の恵まれない子どもたちのために募金活動をする。もともとは16世紀頃から始まった慣習で、宗教改革の後、修道院が閉鎖した際に修道士たちが喜捨を乞い、貧しい学生が生活費を得るために聖歌を歌い、厚志を受けたのが始まりらしい。
ドイツでは第二次世界大戦後、1959年に約100教区で星の聖歌隊を組織し、9万マルク(現在の25万ユーロ前後、約4000万円)を集め、貧しい子どもたちの援助金に充てた。その後、1961年にドイツカトリック青年協会(BDKJ)が加わり、星の聖歌隊協会(Die Sternsinger)とBDKJが共同でキャンペーンを支援してきた。 現在、約50万人の子どもと 8万人の保護者の1万3千の団体がキャンペーンに参加している。隣国オーストリア、チェコなどにも組織は拡大している。近年、毎年約5千万ユーロ(約80億円)の募金を集める。
毎年1月6日、星の聖歌隊の代表がベルリンの首相官邸を訪れ、首相が大口(?)の寄付をする。集められた寄付金は、政府機関を通じて世界中の恵まれない子どもたちの支援に贈られている。
15世紀の画家シュテファン・ロッホナーによって描かれたケルン派の画家の最高傑作ともいわれる開閉式の二翼の祭壇画。ケルンの市議会礼拝堂のために描かれたもので、19世紀初頭に大聖堂に移された。
3人の博士たちは祭壇画の中央部分の聖母子の左右と右奥に、左翼はケルンの守護聖人・聖ウルスラと殉教乙女たち、右翼にはテーベ軍団の将校聖ゲレオンと兵士たちが描かれている。