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クリスマス、年末年始を飾る花々

12月にはいるとドイツの花屋の店頭をクリスマス、年末年始用にさまざまな花々が飾る。
ドイツ語で「クリスマスの星」、「キリストの薔薇」、「氷雪の星」、「天国の竹」、「クリスマスのサボテン」、「やどり木」、「アマリリス」、と想像力を掻き立てられるような名前の赤い花々、白い花々だ。

赤、ピンク、白とポインセチアの色もさまざま
ドイツではサンタクロースをイメージする赤いポインセチアが好まれる

「クリスマスの星」Weihnachtssternとは、ポインセチアPoinsettiaのことで「アドヴェントの星」Adventsstern,「キリストの星」 Christsternとも呼ばれる。ポインセチアは、メキシコ、中央アメリカが原産地でこの地域の宗主国だったスペインを通じてヨーロッパに伝わっている。

雪の薔薇Schneeroseとも呼ばれる
薄紫のキリストの薔薇も

「キリストの薔薇」Christroseとは、邦名キンポウゲ。11月頃から白い花を咲かせることからドイツでは「雪の薔薇」Schneerose、そしてキリストの薔薇とも呼ばれている。キリストの薔薇は常緑植物なので年中緑を保っているのでドイツで好まれる要因にもなっている。

ナンテンもクリスマスの花として人気が

「天国の竹」Himmelsbambusは、ナンテン(南天)。ナンテンとは南天竺からという意味だそうで、原産地は中国。天国の竹とは、日本の寺院の庭園にナンテンが植えられていることからドイツ名が生まれた。ドイツ語ではNandineとも言うがこれも日本語のナンテン属が由来。常緑で赤い実がみのることからクリスマスの観葉植物となっている。

クリスマスのサボテン
高さ10CM前後の可愛らしいクリスマスのサボテン

花屋で教えてもらったクリスマスの花の一つにクリスマスのサボテンWeinachtskakteenがあった。この時期、赤と白の花を咲かせるから、との店員の説明。

氷雪の星 Eisstern
クリスマス時期は白いアマリリスが好まれる
アマリリスはブーケにも
野外市場の花屋は、12月はアマリリスが主体。1本約800円。

クリスマス時期の花々で一番人気はアマリリス。赤い花、白い花、共に人気があるが、清楚、純潔を意味する白い花の方が聖母マリアの百合を想起させるためか?人気がある。学名はギリシア語で騎士(ヒッペオス)hippeosと星(アストロン)astronからヒッペアストラム。アマリリスとはギリシア神話の羊飼いの少女の名前アマリリス。少女は、神様からもらった弓矢で自らを傷つけ、流した血で花を咲かせて花好きな少年アルテオに贈ってハートを射止めた、とか。

やどり木Misteln

やどり木は、ヨーロッパでは古代から神聖な木とされ、幸運の木といわれている。冬でも落葉樹に寄生し、強い生命力のシンボル、神が宿る木と考えられた。ドイツではオーク(樫)の木を神木としていた時代があり、樫の木に宿る木が神聖なやどり木とされている。クリスマスから正月にかけてやどり木を束ねて玄関のドアにかける習慣も残っている

四つ葉のクロバーと煙突掃除人が一緒に鉢に。
煙突掃除人の他に赤いキノコが追加されていることも

クリスマスが近づくにつれ、クリスマスの花々に代わり、煙突掃除人のフィギュアが一緒に入った四つ葉のクロバーGlückskleeの鉢が花屋の店頭に。ドイツ語圏のオーストリアで発行していた新年の幸運のコインの販売を煙突掃除人が引き受けたことから、コインに煙突掃除人と新年度が刻印された。新年に煙突掃除人が幸運をもたらすということから「幸運の四つ葉のクロバー」Glückskleeの鉢に煙突掃除人を入れて販売されるようになったという。


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