05心理学

加藤孝義  心理学 1996 奥羽大学 記録尾坂淳一
教科書/加藤考義 空間のエコロジー 新曜社
教科書/性格の科学 福村出版
(心理学)

1、心理学的環境
行動的環境=物理的環境と地理的環境→動物と人間の生活空間の違い(1949年以降 ミツバチのダンス、蝙蝠の超音波)

2、感覚(五感、第六感)
a皮膚感覚
触覚25、温覚1、冷覚13、痛覚100
(二点弁別域)舌唇1㎜、背中60㎜
指 指紋により表面積が広く敏感
角膜 痛覚が鋭い(目のゴミは指にのせて痛くない)
‐蛍光灯 60ヘルツ 1秒60回 人間は42まで見分ける
幻肢 手足を切断してもその部分の感覚が残る
スキンシップ
‐子猿にぬいぐるみと針金の母を与える→いたずらにも余裕
‐与えない→いたずらにおびえるのみ
=幼児期に母に優しくされると心身ともに強くなる
=対人恐怖症(触られるのが嫌)→プール療法

b嗅覚、味覚
嗅上皮 色素が関係 茶色ほど鋭い(犬、黒人など、白衣は匂いがつきにくい)
異性の匂い=攻撃性を下げる
ばかになりやすく復活しやすい感覚
味盲、異味症
対比現象 一つの感覚だと曖昧だが比較するものを入れるとはっきりする(香水に悪い香水を混ぜる)
中和 A×(-A)
混合 コーヒーのブレンド

c時間感覚
リズム感覚
感覚器官がない
人間にとって8秒が一番正確にとらえられる
短く(長く)感じる 感情、体験などで変化 相対的

d睡眠
REM睡眠=目が動いている 浅い眠り=夢
Non-REM睡眠=目が停止 深い眠り
レム睡眠の頂点とノンレム睡眠の頂点=ヒト90分、ネコ30分、ネズミ10分

e感覚の特性
順応(慣れ)がある=感度が悪くなる
域=感覚域、弁別域、
Fechner 1860年「E=ClogR」
異方性 月が大きく見える 人によっては四倍に見える
網膜像の方向、環境の方向 左右の分からなくなる病気はあっても上下の分からない病気はない
心理的回転(メンタルローテーション)鏡を見て左右逆とは思わない
距離感 生理学的要因=片目2㍍両目20㍍、心理学的要因=視差、幅輳、肌理、明るさ(暗い方が遠く感じる)、色(黄赤は近く青黒は遠く見える)
認知スタイル 場の独立型、場の依存型
視野闘争 二つの絵を同時に見せると見慣れた方が見える

3、右半球と空間の認知、行動
脳=左右二憶本の神経で繋がる
右脳→左目、左脳→右目
切離脳患者 認知できるが行動できない、行動できるが認知できない=右脳と左脳では異なる仕事をしている(側性分化)
右=全体的同時的(空間)感覚の脳
左=分析的継時的(言語)論理の脳(左利きで脳が反対の人もいる)
視野の優劣 右=文字→左脳、左=絵→右脳
行動の非対称 トラック競技は左回り、バイクは右に曲がりにくい、左側通行が好き、(動物に右利き左利きはない)
(人間は言語中枢を発達させた→大部分が右利き)
(右の文化=非合理主義、左の文化=合理主義)
print「右脳型左脳型テスト」出典不明

4、人の印象
=加算的に形成
アッシュ「中心特性」あたたかいつめたいの「核」
内向性
初頭効果 悪い情報の方が印象に残る
自己開示性 女性の方が高い、アメリカが高く、日本ドイツが低い
S型 分裂気質
Z型 躁鬱気質
E型 粘着気質
他人の見える人 成熟性(心理的余裕)、類似性がある人ほど分かりやすい(ない人=ステレオタイプ)、投射(自分の欠点を他人に探す)、後光効果(ハロー効果)

5、人間の空間
a人間尺度論
個人空間(パーソナルスペース)対人距離 心理的なわばり 一般に2㍍
親愛距離0~45㎝
個人距離45~120㎝
社会的距離120~370㎝
公衆距離370㎝~

卵型の空間
女性子供はあまりない
囚人 後ろが広い
外向的な人 狭い
対人恐怖症 広い
正式に結婚したカップルとそうでないカップル→自分の場所をつくろうとする傾向が強い

突然「電話を貸してください」と訪問する実験
N.Y. 男12 女40
田舎 男40 女100
着席の距離、視線→向い合わせ=緊張

b空間のイメージ
子供の飛び出し 大人の感じる距離より1.5~9倍の距離に感じる
大人になって校庭を見る「こんなに狭かったんだ」
都市のイメージ
=距離の推定(時間距離、経済距離、文化距離、急行距離)
=SD法「形容詞で言ってください」(新しい、古い、早い、遅い、)
print「大学までの通学路を記憶で書き出させる」出典不明
=図1node(交点)型の認知地図
=図2場所型の認知地図
=図3node型+場所型の認知地図
=図4貧困型の認知地図

c特殊空間
感覚遮断(五感に刺激を与えない)
→感覚の鋭敏化、思考力の低下、想像力の活性化(幻覚)、脳波の徐波化、自我統制力の低下、時間単位の長化(短く感じる)(感覚37時間実際48時間)
刑務所
軽罰の人→規則破り→適応、おとなしくなる
刑期の長い人→適応→ぼけやすい、退行、鈍麻→拘禁性(心気症、神経症、ノイローゼ、ガンゼル症候群)

‐‐‐‐‐‐‐‐前期

パーソナリティ(人間、人格、仮面)の心理学
性格心理学
気質(体と心理)
人格心理学
大陸の心理学(ドイツ、フランス)遺伝的、素質的
アメリカ、イギリスの心理学 環境的、経験的
「心理学」1860年頃から独立した学問
(日本=ドイツ心理学→戦争→アメリカ心理学)
「定義」オールポート1961
パーソナリティ=個人の特徴的行動と思考を決定している個人の生理的心理的諸システムの力動的体制(生理学と心理学のバランス)
ギリシア時代 アリストテレス観相学、ガル 骨相学、テオプラストス 30の特性
ペンフィールド 脳の局在
print「スプルツハイム骨相学八世紀の脳図と現在の脳図」今田恵「心理学史」岩波書店

6、パーソナリティの構造(類型論)
a体液励理論 多血気質、憂鬱気質、枯血気質

bフレッチマン
体格と精神
躁鬱病=66.6%肥満
分裂病=50.3%細長
てんかん=28.9%筋骨型

cシェルボン
内胚葉型(内臓)活動的
中胚葉型(骨筋肉)自己主張が強い
外胚葉型(脳、神経)ひかえめ

dユング
メンタルエネルギー
内向性と外向性 エネルギーの向き
チャンネル(エネルギーの使われ方)思考(外的exダーウィン、内的exカント)、感覚、感情、直感、
ペルソア(仮面)意識
アニマ(内心)無意識

eシュプランガー
価値志向
‐理論人
‐経済人
‐権力人
‐社会人
‐審美人
‐宗教人
S型 分裂気質 自分の世界に生きる 冷たい 感情の波なし 見すかした態度 何考えてるか分からない 友人少ない 判断が独自
Z型 躁鬱気質 他人と生きる お人好し はしゃぎ、落ち込み リーダーシップ おっちょこちょい 友人多い 感情的
E型 粘着気質 社会通念に生きる 常識人 感情がしりあがり 手堅い 体力主義 儀礼的 社会的判断
H型 ヒステリー
N型 神経質
→普通の人は混合している

fシュナイダー
精神病質人(正常と異常の間)→ヒューマンセンスの欠乏、自我坑進、抑制心の欠如→反社会的行動→心疑症(自分を責める)強迫症(強迫観念)
‐発揚情性病質人 お調子者で周囲に迷惑をかける
‐抑うつ情性病質人 小さな事を気にして周囲に迷惑をかける
‐情操欠乏情性病質人
‐意志欠乏情性病質人
‐気分易変情性病質人
‐熱狂情性病質人 闘う熱狂人(優格観念)、風変わりな熱狂人(度が過ぎる)
‐自信欠乏情性病質人 生気がない、無気力
print「タイプテストとYGテスト」出典不明

7、パーソナリティの構造(特性論、因子論)
下からの方法 アメリカ 経験的
上からの方法 ドイツ 類型論
MPI 内向と外向
MMPI 人格目録、外面的

aアイゼンク
類型+特性 内向か外向かが大きく分ける方法
内向=持続性、硬さ、主観性、羞恥心、易感性
外向=活動的、衝動性、活気性、興奮的、社会性
print「アイゼンク パーソナリティの階層組織」「性格の科学」参照

bパーソナリティ=タイプ、特性、習慣的反応、個別的反応
因子分析=一般、グループ、特殊、誤差
認知=イデオロギー、態度、習慣の意見、個別の意見
print「アイゼンク組合わせ理論の図形と模型」出典不明

c状況性格論争
タイプテスト=他人との比較→標準化、統計の必要

8、パーソナリティの形成
aレビン
場の理論 ベクトル心理学 分析幾何学
踏切=動いて見える(距離)
Aを消しBを点ける=倒れたように見える(時間)
-S1→人←-S2 目的勾配仮託 目的が迫ると緊張する、嬉しくなる=緊張システム
ジョルダン曲線=厚さ=薄いと切り換えが早い、厚いとかたい(→退行現象)狭いとオープン、広いと閉鎖的
print 「stagner人格の構造」出典不明

bフロイト
精神分析の創始者
「層理論」
イド 本能 快追求の原則
エゴ 本能 現実原則
スーパーエゴ 理性、良心

cロータッカー
大脳新脳(人間的)
大脳旧脳(動物的)興奮と抑制
逆行性健忘 昔の事は忘れないが新しい事は忘れる
自我層
(人の層)ー魂ある深部人
動物層  ー深部人
植物層
生命層

dヤスパース
自我(エゴ)=能動性、単一性(自分は一人である)、同一性(時間的に自分を一人である)、自他の識別
「自我障害の病像」
自分が「する」という意識の異常
‐実行意識の喪失
‐作為体験(思考の奪取、吹込)
‐強迫体験(強迫観念、儀式~しないと眠れないなど)
自分が「ある」という意識の異常
‐自己存在感の喪失
‐憑依体験
‐恍惚状態(多幸症)

「自分と環境の関係の変化」
自分の区別の希薄化
実在感の喪失
有情感の喪失(外界実在感)
妄想知覚(錯覚を追及)
孝想察知
「自分が変化した意識の変化」
人格変化
自己分裂状態
自己同一性の変化
「身体的に自分を感じる意識」
身体の現在意識
生命感の喪失
身体的影響体験
自己幻視

eパーソナリティの構造
‐‐‐‐‐主体としての自我
自我エゴ<
‐‐‐‐‐客体としての自己(自分のイメージ)

第一反抗期 2~4歳に発生
第二反抗期 思春期で確認
print「ハヴィガーストの発達課題」ハヴィガースト「人間の発達課題と教育」

「自分のイメージ」

自我拡大、自我縮小
自己評価過大、過小

自己洞察

自我防衛機制、自我関与
エリクソン自我同一性 対 自我拡散 「自分はなんだ」
print「エリクソンの展望図」エリクソン「自我同一性」

9、遺伝と環境(欠席)

10、人間観の推移
aフロイト 精神分析学(無意識論)
後催眠現象無意識の行動について自分で動機をつける
精神錯誤 無意識に本音が出てしまう
リビドー論的発達説(リビドー 生・性の衝動、エロスの本能)+タナトスの本能(死の衝動)

器官愛
口唇愛期 0~1歳 吸う噛む快感→固着→口唇愛性格
肛門愛期 排泄の快感 トイレトレーニング
男根愛期 7歳位 体型→同性愛→エディプスコンプレックス
潜伏期 7~12歳 性のタブー→昇華(エネルギーの転換)
性器愛期 異性愛
「固着」フロム社会学「自由から逃走」
受容的性格、搾取的性格、貯蔵的性格、市場的性格、生産的性格、→新フロイト派

bアドラー 医学(新フロイト派)
劣等器官→劣等感→補償 優越への欲求(未来に生きる)
(フロイト=決定論、過去に決まる)

cホーネイク(新フロイト派)
親子関係の満足感、安全感
↓親の先取り、過保護、約束を守らないなど
不安→回避→対策→習慣化
同調の欲求 受容的性格
対立の欲求 闘う熱狂人
孤立の欲求 自閉症
→バランス(調和)

11、パーソナリティと文化
文化人類学ベネディクト「菊と刀」
ミート「社会的性格」育てられる側の論理を知る「ほめる」

適応と不適応
適応異常 自我防衛機制<葛藤<神経症<精神病
自我防衛機制=合理化、抑圧(無意識化→病気への逃避)、昇華、逃避(白昼夢、現実逃避)、退行、投射、
葛藤=接近・接近コンプリクト
‐‐=接近・回避コンプリクト
‐‐=回避・回避コンプリクト (目標勾配仮設)
神経症=ノイローゼ 失行症、失声症、失認症
‐‐‐=環境神経症 留学パニックなど
‐‐‐=性格神経症 
‐‐‐=特有症候群(森田療法 動きたくなるまでじっとさせる)

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐後期