詩)吉増剛造×佐野元春を受けて
生きていることへの、この狂おしく愛しい嫌悪感よ
僕は一体、これをどのように持て余したらいいんだ
両手いっぱいの花束のように嬉々として持てばいいのか
しかしこれはほとんど危機に等しい
この感覚は僕のものじゃない
この感覚は僕のものじゃない
ここに滲むは夜空に炸裂した
明滅するピリオドの群像
言い切ることへの躊躇いを、どうして知らぬかこの馬鹿たれよ
塔よ、あの塔よ
最大速で縦から不細工に裂けてしまえ
音を立てる権利もお前にはないだろう
一瞬の夢のように
己などいらぬことを木の如く悟れ
人類が興じるは
この宇宙の一瞬を間借りした
しみったれた数千年の自涜
象の方がよっぽど
立派な咆哮を炸裂させている
しおれながら、しおれながら。
塔を立てず、塔を立てず。
爆破することをもって、その花束を
あらんかぎりの生命へ贈れ。
気後れするお前など、はるか後方へおいやってやるべし。
出会いはこれからだ。
出会いはこれからだ。
出会いは句読点と共に到来するべし。
その着火点に、遥か雄大な故郷を思え。
さあ、ずっと向こうに思われた最大速の言語大陸が、
遥か彼方より上陸してくる!
消えた。その瞬間にも、気づかないうちに。