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詩のスケッチ13)『優しさのすべて』を受けて
(※以下、若干ネタバレ注意?)
優しさのすべてなんてもらっちゃったら
気が狂って死んじゃうからさ
こちとらマグロじゃねえんだ
たまには休ませろ
ばかヤローこのヤロー
冷たくもない、温かくもない、
そんな生ぬるい風に吹かれて
ただあてどなく
一緒にふらふら夜道を彷徨いたいだけなんだよ
ばかヤローこのヤロー
幕引きなしの拳銃ごっこ
だあれも終わらせてくれない痛み分け
あっちこ
対訳詩)The Score Silence Orchestrates:沈黙の楽譜
Listen, silence orchestrating the echoes.
聴こう、沈黙が谺を束ねるのを。
The wind weaving the ripples,
さざなみを織りあげる風、
The stars humming a lullaby at lull in the darkness,
暗闇の合間で子守唄を奏でる星々、
The clouds floating acr
詩のスケッチ11)震える秒針
泣き疲れて萎れた秒針が無謀にも進む
ありふれた幸せが不遜にも空を包む
かきくらす何某かの不運に微笑むのは誰
かき鳴らす糸雨の微震にすくむのは黄昏
※かきくらす:掻き暗す。①(雨雲で)空を暗くする②悲しみに心を暗くする
詩のスケッチ9)水彩の記憶
雨に濡れた窓。
雨に濡れた窓越し。
雨に濡れた窓越しに見る。
雨に濡れた窓越しに見る景色。
雨に濡れた窓越しに見る景色はなんで。
雨に濡れた窓越しに見る景色はなんであったって。
雨に濡れた窓越しに見る景色はなんであったって美しく。
雨に濡れた窓越しに見る景色はなんであったって美しく見える。
雨に濡れた窓越しに見る景色はなんであったって美しく見える気がする。
思い出。
それは朝露に濡れた草花の香り
詩のスケッチ8)星の狭間に、鯨の背中をみた日には。
君を思えば
星々の狭間をのびのびと泳ぐ
鯨の姿が見えるのはどうしてだろう
暗がりに浮かぶ、星々が美しい
そして光っているのだ、君の姿も
幸運にも君の姿を見た人は、
不思議と温かい気持ちに包まれる
自身も光であることに、
気づかせてくれる
君が行く先々に、咲きほこる花々が見える
君が行く先々の、光り輝く航路が見える
とっておきの光をひとつ見つけた、いま
君はその光と一緒に、
詩のスケッチ7)寂しさ
ついつい自分のことを自慢げに話してしまうあなた
それは、寂しいということ
ついつい素敵な人を眼で追ってしまうあなた
それも、寂しいということ
ついつい日々の仕事に物足りなさを感じてしまうあなた
やっぱり、寂しいということ
ついつい美味しいものに手が伸びてしまうあなた
これまた、寂しいということ
なにか目標をたてる、そしてやり遂げるあなた
そいつもまた、寂しいということ
休日にさ
詩のスケッチ6)なにもないとは言うけれど
口をそろえて
誰も彼もが言うのです
ここにはなんにもないと。
不思議なくらい、
どこにいっても、
口を揃えて皆がいう。
大都会であろうと
はるか半島の先っぽであろうと
あたたかな海に面した街であろうと。
老若男女
誰もがいう。
つい口をつく
この「なんにもない」が
根差すのは
謙遜、
遠慮、
それとも強欲?
隣の芝生はみな
ただひたすらに
青く見えるのか。
詩のスケッチ5) 世界って美しくないじゃん
もういっそうっちゃりたいんだけど。
いい加減誰かに世界は美しくなんてないだよっていうことを大っぴらに語ってみせてほしんだけどどうなのその辺本当のところ。
偽善につぐ偽善ばかりで成り立つことを誰が正面切って取っ組み合ってそれを必死の思いで子どもたちに伝えるのどうなのその辺本当のところ。
胃が痛むというか穴が開きそうというかもはや破けそうなくらい怒っているんだけどこれってただヒステリックだなあく
詩のスケッチ4) a sense of wonder.
ただ誰かの背を受け止める
ベッドだけが置いてある部屋。
なだらかな凹凸が認められる白い壁(コツコツ叩いてみたい)
叩けば古ぼけた音がする木張りの床(優しく踏み鳴らしたい)
四方の壁のひとつだけを占める窓(少し離れて外を眺めたい)
オレンジ色のカーテンを開ける(多分少しだけ埃っぽい)
柔らかな陽が指す(多分ちょっと温かい)
そして
ベッドの脚に影が膨らむ。(そっと触れてみたい)
た
詩のスケッチ3) 哀しき人
自分の孤独に無自覚でいる人。そんな人のそばにいる時ほど、哀しいことはない。
孤独に無自覚な人は、寂しさに無自覚だ。そしてだから、それを埋めようとしていることにも無自覚だ。
たちが悪いのは、それが他者を利用している場合。他者を利用していることにも、もちろん無自覚。
さらにたちが悪いのは、その他者が弱き者であるとき。はてはそのなかに、傷つく者がいるとき。目も当てられない事態に、あてがう言葉も感情