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OH!へんろ。親子の88か所巡り(74番札所):医王山 甲山寺(香川県)
わたしが、子どもたちと決めた今回のお遍路ルールは一つだけ。納経所で御朱印をいただくのは子どもたちの役割ということ。ちゃんと挨拶をして、御朱印をお願いし、最後はしっかり御礼をする、です。
今日の煩悩:
8月中旬に投稿したアメリカの国際誌から論文のマイナー・リヴィジョン(Minor revision)の知らせがありました。3か月ちょっとですので、まあ、早い方です。マイナー・リヴィジョンは、論文審査に当たった複数の審判(査読者)から助言を受けた編集者(エディター)が「指摘に沿って軽微な修正をすれば掲載してあげるかもよ」というお知らせです。
オンラインの投稿システムから原稿をアップロードすると、雑誌の担当者が「分野はあっているか」、「雑誌に適切か」、「形式はあっているか」、「英語は大丈夫か」「誤字脱字とか雑じゃないか」とかを調べます。ここでいかりや長介な感じで「駄目だこりゃ」と言われると、デスク・リジェクト(受付でお断り)としてお知らせが来ます。ここで早めにお断りをされることも、親切さのうちです。他の雑誌に早くに投稿できますから。
論文の分野に応じて担当編集者が任命されます。すると、投稿システムに「担当編集者が決まりました」と表示されます。担当編集者は、2,3名の研究者に投稿論文の審査を依頼します。審査員が確認作業を始めると、投稿システムに「査読中(Under review)」と表示されます。
審査時間は雑誌によってもまちまちですし、査読者によってもまちまちです。数週間で判断されるものもあれば、査読のやり取りが終了するまでに1年近くかかるものもあります。この作業がとても早いことを「売り」にしている電子版の雑誌もあります(ちゃんとしているところと、そうではないところもあります)。
このやり取り、だいたいですね、複数の雑誌との関係を常に抱えているのが研究者です。楽そうに見える(かどうかは知りませんが)大学の教員が精神的に疲れた顔をしている時はそうしたストレスからかもしれません(笑)
審査員からの質問に対するお返事のやり取りは、先に提出した論文よりもボリューミーなお手紙になる場合もあります。相手の気持ちを逆なでしないように丁寧に反論したり、統計作業をやり直したり、英語下手だねというコメントにも「こんな風に直してみました」と大人な対応をします。
今回も「ああ、また往復書簡の時期が来ましたね」と思って2名からのお手紙を見ると、箇条書きでいくつか書いてあります。
「イントロの構成、いいじゃん。背景や課題も分かりやすいし、オープンクエッションが明確に書かれていて、いいよ。英語も合格だよ。ディスカッションのところに短くで良いんで、他で実験した場合の予想や課題を付け加えるといいよ」といういつもより優しいテイストの言葉が並んでいます。
箇条書きのコメントや質問に逐一回答していくのがルールなのですが、「いや、ど、どーもありがとう」という短い返事しか書きようがないコメントが並んでおります。「いいのかな、なんかの罠かな」と、疑ってかかってしまう性根に煩悩がにじみ出てしまっているのでしょうか。
しかし、よくよく考えてみると、こんな大変な作業を日々していても、お金になるどころか、むしろ出費が増えるのが普通です。論文を投稿するのに投稿費が必要な場合もありますし(もちろん投稿の段階では無料のところも多い)、アクセプトが決まって出版する際に、オープンアクセス化(みんなが読めるように設定する)するには十数万円から数十万円のお金を支払うわけです。研究費をたくさん獲得している人はそこから支払えますが、あまり研究費が無い人は持ち出しになります。
ここに20万円あるとします。これしかありません。その時に「あの最新家電を買いたい」「iPhone買い替えたい」と考える人にとって研究者はとてつもなく割に合わない仕事になります。それでも、やってしまう研究者は、・・・・まあ、そんな人です。ある意味でしあわせな人たちです。
さて、お手紙を書こう。
御詠歌:
十二神味方に持てる戦には 己と心かぶと山かな
本尊:
薬師如来
創建:
平安時代初期
真言:
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
歴史:
縁起によれば、弘法大使は嵯峨天皇の勅命を受けて日本最大の溜池「満濃池」の修築工事を監督する別当に任命されました。弘法大師は甲山の岩窟で修復工事の完成を祈願し、薬師如来像を刻んで修法しました。大師を慕って人々が集まり、わずか三ヶ月で工事を完成させました。この功績により、朝廷からの褒美をもとに、薬師如来を本尊とする寺院を建立しました。
所在地:
香川県善通寺市弘田町1765-1
駐車場:
あり