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天国と地獄

見たことが無いが、よく話題になる言葉に『天国』、『地獄』がある。
日常生活的には、全く関係のない言葉で、気にすることはない。
突然、「『地獄』とは何か」に囚われている。

日本には古来、『天国と地獄』のような考えはなく、『古事記』には伊邪那美命は死後黄泉の国へ行ったと記載され、神であっても死んで体は腐敗していくと表現されている。

日本人の考え方は、神(偉大な力)も自然の一部であり、死ねば自然に帰る。我々人間も自然の一部であり、死んだら自然に帰る。というふうに考えている。

神を自然の一部と考え、全空間に神性を認め、八百万の神と表現した先達の知性に尊敬の念を覚える。

歴史を調べると、西洋では神を作り出し、この『神』に人々を従わせようとした。
支配しようと目的にした人々に同じ価値観を持たせるために聖典とする教義を整え、これを宗教と名付けた。
その聖典を信じ同じ神に従うものを仲間と認め、従わないものは抹消し、他民族を侵略するための道義とした。

人々を単純に従わせるために、宗教は、善いことをすれば天国へ行き、悪いことをすると地獄に落ちる。と教義を整え、人々の恐怖感を煽り立て、宗派に帰依するように扇動したようだ。

この『天国と地獄』という発想はどこからきたのだろう。


どうやら宗教から派生したものだと考えられる。もちろんここで言う『善悪』は、その宗教が決めたものに限り、他の宗教が決めたものには『善』は無く『悪』とみなすのが通例になっている。

誰も経験したこともない、知らない概念で『善悪』を決めて人を従わせるのだから宗教に関わった人は大変な経験をしていると思う。

宗教でいわれる神や仏は人間の脳が作り出したものであるので、人間より高等なものが存在することはできない。

自然は人間を作り出せるが、人間は自然を作れないのだ

オッフェンバック作曲の『天国と地獄』は楽しく美しい曲だが、人間に押し付ける『天国と地獄』は、この程度にしておいてほしい。

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