新しい楽しみ
雅楽の練習を始めて5年以上になる。
管は龍笛だが、先生に師事して、ようやく『青海波』までたどり着いた。
雅楽は図からわかるように、1500年ほど前にタジキスタン、アフガニスタンやインド、ベトナム方面から日本に伝わった『唐楽』と高麗、新羅、百済方面から伝わった『高麗楽』に大きく分類される。
1300年ほど前に、日本風にアレンジされ宮廷音楽とされたのが日本の『雅楽』である。
インド政府からの招待でインドで演奏をしたことがある。現地の楽人といろいろ話をしたが彼等は笙や篳篥は演奏できたが、誰も龍笛を演奏できないことに驚いた。歌口の穴が大きいのだ。
その時の経験から、龍笛は日本独自の楽器ではないかと、感じている。
『青海波』を練習していて、先生に「この曲は源氏物語に出てくる有名な曲です」とご教授いただき、源氏物語に興味を持つようになった。
調べてみて驚いたことに源氏物語はバックに雅楽が流れていたのだ。しっかりとした音楽知識に裏打ちされた、紫式部の筆は素晴らしい。
源氏物語は、雅楽を聴きながら読むと、より深い共感が生まれると思う。
文中に出てくる『青海波』、『迦陵頻』、『皇麞』、『太平楽』は演奏できるが、まだ習っていない十数曲はこれからだ。
あの大部の源氏物語が、このような美しい雅楽に支えられていたのだと発見できたことは大きな喜びである。
雅楽を演奏することによって、当時の雰囲気を味わえることは新しく発見した楽しみである。