飛騨牛
久しぶりに夕食をすき焼きにした。
肉が苦手だった妻が美味しそうに食べている。美味しいものをいただく幸せを感じている。本当に飛騨牛は美味しい。
数年前、香港に住む友人から飛騨牛を香港で売りたいとの申し出があった。あらゆる伝手を使って販路を見つけようとしたが、全く入り込む余地がない。きっちりとした流通ルートができていて、そこを通してでないと売れないとのことで、すでに香港には販路があるとのことだった。
流通がしっかりしているということは、品質も保証されているということで、本物の飛騨牛は変わるものがないほど美味しい。
香港の友人も、他の産地のものはいくらでも香港で手に入るから要らないとのことで、この計画は中止になった。
この美味しい飛騨牛を食べながら、この飛騨牛『安福号』を作り出した小川さんのことを思い出した。
小川さんが亡くなられて久しいが、県の参事をなさっているときに薬剤師のK氏とタッグを組んで飛騨牛の開発に取り組んだそうだ。
冷凍精子をどのようにして受精させるかを面白おかしく説明してくれた。「肩まですっぽり入ってしまうよ」と笑いながら話していた顔を思い出した。
小川さんは『安福号』が産出されてからすぐに中途で県を退職されている。男気の強い小川さんだったから、退職理由は絶対に口にしなかったが、産出した飛騨牛の利権が絡んでいることは誰でも類推できる。
曲がった事が嫌いだった小川さんと一緒に、飛騨牛のレストランへ同行させていただいたが、どのお店でも歓迎されて、みんなに好かれていたことがよくわかった。
特に『ブランチヒロノヤ』という大垣のレストランが今でも忘れられない。
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