人に似せて神を作った
古代に人類が発生してから、時代の経過とともに経験や技術の積み重ねに伴い種々の職業が定着する様になった。
職種によって考え方や価値観も違ってきたので、為政者としては、民衆に共通認識を持たせることを図った。
即時的で効果が有ったのが宗教だった。
仮の権威を作り上げて、その権威者を神と命名し、自分がその神の第一信奉者になる。そうすると、自分が神の次席になり、事実上の最高権威者となる仕組みだ。
民衆には一切の疑念や知的な考察はさせないように教義をでっちあげる。
それを宗教と命名し、帰依を強制し、不服従のものを排除した。
人民が自分達の思考を表現できる場面を奪ってしまっている。うまい支配方法を考えたものだと感心する。
更に学校組織を作り、先人、先賢の知識、教義を教え込む。
自分の思考を停止し、先人の知恵を敬い、為政者の命令に従うものを行政官として任命した。
為政者にとっては、実に素晴らしいシステムだ。
この原理を勉強した世界各地の為政者たちは、各地で自分達に都合の良いシステムを作り始めた。
宗教を積極的に取り入れたり、何々主義と呼ばれる排他的な思想を注入した。
世界が小さいうちは、地域内の宗教や主義でうまくことが収まったが、交通機関や通信手段の発達で、世界が広がり国際交流が盛んになってきた。
世界各地で人間が、ご都合主義でこしらえた神が溢れかえっている。
世界の紛争は、この神々の争いが原因だと思われる。