雅楽
立冬も過ぎたので、調子は盤渉調(ばんしきちょう)だな、などと笛譜を眺めている。
盤渉調はBmに似た感じで、少し暗い感じがする。晩秋から冬にかけて雰囲気がピッタリくる。
曲目には千秋楽、白柱、越殿楽、青海波などがある。
青海波は源氏物語の中で藤壺の前で光源氏と頭中将が舞う有名な曲だ。
2年ほど前、東京楽所の演奏で聞く機会があったのを思い出している。
日本雅楽は日本独自の音楽化なのだが、中国や、韓国の音楽が伝わってきたとの言い伝えもある。
六調子の中に太食調という調子があるが、中国古典を読むと、太食と書いてタジクと読んでいる。タジキスタンのことだ。
今になって理解できたがタジキスタンの曲がシルクロードエを伝わってきて、日本で、編曲されたものだ。
インドでの演奏会でタジキスタンの歌と踊りを観たが、早いアップテンポの曲だった。それを日本流に長〜く伸ばしていったのだろう。
701年、大宝律令 治部省に雅楽寮(うたまいのつかさ)設立、840年に平安雅楽が設立された。このようにして世界のどこにも無い日本独特の雅楽が出来上がった。
1300年も続いているオーケストラは世界に誇れるものだと思う。
昔、見た中国映画の時代劇「黒衣の刺客」に、雅楽演奏シーンがあったが、明らかに、舞台設営が中国式で演奏曲目「春鶯囀颯踏」と全くそぐわないので違和感を感じたことがある。