今年の2歳戦から見るコーナーの回りと手前に関する考察 2. 2歳G1上位各馬について(阪神JFレシステンシア、朝日杯FSサリオス)
阪神JF、朝日杯FS、ホープフルS上位馬のうち、レース中の手前の扱いから何か読み取れそうなものがある馬について考えていきたいと思います。
まずは阪神JFから、1着のレシステンシアはかなり頻繁に手前を替えていました。
右手前で入った3コーナーから後を書くと
左手前 3~4角
右手前(回転襲歩) 2完歩 4角
右手前
左手前(回転襲歩) 9完歩 内回りとの合流地点過ぎまで
右手前
左手前(回転襲歩) 5完歩 残り1Fまで
左手前
右手前(回転襲歩) 1完歩
右手前
左手前(回転襲歩) 1完歩
左手前 ゴールまで
手前、回転襲歩、交叉襲歩については以下より
基本的に手前替えというのは後肢、特に反手前後肢の力をたくさん使うため、余裕がない状態ではできなくなることから、この時のレシステンシアに余力があったということはレース内容も合わせれば簡単にわかります。ただ、ここで注視したいのは、太文字の部分です。手前替えの際の回転襲歩が9完歩とかなり手こずっているうえに、その後手前を右に戻してしまい、結局手前替えは完了されませんでした。ここから考えられるのは、左後肢に痛みを感じていた、あるいは、右手前が好み、ということの2つとなります。しかし、現時点で故障等の話は無いことから、右手前が好みであるというのが原因だと考えることができます。
過去のレースも見てみると、新馬戦(京都)では手前を頻繁に変えることは無く、直線で右から左への手前替えは4完歩を要していました。ファンタジーSでは阪神JFと同様の手前替え損ないがあり、これも右から左に変えられず、6完歩の回転襲歩を挟んで右手前に戻してしまいました。
過去のレースを見ても右から左への手前替えが上手くいかず、右手前が得意であることが読み取れるため、今のところ右回りしか経験はありませんが、左回りでも問題なく、むしろ左回りでよりパフォーマンスを上げてくる可能性もあります。
桜花賞に向けて、チューリップ賞を使ってくるのであれば、そこで手前替えがどれだけ上手くなっているのかを見ていきたいところではあります。
朝日杯FS1着のサリオスについて。
デビューから2戦、東京を使ってきたのは、厩舎側が左回りの方が良さそうだと感じていた可能性もありますが、大型馬であることから広いコースの方が良いと考えていた方が大きいのではないかと感じています。というのは、ここ3戦の走りを見ると、新馬戦(東京1600)ではコーナーを左手前で抜けた後、ゴール寸前まで手前を替えずに走り切っていました。サウジRC(東京1600)では直線残り500mの位置で手前替え。朝日杯FSの最終追い切りで手前を替えず、直線も右手前で走っていたことから、右から左への手前替えに少し不安がある可能性を否定できませんでしたが、本番では残り300mで手前を替えていました。加えて、3レース全てで右から左、左から右の手前替えを回転襲歩1完歩で完了しており、手前替えに関しては特に問題ないというところを見せてくれました。おそらく、直線に入ってからも手前を替えないというのは、回りの得手不得手や手前替えの問題ではなく、余裕がかなり残っていることの現れだと考える方が妥当なのではないかと思います。実際、新馬とサウジRCの6F通過タイムを比較すると、新馬の方が4秒遅く、この道中の追走ペースが直線での手前替えのタイミングに影響したと考えることができます。朝日杯の様子を見ても、成長分を加味すれば、右左関係なく2000mまでは特に問題なくパフォーマンスを発揮すると思います。
次はホープフルSについて見ていきたいと思います。