ルーブル美術館展にまつわる個人的な今更と結局
それを今この21世紀に…
敢えてだとしても【愛】ってタイトルにまとめちゃうか、そうかぁ……の気持ちで書いた前回の記事 【ルーブル展のタイトルに違和感を覚え、そこから色々捏ね回す】 から早1か月半だ。
今更の再確認
前回の記事を書いてからしばらく、神話・聖書テーマの作品を意識的に観ることが増えた。実は自分が[思った以上に好きじゃなかった]事が妙に面白くて、ほとんど[好きじゃないことの確認]で観ていた。
神話と聖書は西洋美術どころか西洋文化全体の大腿骨なのに、そしてそもそも好んで西洋美術を観ているのにも関わらず、根本的な価値観が好きじゃないのって何らか致命的なのでは? などと本当に本当に本当に今更痛感しつつ、やっぱり風俗画とか象徴主義が好きだなという再確認にもなった。
いや 解っていたよ。所謂“体制側” とか多数決の多数の方とかが大抵性に合わない。
近代では既存の権力構造や宗教(信仰)観が徐々に崩れ
・唯一絶対のルールに従うか
・それを破って社会的、あるいは実際に死ぬか
の選択肢しかなかった社会が都市部から少しずつ変容する。絵画のタブーも破られ、それらは案外すんなり定着していく。ようやく目の前の世界や心の中の現実を描けるようになって行った時代。理想や理念は絶対必要だけれど、実際の人間を無視するのは愚かだし意味がない。
余談の余談
ちなみに私が最も好きな画家はギュスターヴ・モローで、多くの神話・宗教テーマ画を描いている。しかし伝統は踏まえた上で独自創作の伸びしろ部分が大変大きい画家で、神話・聖書のストーリーやエピソードを解説的に描くタイプでは全くない。彼もまた実に近代らしい画家の1人だと思う。
この話に関してもいずれここで書きたいな。ほとんどただの推し語りになると思うけれど。
結局
ルーブル展には行っていない。